チート狩り

京谷 榊

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序章 破壊された世界とその後

二話 武器のエキスパート

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あれから3~4日ほどで次の街に着いたここは前の街から5000キロ離れたところにある都会と中世のヨーロッパが混ざったような街並みをしている。街は賑やかで店が出まわっていて、子供が元気に走り回っており前の街とは大違いだった。その様子にユウは嬉しそうに辺りを見ましていた。
「なんだ、この街が羨ましいか。」
「まぁ、そうだな」ユウは少し焦ったが平静を取り戻して答え、さらに質問を返した。
「そう言えばこの街に来た目的は何。」
「ここに来る前にも話だが覚悟した方がいいだろう、なんせあと数日でこの星を出るんだからな。」ルガの答えにほっとしたユウは。「なんだそんなことか別に構わないよ、私の目的もこの星を出なきゃできないことだからね。」「目的って?」
「自分の生みの親を探すのさ、私の育ちはあの街だけど生まれは違う星だって親に言われたのさ。」そんな会話をしつつも2人はちょうど、この日に泊まる宿に着いた。ここは宿言うよりも、ビジネスホテルとゆう感じで個室になっている。早速部屋の鍵を渡され、ルガの提案で部屋に荷物を置いた後それぞれ買い出しに出かけた。
ユウは食料を買いにルガは宇宙船の切符を購入するため役所に手続きをしに行った。
この街はこの星の中で最も栄えており気圏外及び星の外に出る港まである。
さらにこの町では10年以上続いた戦争や、くだらないきっかけで起こった戦争が全てなくなり平和な街を目指して政治を続け、今年で97年目になるらしい。
賑わいが落ち着いて静かで建物の少ない所に出たユウは買い物の最中、あるものをみた
それは赤いジャケットをきた大人1人に幼児が複数人、その背景には保育園のような施設が見えた。
ユウは微笑み買い物のために視線を前に移した後、買い物を終えて帰ろうとした次の瞬間
目の前の大通りを一台のリムジンが通った。そのリムジンは自分を通り過ぎて行った後左折し、保育園の中に入って行った。塀が低かったため先程と同じように様子を見ることができた。しばらく様子を見ていると車の中から中がらでスキンヘッドの男と、ガタイの良いスーツ姿の男が2人出てきた。
それを見た子供たちは逃げ出し建物の影やほかの先生たちの後ろに隠れた。
さらに自分以外にも次々と野次馬が集まって来たしかもその中から”また来たのか”と言う声が上がった。ユウは気になり隣にいるおじさんに話しかけた。
「ああ、姉ちゃんここに来るの初めてか、じゃあしょうがねえな。ああ…でも全部は話せねえな、そこだけは勘弁してくれ。」
「わかった」
「まずあのスーツを着たハゲがいるだろ、あいつは大企業の社長でな、あの赤い男に依頼しに来たんだ。」
「何故わざわざ保父なんかを雇うんだ?」
「なぜってあいつはこの町で一番強いんだ
まぁ、その理由は話せねえがな。」
「それに相手も相手だ最近この町でいろんな事件が多発しているが、裏ではあいつが首謀者だと言う噂も立っている。」
ユウはただ無言で聞いていた。

その頃ルガはと言うと役所で手続きをしていた、やはり住所、名前、身元、行き先を書くだけでも結構な手間がかがる。
う~ん住所は後回しにして…まず名前と身元を…俺らって旅人だけど住所ってどおすんだろ、もう不定でいいや。
そう思いながら手続きを済ませ席に戻った。
辺りを見渡すと人はまばらで窓の外やガラス越しに見える風景は未来っぽさを感じる建物があるルガは椅子に座り羽を伸ばしていると
突然後ろの方から話し声がした。
「また来ているらしいぜ。」「何が?」
「あのおっさんだよ」「ああ、またあの男への依頼か。」「あのおっさんもこりないよな。」すると話し合いに気味の悪い男が割り込んで来た、その話詳しく聞かせてくれといわれ若者たちは動揺しながらも躊躇うことなく全て話してくれた
「なるほどな、これで終わりかな。」
「はい、知っていることは全て話しました。」若者たちは少し警戒している様子だったが、「僕たちが話したってことは内緒にしてください。」と言い、苦笑いをして帰って行った。
自分も受け取るはずのものをまだ受け取っていないことを思い出し、窓口の方を向くとシャッターが閉まっていた。一瞬驚いたが近くにいる役所員に話を聞くと自分が若者達と会話している最中に呼ばれたらしいが反応せずしかも時間が過ぎていたため窓口も閉まっていた。受取物をもらう際は、また明日来て受け取るようにと言われた。

夜、日が沈みすっかり暗くなってから2人は宿のロビーにて面会し、1時間ほど会話をしていた。最初はユウから話し始めた。彼女は今日あったことを全て話しそれを聞いたルガは考え俯いた。ルガ本人も若者から聞いたことを話そうと思っていたが全く同じ話題と内容だったので話すのをやめた。
そのあと話題を変えようとしたのか切符のことを聞いて来た。そしてまた明日役所に行ってくると言ったら案の定沈黙した。

翌朝ルガはチケットをもらうためにまた役所に行くことになった。その日ユウは用事が有り外出するといいルガよりも早く宿を出た。
この1時間後ルガは役所での再手続きとして昨日と同じことをするハメになったさらにこの日は、宇宙船の切符の受付最終日なので今日中に済ませなせればいけないとルガからの電話があり宿に帰るのは遅くなりそうだといわれた。
そして今日のユウの目的地は昨日行った託児所だった彼女は昨日の事があり心配して様子を見にいった。託児所に着き様子を見たが特に異常は無かった。しばらく様子を見ていると自分が来た真逆の方から昨日の男が来た。
すると男は彼女を見るなり、
「ああ、この間の…昨日は悪かったな。」
と言うが。「どおって事ないさ、それに悪いのはあいつさ、まさか小さい子供にあんなことするなんて…。」ユウは昨日のことを思い出し腹が立った。
昨日の午後何が有ったかというと、リムジンに乗って来た男たちが帰った後、子供たちの帰宅時間となり3人の保育士と子ども12人
が、人目のない大通りで拉致された。
いなくなったのは子ども10人と保育士1人だった。合計で11人拉致されたが大人2人と子ども2人の合わせて4人は無事だったそうだ。
詳しいことや細かいことなどは警察が調べることになっていて、はっきり言って首を突っ込むことはできないらしい。
2人はかなり落ち込んでいる特にユウは昨日の拉致事件に居合わせていたのだ被害者たちが拐われた後、彼女も必死に追いかけたが人が車のスピードに勝てるわけもなく追いかけきれなくなったユウは真っ先にあの保育園に向かった最初は皆思っていたがのちに駆けつけて来た保育士たちによって知らされた事と親から子供が帰ってこないとの電話があり事態が急変し混乱に陥った。
犯人の検討はついているが相手の情報が一切わからず相手から来ない限り、なんの対話もできない。
そのように2人がしばらく会話をしていた、
2人の会話がちょうど追いついて来た頃に電話がかかって来たしかも保育園の中の事務室にある電話だった。男はスムーズにドアを開けて中に入ると一番奥にある電話が鳴っていた。男は昨日のことにより電話なんてとる気にもなれなそうな疲れた表情をしていた。
だが受話器を耳に当てた瞬間から一気に表情が変わった。そのあとから男は、分かった…などと相討ちを打つように真剣な表情をしながら話に答えている。
話が終わり受話器を置いた男はユウに別れを告げるなりその場から出て行こうとした。
ユウは一瞬で全てを悟った。
「ちょっと待て、何処に行くんだよ。」ユウは何処に行くかも分かっていた状態にも関わらず何処に行くかと聞いてしまった。
「ちょっと遠いところだがあいつらを連れ戻してくる。」と言った、これに反抗するかのようにユウは、
「本当にお前も帰ってくるのか。」と言う質問に半笑いしながら「多分な。」と答え、
扉を開けて出て行こうとした男に「私も連れて行きな。」と真剣な表情で言い、
「こう見えても私はつよいんだ」
男は真顔の表情で見つめる目の前の女性がどれだけ人の役に立ちたいと思っていても昨日会ったばかりの人にそんなことさせられるはずがない。「あのな…」と言い返そうとした瞬間「連れてってあげなさい!」と声のした方を見るとメガネをかけた中年ぐらいのオバさんが立っている。
ユウはどこかで見たことあるようなどうにも思い出せなかった。
「園長先生…」隣の男が言い放った際にユウは思い出したが表情に出さないようにした。
続けて園長先生は「いい…お嬢ちゃんこの子は昔から無理をする子だから私の代わりに、ちゃんと面倒見てね。」と母親が自分の息子を嫁に預けるときのような口調で言った。
さらに続けて「最後はこの子もあの子たちもちゃんと連れて帰ってくるのよ。」と園長はユウに言い渡した。その後2人は向き合い、「俺の名前はジョセフ・フォーリング、君は?」そして2人は互いに自分の名を名乗り、戦に向けて託児所をあとにした。

その後2人は汽車に乗り例の社長がいる場所に向け出発した、汽車が駅から出てすぐに
作戦会議が始まった。
ジョセフの話によると例の社長がいる会社は
普通の建物とは違い要塞の様な建物で、入り口付近や様々なところに武装し銃を所持した警備員がいる。
「そこで俺が正面から入る、奴らの狙いは俺だ。」「だから君は俺の後ろからついて来てうまくすり抜けて子供たちを救出してくれ、多分防犯カメラがあると思う。」
「そこのところはうまくやってくれ。」
列車の窓の外の元気で賑やかな風景から静かで寂しい風景に変わっていったところで話に句切がついた。
その後もしばらく話し合いは続き、窓から見える風景が荒野で寂しくなってきた頃に話し合いが終わり、完全に静かになった。
周りに人は少なく列車のタイヤの回る音や線路の上を走る音だけが聞こえてくる。
静かになった2人は緊張感を持っているのか手を動かすや表情を変えるなどの仕草をし、緊張をほぐしている様に見える。
このように静かにしていると急にジョセフが窓の外を見ながら物語でも語るかのように話しかけて来た。
「俺は赤ん坊の頃からあそこで生まれ育ったんだ、だけど俺には両親がいねぇ。」
「小さい頃にちょっとした事故で亡くなったんだ。」ジョセフはゆっくり話した。
「そのあと俺は裏社会で生活している遠い親戚に貰われて。そのおかげで歳が二桁になる頃には俺も裏社会の仲間入りをしてたんだ、そのあと何をしてたかって言うと…本当にロクなことしてなかったって今思うよ。」
ユウは興味ありげに聞き耳を立てると衝撃的な言葉が出てきた。
「人殺しをしてたんだ何人も何人も銃や刃物で沢山殺した。そのあと俺は自分のやっていることに気づいて裏社会からも自分の責任からも逃げた。逃げる最中銃撃に当たって怪我した俺をかばってくれたのがあの園長先生だ。」
「あの人は自分の両親の古い友人でこんな自分でも今まで何があったか全てを話しても受け入れてくれたんだ。そのあと俺の両親の墓に連れて行ってもらった、その時は墓の前でメチャクチャ両親に謝ったよ。」
ジョセフは少し嬉しそうな顔をして言った、けれども一気に表情が暗くなった。
「でも本当の問題はそこからだったんだ。
どこから情報が出たのか分からなかったが17年前にとある団体から戦争に出ろとの依頼がきたんだ。」
そこからユウも大きな奇跡を目の当たりにしたような表情をしている。
「まさか…その戦争って…。」
「ああ、101戦争のことさ。だから俺もあの100人の中の1人だったってことだよ」
「要するに俺は~武器使のチート~ってわけさ。」
ユウは驚愕のあまりか、かなりの冷や汗を書いている。その後しばらくしてからユウは冷静になったがその驚きを隠せないでいる。

目的の駅に着き下車したが2人の目に映ったものはいくつか立て並ぶ工場と荒野だった。
今の2人はもちろん周りの人たちもみんな薄暗い表情をしている。
そんな2人に予想外な出来事が起こる。
「あれ、何してんのこんなところで」
急に背後から声が聞こえた。ユウにとっては聞き覚えのある声だったが気のせいだろうと思い、ジョセフの場合は別の人に話しかけてるのだろうと思った。
それでも声の主が気になり両方とも振り向くと、身体ほとんどが黒く顔も見えない状態になっている人が目に入った。
ユウは誰なのかすぐに分かったがジョセフは
かなり怪しい人に声をかけられた時のような顔をしており、少し戸惑っている。
そんなことを全く気にせず知り合いに会ったかのようにユウはいきなり話しかけた。
「なんでここにいんの?」
逆にそれはこっちのセリフだ。と言いかけたがルガは我慢し、場所を移そうと提案した。

駅の外に出た3人は人の来なさそうな場所に移りそれぞれ今の状況を説明した。
「ここには宇宙船の切符を買いに来たんだ。
面倒だが切符を買うためには実際に港で買わなきゃいけないらしい。であんたは…そしてそのひとはなに?」と言われたユウは焦りながらも今日の朝から今までのことをを全て話した。
するとルガは反応の一つもなしに唐突にこんなことを言い放った。
「お前、俺らの仲間にならないか」それを聞いたユウは驚き、ふとジョセフの顔を見ると
爆発しそうな感情を抑えながら、
「お前が俺より強かったらな。」
と告げて会話が終わりジョセフは真っ先に目的地に向かって行き2人はその後を続いて行った。
ユウは今までの事からジョセフの気持ちが十分にわかるが、あんなことを言ったルガにも何か考えがあるのだろうと感じていた。

三人が目的の建物に近づき警備の人が見えたそこで作戦は実行され二手に分かれた。
ルガとユウは裏門の方へ、ジョセフは堂々と正門へと近づいて行き正門に着いたジョセフを二人の警備員待ち構えていた。そのうちの一人が受信機か何かを使い内部に連絡したかと思うとゆっくりと門が開いた。警備員は何も言わずに中に入るジョセフをただ横目に見送るだけだった。
ジョセフは中に入るとすぐ目の前に例の社長と誘拐された人質達がいた。
人質達は会話が聞こえないほどより遠く離れた場所にいて武装したガードマンに囲まれている。
「じゃ、約束通りその子達を放してもらおうか」入ってくるなり子供達の安全を気遣うためかまず最初に、人質の解放を望んだ。その顔は完全に何かを訴える蛇のような怖い目つきで相手を睨んでいる。
「ああ、解放してやるともそのかわり君が私の話を聞いてくれればの話だけれど。」
社長は話しながら近づいた。
「話って何だ俺が戦争に出ればいいのか、
それともどっかの国で暴動を起こせばいいのか」これを聞いた社長は笑いながら答えた
「飲み込みが早くて助かるよ。でも大丈夫、そんなことしなくてもいいから。」
「じゃあ用件は何だ…」この会話と人質が解放されないことにジョセフは少しづつイライラし始めた。
「用件は君に死んでもらうことだ」
社長は一息ついてから説明し出した。
「君はもう少し自分の立場を知るべきだ。」
「いいかい、もし君が死ねばあの街の連中は黙っていない。だけどそれ以上に他の連中も黙っていないわけさ。」
「現状君一人は何万人もの軍隊、またはそれ以上のものに匹敵する。そこで君がいなくなれば他の国の奴らや、あの裕福な街を狙ってくる奴らだっている。」
「それだけじゃない、もし君ほどのレベルの人が倒され殺されでもしたら、かの巨大な宇宙連合も複数もの軍を連れてこの星へ来るはずだ。」
「そうなればすぐになにが起こるかはわかるはずだ」
ジョセフは呆れながらも
「そんなのお前らに何のメリットがある?」
「メリットなんてないさでももしあるとするなら戦争が見られることかな」
社長は不適な笑みを見せながらジョセフに銃口を向けた、社長はジョセフを打とうと引いた次の瞬間、社長の背後から爆発音がした。
ジョセフと社長はとっさに建物の方を見ると床には鉄製で頑丈そうなの扉が倒れている。
「なんだよ。この建物裏口どころか窓も何も無ぇじゃねえかよ」
そうぐだぐだと愚痴を吐き捨てながら出て来たのはルガとユウだった。
すると途端に騒がしくなった、ジョセフの後ろを振り向くと武装した警官隊が突入して来たのだ。
それを見て人質をかこっていたガードマン達は人質や警察官達に銃を向け威嚇したがユウ
一人の足技で一網打尽にされ、警察官の御用となった。
みるみるうちに囲まれていく社長は青ざめ焦り出し、遂にはジョセフに向かって発泡した
がジョセフはなに食わぬ顔で社長の元へ歩いていく。
「こんなもんで俺を殺せるかよ、俺をたおしたきゃ黒引丸でも持ってくるんだな。」
そうしてジョセフは銃を奪い取りつまみ上げると警官に投げつけ警官はそれを両手で
キャッチした。
「一体誰に仕向けられてこんなことをしたんだ。もし俺を本気で殺そうと言うならちゃんと策を練った方がいいぞ」
ジョセフそう言い放つと社長は気の抜けたような顔をしてその場にへたり込んでしまった
そんな社長に哀れみを感じながらジョセフはじっと見ていた次の瞬間、目の前に真っ黒な布が現れたと思うとそれがすぐにルガの事だと分かった。
「おい、何をしてる」と口走った矢先、振り向いたルガの手のひらにとんでもないものがのっかっていた。
「何をしてる、じゃねえだろ気付かなかったのか。」
ルガの手のひらには黒引丸がのっかっていた
「これをどっかからお前に向かって打って来たんだろうよ」
「じゃあなんだよこいつ以外にも俺を狙っている奴がいるのか?」
「いるらしい。だが逃げられたようだな」
無表情のまま二人は黙った。

それから数分後企業の人たちは全員連行され人質達は解放されて一足先に帰っている。
ことの本末がついた三人は駅のベンチでゆっくりと会話をしていた。
ルガはこれから楽しいことがあるかのように元気よく話を切り出した。
「さて、今後の方針について話そう」
「言っておくが仲間になんてなる気はねえよ」ジョセフは呆れ顔で言うとしばらくは黙って二人の話を聞く。
「まぁ、そう言うなって。この旅の目的もちゃんと伝えるから。」
少し焦った様子でルガは言った。
「単刀直入に話そう、今からまた数年後にまた101戦争が起こる。あたしらはそれを止めるために仲間を集めて旅をしている」
真剣な眼差しでユウは話を切り出したがすぐに反論が返って来た。
「証拠はあるのか、それにお前らにあいつを倒せる強さがあるのか」
厳しい態度で質問をして来たジョセフはすぐそばの壁に腕を組んで寄り掛かった。
「あるさ、まぁまだこいつには『引力丸』も『第六感』も教えてないが、戦闘の基礎と応用なら身に付けてある。」
ジョセフはじゃあ、と言葉に出そうとした瞬間ユウが口を挟んだ。
「前から聞くけどその『いんりょくがん』や『第六感』って何だ」
真剣な表情で質問されたけれどもルガは
「それはまた今度、宇宙船の中で話す。それじゃあ証拠だな今から俺が強いって言う証拠を見せる」そう言ってルガは脚の裾や袖をまくった。すると何よりも最初に黒い腕輪のような枷にも見えるようなものをたくさんつけていた。これを見てもユウは何とも思わなかったがジョセフはギョッとしている。
「お前本当に何者なんだ」と言うジョセフの言葉に「ただの旅人だよ他のことはついて来てくれるなら教えてあげよう」
続いてルガは話した
「出発は明日だなるべくだったらついて来て欲しいでも強要はしない。」
そうして会話は終わり電車が来た。

~翌日~
「今日の宇宙船は夜の出発になっている。だから昼あたりに港に向かうぞ」
ルガはそう話すとユウは真顔で口籠った。
「そう落ち込むなって。俺らができるのは誘うだけだ、あとはあいつ次第だ」

早朝の託児所にて最初に現れたのはジョセフだった。ボストンバックを片手にいつもとは違う服装で現れた彼はため息をつくと後ろから声がした
「もしかしてまた何処かに行くの?」
完全に聞き覚えのある声だった。声自体は、ちょっぴり悲しそうだったが振り返るとその人の顔はとても優しそうな笑顔に見えた。
「あの時は二年くらい返ってこなかったけれどそれでいいの?子供達に挨拶はしたの?」
と質問攻めだった。
「ありがとう。ちゃんと返ってきます」
と言い実際に行っていますとは一言も言わずに行ってしまった。園長先生は去って行くジョセフを見て手を振った、それが本人に気づかれなくても自分にできる精一杯のことだと確信していた。

昼下がり、宇宙船の港にて
「やっぱり来たか」ルガはそう言い放つと椅子に座っていたジョセフは顔を上げて嬉しそうに微笑んだこうして三人は宇宙船に乗り込もうと歩き出した瞬間ユウはあることに気づいた
「そういやジョセフの分の切符は買ってなくないか。」するとユウは一瞬青ざめた
「いや大丈夫だ俺名義で2枚分切符がある」
ユウは困惑したがジョセフは考えるのを諦めた。
「実はなここに来て2日目に役所に行ってもう一枚やり直しと勘違いして俺名義で書いたんだ。だけど名前だけなら後でも変更できるらしいから大丈夫だろ。」
ユウは口をポカンと開けて固まった、その後三人は宇宙船に乗り込み星を出た一人黒いのをのぞいて落ち着いて二人は船内の席についた。
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