逃げられない檻のなかで

舞尾

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その後

翌八月2

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 目の前には巨大なビル群、そして沢山の人。
 あの日の約束通り、俺達は都会に来ていた。駅から出た目の前には液晶ビジョンがあり、道路には水商売勧誘のトラックが走っている。
 懐かしい風景のはずなのに、あの田舎に馴れた俺達はあまりにもうるさい喧騒に辟易した。

「この街ってこんなうるさかったっけ」
「俺はあの村の方が好きだな。早く戻りたい。畑中は上手くやっているだろうか」
「大丈夫だよ。畑中さんしっかりしてるし」

 俺達は夏期休暇を利用して、この故郷に戻ってきていた。俺の仕事は唯一の上司の野田さんに、正人の仕事は畑中さんに任せてある。
 正人は心配しているが、そんなに心配しなくてもいいだろう。そもそも何もない村だしな。

「正人の実家ってここら辺か?」
「ああ、ここから結構近い。遥は?」
「さすがエリートって感じだな。俺は郊外だよ」

 住んでいる所からレベルの差を感じる。きっと学校も良いところに行っていたのだろう。
 そういやおれ、あまり正人の事知らないな。どこに住んでいたのか、どんな学校に行ったのか。出会う前のことを正人はほぼ話さない。だから俺も知る機会がなかった。
 この旅行でそれも分かるといいな。期待を膨らませながら俺達は歩きだした。

「遥が行きたい店はこっちか?」
「ああ、ずっと行きたかった喫茶店なんだ。そこで昼御飯を食べよう」
 
 スマホの地図を見ながら目的地まで行こうとするが、すぐにバテてしまった。原因は真上にある燦燦と輝く太陽だ。
 暑い。暑すぎる。というか日差しが痛い。8月の強烈な紫外線に加え、コンクリートの照り返しで焼肉になったような気分になる。半袖のシャツに七分丈のロングカーディガンを着ているのだが、七分丈の肌が見えている部分に紫外線が突き刺さって痛い。対して正人はポロシャツにクロップドパンツという、紫外線よ俺を焼いてくれとでもいうような格好だ。なのに平然としてるもんだからこいつの感覚は狂っているのではないかと疑ってしまう。

「正人、暑くないのか……?」
「暑いが……まあ我慢できる」
「すげーなお前……」

 普通に感心してしまった。きっと基礎的な体力が全く違うのだろう。
 俺はもうフラフラだ。これは暑さだけじゃなく多分日頃の運動不足をある気がする。目的地に着く前に倒れそうだ。少し朦朧となりながらスマホで地図を確認していると、肩を捕まれ引き寄せられた。

「遥、危ない」
「お、お前!そんな彼氏っぽいことしなくていいから!誰が見てるか分からないし!!」

 抱きとめてくれた正人を慌てて剥がす。
 確かに人にぶつかりそうになっていたけれど、か弱い女子にするようなエスコートは勘弁してほしい。こんな街中で彼氏っぽいことされると恥ずかしさで死ぬ。俺だって男なんだ。この人混みの中では友達同士の距離感でいてほしかった。

「俺は今ここでキスしてもいいんだけどな……」
「やめろ!!こんな街中でとんでもない!!」

 全力で拒否したら、正人はそれに腹が立ったらしい。むっとした表情で顎を捕まれ傾けられる。これはキスする体勢だ。
 ちょっと待て、ここ街中だぞ?沢山通行人がいるんだぞ?

「じょ、冗談だよな……?」
「……」

 ヤバい本気だ。
 正人のギラギラとした目が物語っている。こうなった時、俺の願いはほぼ聞き入れられない。
 逃げようとするも、腰に腕を回され、逃げられない。せめてもの抵抗で背中や腕を叩くが、どれだけ叩いてもその力が弱まることはない。万事休す。
 唇までほぼ数ミリの距離の時――プルルルと着信音が鳴った。

「ま、正人ホラ電話!早く出ないと!!」
「……」

 良かった!キスしないですむ!
 その着信音が救世主にも思えた。けれど正人はその着信音に眉を潜め、少しだけ考えたあと……電話を無視してキスをした。

「!?」

 恥ずかしさで顔が一気に真っ赤になる。
 やめてくれ!こんな街中のど真ん中で!通行人の目がめちゃくちゃ刺さる!!
 どんなに暴れても離してくれない。しかもちょっと舌入ってる。たっぷり時間をかけてキスしたあと、唇を舌でなぞって離れた。

「ふぁっ……」
「次から嫌がるなよ」

 満足そうな笑みを浮かべ、正人は電話に出る。こんなことになるなら嫌がらなければよかった。
 あああ、通行人の目が刺さる!俺達を見ないでくれ!!

「遥、悪いちょっと離れる。ここにいてくれ」
「えっ!?」

 仕事の電話なのだろうか、そう告げるとそそくさとどこかへ行ってしまった。
 俺はポツンとその場に残される。通行人からはいまだにチラチラと見られていた。
 こんなタイミングでどっか行くなよ!
 そう文句を言いたいが、俺はここで待つしかない。仕方ないので、スマホをいじって気を紛らわすことにした。


「おい、お前だな?高取遥ってのは」

 スマホを見て今日の予定を考えていると、急に誰かから話しかけられた。そちらを見るが、知らない人。
 年齢は二十代前半だろうか。スーツを着て、綺麗な黒髪を後ろに撫で付けている。本人は威厳を示したいのだろうが、160㎝にも満たない身長では、猫が威嚇しているようにしか見えなかった。

「どうなんだ。お前なのか」
「……そうですけど」

 なんだこいつ。あまりにも高圧的じゃなか?
 初対面なはずなのに高圧的に話すこいつに腹立って無愛想な態度になる。しかし俺はこいつよりもきっと年上だ。年上として、寛容に接しなければならない。

「一体どうしましたか?」
「お前だな!正兄をたぶらかしたクソビッチは!」

 なんだこいつは!!
 さすがにカチンときた。初対面の人物にこんな貶される覚えはないぞ、俺は。

「失礼だなお前!初対面の人になんて口を聞くんだ!!」
「お前は正兄を奪っただろう!高取遥!!」

 その言葉に、ようやくピンと来た。さっきから出てきている正兄って――

「正人のことか?」
「そうだ!俺は正兄の従兄弟の高取正嗣だ!!」

 このクソガキは正人の親族らしい。
 にしても俺に対する暴言酷くないか?高取一族で一体どのように俺の事が伝わっているんだ。

「傷物にされて正兄が憐れんだんだろう!その優しさに漬け込みやがって!!」
「ちげーし!!」

 むしろ正人が傷物にしたんだよ!!
 そう叫びそうになったがなんとか留まった。それじゃ傷物を認めたことになるからな。

「正兄を返せ!ドロボウ猫!!」
「ドロボウ猫て……」

 そんなこと言うやつ初めて見たぞ。ダメだ、このクソガキとは仲良くなれそうにない。
 正人の親族だから仲良くしたかったのだけど……さすがの俺も堪忍袋の緒が切れた。一発ぶちかましてやる。
 大きく息を吸い込んで、怒鳴ろうとした時――遠くから正人の声がした。

「正嗣!」
「正兄!」

 正人の姿が見えるやいなや、このクソガキはパアッと効果音がつくようなほど顔を綻ばせた。そして駆け寄りゴロゴロと甘えている。
 あれだ、飼い主に媚びる猫のようだ。

「お前迷っているんじゃなかったのか。ずいぶん探し回ったぞ」
「先に遥さんを見つけたからさ、遥さんと一緒におしゃべりして待ってたんだ」

 おしゃべりとは。さっきの会話がおしゃべりだったら世の中から喧嘩が消えるぞ。
 さっきの電話の相手はこの正嗣ってやつだったのだろう。ということは意図的に俺と正人を引き離して、喧嘩を吹っ掛けたのか。やばいなこいつ。
 正人は正嗣の本性を知らないのか、それとも知らないふりしているのか分からないが、俺に彼を紹介した。

「遥、紹介するよ。従兄弟の正嗣だ。正嗣には遥のこと前から話していたんだ」
「初めまして、遥さん!正兄が言ってた通り素敵な人ですね!」

 俺と言い合っていた時とは全く違う声のトーンで正嗣は話す。目もキラキラと輝かせて、人畜無害の顔をしていた。
 こいつぁ……!
 正嗣の変わり身の速さに、思わず顔をひきつらせた。

「初めまして、正嗣さん。正人の恋人との高取遥と申します。よろしくお願いします」

 だから、あえて恋人を強調して言ってやった。
 ピクッと顔を強張らせているその姿に、ざまあと心の中で笑う。年下相手にマウントとるなんて情けないと言われるかもしれないが、あんな事言われてめちゃくちゃ腹立ったんだ。徹底的にやらないと気が済まない。こちとらあまり性格がよろしくないんでな。
 見えない火花をバチバチと散らせていると、正人が呑気に訊ねた。

「それにしても正嗣、よく俺達の場所が分かったな」
「正兄から行く場所は聞いていたからね!それから交通機関の時間を逆算すればどうってことないよ!」

 こいつ怖いな。
 さすが正人と血が繋がっている人物だ。時間を逆算して、この炎天下の中スーツで待っていたと考えるともう狂気としか言えない。

「それに頼まれていたこと直接伝えたくて!」
「っ!そうか。すまない、遥ちょっと離れるよ」
「あっ……」

 俺の返事も待たず、二人はどこか行ってしまった。また、その場にポツンと残される。
 俺に言いにくいことなのだろうか。にしても姿が見えないほど遠くに行かなくてもいいじゃないか。なんだか仲間外れにされたようでモヤモヤする。
 仕方ないので、再びスマホいじりを始めた。

 しばらくすると二人は腕を組ながら戻ってきた。
 従兄弟の距離感としてはおかしいことに気づいてくれないかな。そうつっこみたくなるけれど、どこかズレている二人に言っても無理だろう。
 俺の前に来ても正嗣はずっと正人の腕に腕を絡ませませている。逆にやるなお主。

「遥、ごめん待たせたな」
「そんな待ってないよ。それじゃ、喫茶店行こうか」

 正嗣とはここでお別れだろう。こいつからやっと離れられるとウキウキしていたが、予想外のことを言われた。

「その……正嗣も一緒に連れていってもいいか?」
「へ?」
「僕も一緒に行きたいな!」

 ニコニコ笑みを浮かべている正嗣がめちゃくちゃ憎たらしい。きっと最初からそのつもりだったんだな。
 ああ、くそ、ここで断ったら心の狭い恋人だと吹聴されるに違いない。大体さっきまで俺つってただろ。猫かぶりも大概にしろよ。
 そう怒鳴りたくなるのを抑えて苦虫を噛み潰したような表情をしながら、了承した。

「別に……良いけど……」
「ホント!?ありがとう!遥さん!」

 俺の手を握って正人に聞こえないようにざまあと言ったこと、絶対忘れないからな。


 喫茶店は正嗣と出会った場所から約十分ほどの場所にあった。ビルとビルの間にこじんまりと営まれているそのお店は、知る人ぞ知る名店だと食通ぶった昔の同僚が言っていた。
 ドアを開けると、カランカランと心地よい音が鳴る。店内はカウンターにテーブル席が四卓ほど。初老らしきマスターが案内してくれて、俺達はテーブル席に座った。

 うん、とても雰囲気がいい店だ。銀行員時代から来れば良かったかな。
 落ち着いた店内にクラシックが流れ、都会の喧騒から離れたオアシスのように感じる。
 まあ、目の前のこいつさえいなければの話だが。

 今テーブルには正人の隣に正嗣、そして正人の正面に俺が座っている。
 正嗣はテーブルにつくなり、すごい勢いで正人に話しかけ始めた。お陰で俺が入り込む隙間がない。
 いや、別に怒っているわけじゃないんだ。俺も親族の人とは仲良くしてほしいと思ってるし。でも、やっぱりその、ほんのちょっとだけ腹が立つ。
 だから、メニューを広げて会話を打ち切った。

「二人は何にする?俺は名物らしいカレーにしようかな」
「俺も遥と同じカレーにするよ」
「僕は……ううんと……」

 正嗣は真剣にメニューを見始める。やっと正人と話す機会ができた。

「正嗣くん、従兄弟なんだな。正人に兄弟はいないのか?」
「俺は一人っ子だ。高取家の従兄弟は全員で8人いる。そのなかでも男は俺と正嗣しかいないからな。昔はよく一緒に遊んだんだよ」
「従兄弟が8人!多いな」
「父の姉妹が3人いるからね!ちなみに僕が長男の子で正兄が長女の子だよ。そんなことも知らないの?」

 その言葉は俺の胸にグサリと突き刺さった。ニヤニヤと見下す正嗣に、何も言い返すことができない。
 俺は、正人こと本当によく知らないのだから。

「こら正嗣!そんな言い方はするな」
「ごめん……正兄。でも不思議に思って……」
「そうなんだよ!正人さあ自分のこと何にも教えてくれないんだよね」

 だから何も知らないことを全て正人のせいにしてやった。実際、本当の事だしな。

「俺のこと愛してるって言ってくれたのにさあーその気持ちも嘘だったのかなって今思っているんだよねぇ」
「そんなことない!俺は遥を愛している!世界で誰よりも!!」

 喫茶店の中に響くほど大きな声で正人は宣言した。
 そんな大声で恥ずかしい事言うんじゃないと怒りたいが、目の前の正嗣があからさまに不機嫌な顔になったので良しとする。俺は頬杖をついてニヤリと笑った。

 俺はタダじゃ起きないぞ、クソガキ。


 結局正嗣は俺達の行くところ全てに着いてきた。今も、正人と正嗣は二人仲良く腕組みしながら歩いている。俺はその後をゆっくりと着いていった。途中でコインロッカーから回収した小型のキャリーケースをゴロゴロと転がしながら歩く。
 正直邪魔で仕方がなかったが、今日ずっと一緒にいて正嗣の気持ちも分かってきた。だから今はさせたいようにしている。

 しばらくすると地下鉄の入り口前にたどり着いた。ここで正嗣と別れる予定だ。正嗣はすごく寂しそうにしながら、正人に訊ねた。

「正兄、今日僕の家に泊まっていかない?」
「……それは」

 正嗣は一生懸命正人を見ている。もっともっと遊びたいとでも言わんばかりだ。
 仕方ない、助け船だしてやるよ。

「正人、泊まるといいよ。俺一人でホテルに行くからさ」
「遥!?」

 なんでそんな事言うんだと、驚愕な表情で俺を見ている。この提案は正人の為じゃない。正嗣のためだ。だって、ずっと寂しかったろうから。

「お前正嗣とどれくらい会っていない?もうちょっと遊んでやれ。従兄弟……なんだろ」
「遥……」
「俺とお前はいつでも一緒じゃないか。帰れる場所があるなら、帰った方がいい」

 俺には、ないから。
 さすがにその言葉にまで言えなかった。けれど、正人には俺の言いたいことが分かったらしい。

「……でも正嗣、俺は父に勘当された。そのことは伝わっているだろう?」
「……うん」
「その、俺が行っても迷惑じゃないか?お前達が何か言われないか」
「大丈夫だよ!だって、父さんはおじさんの上司だし!それに皆会いたいって言っていたから!」

 なんかちょっと高取家のどろっとした部分が見えたな。その序列でいうと、正人の父は正嗣の父に頭が上がらないのか。
 それでも正人は迷っている。

「……遥も一緒に行こう」
「俺はいいよ。久しぶりの再開に水差せない。行ってこいよ」
「いや、でも……」

 さすがに勘当された原因の自分が、一緒に行くことはできない。その場の空気を壊したくないからな。
 粘る正人をなんとか説得して、送り出した。

「ありがとう、遥。皆に挨拶したら戻るよ」
「いやそのまま泊まってこいよ。また明日な」

 そうして駅に消えていく二人を見送った。
 完全に姿が見えなくなってから俺もホテルへと向かう。正人も自分の荷物を入れたボストンバッグを持っていたから着替えなどは大丈夫だろう。
 明日の待ち合わせ場所は後で連絡するか。

 それまでは従兄弟達とゆっくりと過ごしてほしい。
 俺はな、やっぱり親族は大事にすべきだと思うんだ。血より濃いものなどない。だから――
 プルルルと電話が鳴る。誰からかかってきているのかを見て、すぐに電話に出た。

「はい、高取です。ええ、無事に着きました。……はい……はい。明日よろしくお願い致します」

 大事なのは明日だ。何としても成功させないと。

「よし、明日は頑張るぞ」

 大きく背伸びをして、ホテルへと向かった。
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