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第八章 ルガの故郷
七十八話 ドゥジャルダンの衝撃
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ペルを倒したジョセフとユウはミーゴ兵と戦っている。
それから少し時間を遡り、リアとロスの二人はドゥジャルダンと戦いを繰り広げていた。
「何よ!全く刃が立たないじゃない!」
「攻撃も全然効いてる感じがしませんね」
ロスとリアの二人はドゥジャルダンに向かって交互に攻撃していた。
「水や火がダメなら次は雷よ!」
天竜の怒り
リアは羽から雷を作り出し、ドゥジャルダンに降らす。しかし、ドゥジャルダンは全くの無傷だった。それだけでなくダメージも入っていない上に、その表情はケロッとしている。
「なんで硬さなの」
「防御力が強すぎる」
ドゥジャルダンに幾ら攻撃してもダメージが入る気配など全くなく、ロスとリアは骨が折れそうだった。
「その程度なの?もっと頑張った方がいいよ」
ドゥジャルダンは呼吸をするように煽り文句が出てくる。すると、ドゥジャルダンの言葉に腹を立てたリアは反撃をしようと試みるが、ロスに止められる。
「それなら…」
「待って!このまま攻撃ばかりしてたら相手の思う壺です」
「だったら何?なにか打開策でもあるわけ⁉︎」
「それがないから落ち着こうって話をしているんですよ」
二人はいつものように睨み合いながら喧嘩をしている。
「はぁ…」
はぁ、意味わかんないそんなこと言ってる暇があったら何か考えなさいよ!
と言いかけたが、これ以上口喧嘩をしてもなんの意味もないと悟ったリアは口を閉じ、彼女は無言でロスを睨む。
するとドゥジャルダンから攻撃を喰らった。ドゥジャルダンは無言でロスたちの方を見つめている、するとドゥジャルダンの前に小さく、複数の魔法陣が現れて光の矢がとんでくる。
「シャイニングアロー?しかも無詠唱なんて」
ロスはドゥジャルダンのやっていることに驚きを隠せなかった。それからドゥジャルダンは次々と魔術を使った攻撃を仕掛けてくる。
シャイニングアローの次はアクアバレットと水が銃弾のような速さと威力で飛んでくる魔術や、フレアと言う火属性の魔術などその全てが無詠唱で繰り出される。
ロスとリアはその次から次へと繰り出される魔法を避けたり防いだりなどして身を守っている。魔学に関してさほど詳しくないリアはロスに質問する。
「アイツ、さっきからなにも喋らないで魔術?をバンバン打ってるけどなんであんなことができるの?」
ロスは戦いの中で息が上がっており、一息ついて呼吸を整えてからリアに話す。
「できますよ、ですが魔法や魔術を無詠唱で繰り出すには普通杖や魔導書が必要になるのですが、使わない上での無詠唱魔術は高度な技術と大量の魔力、それを熟練させるためにたくさんの練習が必要不可欠ですから、そう簡単になせる技じゃありませんよ」
リアは話を聞き終えると、視線をロスからドゥジャルダンへ戻し、再び攻撃態勢に戻る。
「このままでは埒が開かないわね、ロス!他にもっといい魔法とかないの?ああいう防御の強い相手を一瞬でやっつける魔法とか」
リアの無茶な注文にロスは困る、ただでさえ防御力のある相手にさらに強い攻撃を与えて突破する方法もあるが、ドゥジャルダンに限ってはそれが通用するとは思えない。
しかも、もしもの話ドゥジャルダンはどうなのかは分からないが、攻撃を与えれば与えるほど、攻撃された部分が強固になって行くといったタイプの能力もあるが、ドゥジャルダンがその能力を持っているか定かではない。しかし、もしもそうだったならロスたちがドゥジャルダンを倒すのは大分苦労することになる。
ロスはそうであってほしくないと願いつつ、ちょっと待っててください、と言った。
ロスもリアも疲労が溜まり、戦いで疲れてくるとドゥジャルダンがそんな二人を見てトドメを刺しに来た。
「あなた達、もう少しで終わりね、早く片付けてあげる」
ドゥジャルダンはそういうと、虫の周囲にオーラが現れ、それが光るとだんだんとドゥジャルダンは光に包まれて行く。すると、芋虫の姿からヒト型の姿へと変身する。
変身後の姿は、ロスやリアと同じくらいの身長で、アルビノのように頭から足の先、髪の毛も全て白く、目の瞳や虹彩のみが黒い色をしていた。
さらにロスとリアは今まで気づかなかったが、ドゥジャルダンには胸があった。しかも、リアやユウ、タイカよりも大きい膨らみ具合だった。
彼女は白いベールのような布でできたワンピースを着ていて、クラゲのように宙に浮いていた。
「パワーアップしちゃったじゃないの⁉︎これ以上どうしろってゆうのよ!」
「僕に聞かないでください!」
「ロス!何か外側からじゃなくて内側から攻撃するすべとかないわけ?」
リアのその言葉にロスはあることを閃く。しかし、ロスはその魔術を使う前にリアに、僕がなにをしてもなにも言わないでくださいねと、断っておいた。
その言葉にリアは了解、と言った。
するとロスは空間魔法で魔法陣をつないで異空間の中から一冊の魔導書を取り出して、ある魔法を使った。
ロスはその魔法をドゥジャルダンに向かって発動すると、彼女はモジモジし始めた。
その様子を見たリアは彼女の反応に驚き、どんな魔法をかけたのかをロスに聞いた。
するとロスは渋々リアとの目線をずらして喋った。
「…便意を催す魔法です…。」
そのセリフを聞いた途端リアは白くなり、固まった。
「…………」
アンタ、どんな魔法使ってんのよ!デリカシーのかけらもないわけ⁉︎
というセリフがこぼれそうになったが、リアは先ほどの会話を思い出し、口を紡ぐ。
しかし、リアの目は相変わらずロスを蔑むような目をしていた。
「なんだろう…心に穴が空いた感じがします」
「そうね…。もっと他にマシな魔法とかないの?体内から爆発する魔法とか、病気にさせる魔法とか、体調不良を起こす魔法とか…」
するとロスは首を横に振り、
「他人を病気にさせるのは禁忌魔法なので、それに生命体爆発魔法は専門外です」
リアはロスが手に持っている魔導書を刺し、ロスの表情を見て話す。
「じゃあ、それ以外でその魔導書ってなにが載っているの?」
ロスが手に持っている魔導書は生物の体に関する魔法だが、ロスが持っているものは、ほとんどが簡単なもので、専門のものとなるとロスが今の何倍もの勉強をしなければ取れないものだった。
「前々から思ってたけどアンタってたまにデリカシーのないことするわよね」
リアの発言を聞いてロスは肩を落とす。
「そんなことな…危ない!」
ロスは咄嗟にドゥジャルダンの攻撃を躱す。
「そんなくだらないことしてたら片付けるよ?」
ドゥジャルダンはそう言って攻撃を続けた。
「他になんかないの?」
「何が?」
「体の内側から攻撃する手段とか」
二人はドゥジャルダンの攻撃を防ぎながら会話をする。そしてロスは効くのかも分からない生理現象魔法を片っ端からかける。
あくびがでる魔法、くしゃみをする魔法、痛みが引く魔法、心拍数が上がる魔法、むくみが取れる魔法、喉が乾く魔法…その他にも様々な生理現象魔法を行使し、ロスの魔力はどんどん減っていく。
しかし、これまでに放ってきたロスの魔法の中でも最も著しく本能を見せたのが喉が乾く魔法だった。ロスがドゥジャルダンに喉が乾く魔法をかけた途端、彼女は攻撃するのをやめてふらつき出して床に膝をついて喉を押さえた。その様子を二人は見逃さず、すぐに反撃を開始する
「ロス!今なんの魔法使った?」
「さっきのは喉を乾かす魔法です、ならもう一度…」
「そんなことより手っ取り早く私が温風をかけるからアンタは、アイツが乾燥しそうな魔法でもかけて!」
「はい!」
そしてリアはヒト型の状態から翼を生やし、熱魔法を使いドゥジャルダンに温風を送る。ロスも同様に空間の湿度を下げる魔法を使い、ドゥジャルダンを追い込む。
するとドゥジャルダンはすぐさま膝をついて倒れた。彼女は咄嗟にバリアを張るが、ロスの湿度を下げる魔法によりドゥジャルダンの体表がどんどん乾燥していく。
次第にドゥジャルダンは気力を失って行き、とうとう意識を失うように倒れた。
「……倒した?」
「念のためあと二、三回くらいとどめ刺すわよ」
「了解」
するとロスはもう二回喉が乾く魔法を使ってドゥジャルダンの様子を見た。彼女はヒト型の状態で横になりうずくまるように寝ていた。
「全く動きませんね」
「なんだか寝ている見たいね」
「ドゥジャルダンが起きないうちにミーゴ兵の元へ向かいましょう」
ロスがそう言うとリアは頷いて二人でその部屋を後にした。
そして、ハマダラに地下の下層の方へ引きずり込まれたタイカはハマダラと再戦をしていた。
「しつこいね!そんなんじゃモテないよ!」
「余計なお世話だ!」
タイカとハマダラが戦う中でどちらかといえば、ハマダラの方が圧倒的に不利だった。
なぜならハマダラはヤスケとエフィとタイカの三対一の戦いで体力を消費しているうえに、ハマダラは蚊の虫人でタイカは火属性の技を得意とする、そのため蚊の習性を利用すればタイカはすぐにでも勝てた。
しかし、タイカはこの戦いで手を抜いて戦っていた。なぜなら、ハマダラが体力を消費していることや彼女が蚊の虫人だと言うことを分かった上で手加減をしていた。
「手加減なんて余計だ、本気を出さないとそのうち後悔するぞ」
ハマダラはそう言っているが、全身がボロボロになった相手と本気で戦えるわけがない。
「だったら降伏してよ、そうすればもう何もしないから」
タイカがそう言うとハマダラは戦闘態勢をやめ、いきなりどこかへ飛んでいった。
タイカはその様子を見てホッとしているが、この後立場が逆転するとは思ってもいないだろう。
ハマダラが向かった先には数多くのミーゴ兵がいて、ハマダラはそのうちの一体に抱きつくと吸血し始めた。その瞬間タイカは焦り出した。なぜなら、高濃度の魔力を秘めたミーゴ兵を吸血すれば高濃度の魔力が手に入り、体力も完全に回復すると思ったからだ。
するとタイカの予想通り、ハマダラの表情が今までと全く違う表情でかえってきた。
「食事はすんだ?」
「ほざけ、今すぐにでも片付けてやる」
それから少し時間を遡り、リアとロスの二人はドゥジャルダンと戦いを繰り広げていた。
「何よ!全く刃が立たないじゃない!」
「攻撃も全然効いてる感じがしませんね」
ロスとリアの二人はドゥジャルダンに向かって交互に攻撃していた。
「水や火がダメなら次は雷よ!」
天竜の怒り
リアは羽から雷を作り出し、ドゥジャルダンに降らす。しかし、ドゥジャルダンは全くの無傷だった。それだけでなくダメージも入っていない上に、その表情はケロッとしている。
「なんで硬さなの」
「防御力が強すぎる」
ドゥジャルダンに幾ら攻撃してもダメージが入る気配など全くなく、ロスとリアは骨が折れそうだった。
「その程度なの?もっと頑張った方がいいよ」
ドゥジャルダンは呼吸をするように煽り文句が出てくる。すると、ドゥジャルダンの言葉に腹を立てたリアは反撃をしようと試みるが、ロスに止められる。
「それなら…」
「待って!このまま攻撃ばかりしてたら相手の思う壺です」
「だったら何?なにか打開策でもあるわけ⁉︎」
「それがないから落ち着こうって話をしているんですよ」
二人はいつものように睨み合いながら喧嘩をしている。
「はぁ…」
はぁ、意味わかんないそんなこと言ってる暇があったら何か考えなさいよ!
と言いかけたが、これ以上口喧嘩をしてもなんの意味もないと悟ったリアは口を閉じ、彼女は無言でロスを睨む。
するとドゥジャルダンから攻撃を喰らった。ドゥジャルダンは無言でロスたちの方を見つめている、するとドゥジャルダンの前に小さく、複数の魔法陣が現れて光の矢がとんでくる。
「シャイニングアロー?しかも無詠唱なんて」
ロスはドゥジャルダンのやっていることに驚きを隠せなかった。それからドゥジャルダンは次々と魔術を使った攻撃を仕掛けてくる。
シャイニングアローの次はアクアバレットと水が銃弾のような速さと威力で飛んでくる魔術や、フレアと言う火属性の魔術などその全てが無詠唱で繰り出される。
ロスとリアはその次から次へと繰り出される魔法を避けたり防いだりなどして身を守っている。魔学に関してさほど詳しくないリアはロスに質問する。
「アイツ、さっきからなにも喋らないで魔術?をバンバン打ってるけどなんであんなことができるの?」
ロスは戦いの中で息が上がっており、一息ついて呼吸を整えてからリアに話す。
「できますよ、ですが魔法や魔術を無詠唱で繰り出すには普通杖や魔導書が必要になるのですが、使わない上での無詠唱魔術は高度な技術と大量の魔力、それを熟練させるためにたくさんの練習が必要不可欠ですから、そう簡単になせる技じゃありませんよ」
リアは話を聞き終えると、視線をロスからドゥジャルダンへ戻し、再び攻撃態勢に戻る。
「このままでは埒が開かないわね、ロス!他にもっといい魔法とかないの?ああいう防御の強い相手を一瞬でやっつける魔法とか」
リアの無茶な注文にロスは困る、ただでさえ防御力のある相手にさらに強い攻撃を与えて突破する方法もあるが、ドゥジャルダンに限ってはそれが通用するとは思えない。
しかも、もしもの話ドゥジャルダンはどうなのかは分からないが、攻撃を与えれば与えるほど、攻撃された部分が強固になって行くといったタイプの能力もあるが、ドゥジャルダンがその能力を持っているか定かではない。しかし、もしもそうだったならロスたちがドゥジャルダンを倒すのは大分苦労することになる。
ロスはそうであってほしくないと願いつつ、ちょっと待っててください、と言った。
ロスもリアも疲労が溜まり、戦いで疲れてくるとドゥジャルダンがそんな二人を見てトドメを刺しに来た。
「あなた達、もう少しで終わりね、早く片付けてあげる」
ドゥジャルダンはそういうと、虫の周囲にオーラが現れ、それが光るとだんだんとドゥジャルダンは光に包まれて行く。すると、芋虫の姿からヒト型の姿へと変身する。
変身後の姿は、ロスやリアと同じくらいの身長で、アルビノのように頭から足の先、髪の毛も全て白く、目の瞳や虹彩のみが黒い色をしていた。
さらにロスとリアは今まで気づかなかったが、ドゥジャルダンには胸があった。しかも、リアやユウ、タイカよりも大きい膨らみ具合だった。
彼女は白いベールのような布でできたワンピースを着ていて、クラゲのように宙に浮いていた。
「パワーアップしちゃったじゃないの⁉︎これ以上どうしろってゆうのよ!」
「僕に聞かないでください!」
「ロス!何か外側からじゃなくて内側から攻撃するすべとかないわけ?」
リアのその言葉にロスはあることを閃く。しかし、ロスはその魔術を使う前にリアに、僕がなにをしてもなにも言わないでくださいねと、断っておいた。
その言葉にリアは了解、と言った。
するとロスは空間魔法で魔法陣をつないで異空間の中から一冊の魔導書を取り出して、ある魔法を使った。
ロスはその魔法をドゥジャルダンに向かって発動すると、彼女はモジモジし始めた。
その様子を見たリアは彼女の反応に驚き、どんな魔法をかけたのかをロスに聞いた。
するとロスは渋々リアとの目線をずらして喋った。
「…便意を催す魔法です…。」
そのセリフを聞いた途端リアは白くなり、固まった。
「…………」
アンタ、どんな魔法使ってんのよ!デリカシーのかけらもないわけ⁉︎
というセリフがこぼれそうになったが、リアは先ほどの会話を思い出し、口を紡ぐ。
しかし、リアの目は相変わらずロスを蔑むような目をしていた。
「なんだろう…心に穴が空いた感じがします」
「そうね…。もっと他にマシな魔法とかないの?体内から爆発する魔法とか、病気にさせる魔法とか、体調不良を起こす魔法とか…」
するとロスは首を横に振り、
「他人を病気にさせるのは禁忌魔法なので、それに生命体爆発魔法は専門外です」
リアはロスが手に持っている魔導書を刺し、ロスの表情を見て話す。
「じゃあ、それ以外でその魔導書ってなにが載っているの?」
ロスが手に持っている魔導書は生物の体に関する魔法だが、ロスが持っているものは、ほとんどが簡単なもので、専門のものとなるとロスが今の何倍もの勉強をしなければ取れないものだった。
「前々から思ってたけどアンタってたまにデリカシーのないことするわよね」
リアの発言を聞いてロスは肩を落とす。
「そんなことな…危ない!」
ロスは咄嗟にドゥジャルダンの攻撃を躱す。
「そんなくだらないことしてたら片付けるよ?」
ドゥジャルダンはそう言って攻撃を続けた。
「他になんかないの?」
「何が?」
「体の内側から攻撃する手段とか」
二人はドゥジャルダンの攻撃を防ぎながら会話をする。そしてロスは効くのかも分からない生理現象魔法を片っ端からかける。
あくびがでる魔法、くしゃみをする魔法、痛みが引く魔法、心拍数が上がる魔法、むくみが取れる魔法、喉が乾く魔法…その他にも様々な生理現象魔法を行使し、ロスの魔力はどんどん減っていく。
しかし、これまでに放ってきたロスの魔法の中でも最も著しく本能を見せたのが喉が乾く魔法だった。ロスがドゥジャルダンに喉が乾く魔法をかけた途端、彼女は攻撃するのをやめてふらつき出して床に膝をついて喉を押さえた。その様子を二人は見逃さず、すぐに反撃を開始する
「ロス!今なんの魔法使った?」
「さっきのは喉を乾かす魔法です、ならもう一度…」
「そんなことより手っ取り早く私が温風をかけるからアンタは、アイツが乾燥しそうな魔法でもかけて!」
「はい!」
そしてリアはヒト型の状態から翼を生やし、熱魔法を使いドゥジャルダンに温風を送る。ロスも同様に空間の湿度を下げる魔法を使い、ドゥジャルダンを追い込む。
するとドゥジャルダンはすぐさま膝をついて倒れた。彼女は咄嗟にバリアを張るが、ロスの湿度を下げる魔法によりドゥジャルダンの体表がどんどん乾燥していく。
次第にドゥジャルダンは気力を失って行き、とうとう意識を失うように倒れた。
「……倒した?」
「念のためあと二、三回くらいとどめ刺すわよ」
「了解」
するとロスはもう二回喉が乾く魔法を使ってドゥジャルダンの様子を見た。彼女はヒト型の状態で横になりうずくまるように寝ていた。
「全く動きませんね」
「なんだか寝ている見たいね」
「ドゥジャルダンが起きないうちにミーゴ兵の元へ向かいましょう」
ロスがそう言うとリアは頷いて二人でその部屋を後にした。
そして、ハマダラに地下の下層の方へ引きずり込まれたタイカはハマダラと再戦をしていた。
「しつこいね!そんなんじゃモテないよ!」
「余計なお世話だ!」
タイカとハマダラが戦う中でどちらかといえば、ハマダラの方が圧倒的に不利だった。
なぜならハマダラはヤスケとエフィとタイカの三対一の戦いで体力を消費しているうえに、ハマダラは蚊の虫人でタイカは火属性の技を得意とする、そのため蚊の習性を利用すればタイカはすぐにでも勝てた。
しかし、タイカはこの戦いで手を抜いて戦っていた。なぜなら、ハマダラが体力を消費していることや彼女が蚊の虫人だと言うことを分かった上で手加減をしていた。
「手加減なんて余計だ、本気を出さないとそのうち後悔するぞ」
ハマダラはそう言っているが、全身がボロボロになった相手と本気で戦えるわけがない。
「だったら降伏してよ、そうすればもう何もしないから」
タイカがそう言うとハマダラは戦闘態勢をやめ、いきなりどこかへ飛んでいった。
タイカはその様子を見てホッとしているが、この後立場が逆転するとは思ってもいないだろう。
ハマダラが向かった先には数多くのミーゴ兵がいて、ハマダラはそのうちの一体に抱きつくと吸血し始めた。その瞬間タイカは焦り出した。なぜなら、高濃度の魔力を秘めたミーゴ兵を吸血すれば高濃度の魔力が手に入り、体力も完全に回復すると思ったからだ。
するとタイカの予想通り、ハマダラの表情が今までと全く違う表情でかえってきた。
「食事はすんだ?」
「ほざけ、今すぐにでも片付けてやる」
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