【完結】君と恋を

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その後の二人

一ヶ月後の解禁話 4※

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「あぐ、は、あっ、」

 口から勝手にこぼれてゆく、汚い声。
 それでも、それすら堪らないといった顔で蓮が労るよう反った背中に口付けながら腰を押し進めてくるので、裕は腰が砕けてしまわぬようにと背もたれを必死に掴みながら、めいっぱい広がりミチミチと音がしそうなほどの衝撃に耐えた。

「ひ、ん、あ、はっ、」
「……っ、ぜんぶ、はいったよ、頑張ったね。……裕のなか、熱い。気持ちよすぎて、すぐイッちゃいそう」

 久しぶりの裕の肉壁の熱さと気持ち良さに唇を噛み締め耐える蓮のその言葉に、ヒュッ、ヒュッと喉を鳴らしぶるぶると震えながらも、裕が蓮を見る。

 快楽で滲む視界はぼやけ、それでも必死な表情をしている蓮の、上はかっちりと着込んだままのスーツ姿に、……爽やかな笑顔で王子様だなんだと言われているあのナンバーツーの蓮が、男の俺にこんなに欲情して余裕ひとつもないなんて。と迫る愛しさに胸を高鳴らせ、裕は無意識にきゅっきゅっ、と蕾をひくつかせた。
 その刺激に、動かれてもいないというのに、

「は、ぁ、ん、れんの、あついぃ…」

 なんてわなないた裕のいやらしすぎる姿にまたしても腰が重くなり、もう待ってあげられない。と腰を動かし始めた蓮。


 ぐちゅ、ずるっ、ぐちゅんっ、と繋がった部分から、到底リビングには似つかわしくない水音が絶えず響き、裕は後ろから突き上げられあえかに喘ぎ声を散らす事しか出来ず、深い所を撫でられ、入り口を擦られ、飽和していく快楽にびくびくと体を震わせた。

「は、あ、ん、あっ、あっ、」

 己の体を内側から破壊するかのような蓮の激しい動きに開いたままの唇から涎を垂れさせ、生理的な涙を流してしまい、ソファの背もたれはもうぐちゃぐちゃに濡れてしまっている。
 突き上げられるたび揺れる陰茎もふるふると糸を滴らせ、ソファに染みていく。
 そんな倒錯的な状況がより一層興奮を高めさせ、快感に飲まれながら蓮の熱い吐息が耳元でこだまする事にすらビクンッと身を震わせる裕に、

「ゆう、かわいい、すき、だいすき」

 だなんて蓮は甘い言葉を何度も何度も吐きながら、それでも容赦なく攻め立ててくる。
 その声にもびくびくと背を反らす裕が無意識に中へ中へと誘い込み、ぎゅうっと蓮の陰茎を締め付ければ、パチパチと目の前で散ってゆく火花。
 蓮もまた焼けるほど熱い裕の中がうねりながら自身をきゅうっと締め付け蠢く気持ち良さに唇を噛み、腰を速めていくばかりで。

 ギシギシッと激しく鳴るソファ。
 二人分の吐息が部屋に充満し、濃密な空気のなかに溶けてゆく。

「あっ、あっ、あ、そこ、そこ、あぁ、」
「んっ、ゆう、奥好きだよね、ここ叩くと、凄い反応する……」
「あんっ、あっ、ん、すき、すきぃ、もっと、もっとぉ」
「っ、かわいい、ゆう」

 ひんひんと喘ぎながら、もっとして。とねだる裕のいやらしくも可愛い姿。
 それにくらくらと目眩がしてしまいそうになりながら、お望み通りに。と蓮が奥を何度も穿てば、深いところをカリ首でこじ開けられるような刺激にひぅっと喉を反らした裕は、ひっきりなしに喘ぎ声を響かせた。

 ぐちゅんぐちゅんっと蓮の先走りが泡立ち音を立てる蕾は、きつきつに広がり縁を真っ赤にさせながらも、それでも離さないと蓮を咥え込んでいる。
 先ほど兜合わせし一回精液を吐き出したとはいえ、約二ヶ月繋がっていなかった二人は久しぶりの蕩けてしまいそうな快楽に、もう絶頂が近いと体を震わせた。

「あっ、もっ、いく、れんっ、あっあっ、」
「おれも、っ、いきそう」

 息を乱し、体を折った蓮が顔を近づければ裕はおもむろに後ろ手に腕を伸ばし、蓮の首にするりと腕を巻き付け後頭部を掴みながら、ちゅーして。と顔を寄せてくる。
 そんな愛らしい姿にごくりと蓮は唾を飲み、

「……ほんとかわいい、ゆう」

 だなんてぞくりとするほど野性的な声でそう囁いた。

 そのじわりと熱の浮く声に、あ……。と溢した裕の息すら奪うよう、顎をくいっと上に持ち上げ、上から噛みつくようなキスをする蓮。
 蓮に上も下も翻弄され、きもちいい、きもちいい、すき、れん。だなんて事しか考えられない裕が、ビクビクと身を震わせる。
 そのままぬるりと舌で咥内をねぶられ、びたんっと腰を強く押し付けられ、全身を貫かれるようなその衝撃に酸欠になりながら肢体を弓なりに反らした裕が、……もうむり。とふるふる震える陰茎からごぷりと精液を溢れさせれば、裕の絶頂に合わせるようきゅうきゅうと熱い肉壁に締め付けられた蓮が、俺も。と一番奥に腰を叩きつけ、射精した。



「んむっ、ふ、んぁぁ」

 蓮によって塞がれた唇のせいでくぐもった声が裕から落ち、それすらも飲み込んだ蓮が一滴も残さず飲み込ませようと腰を揺すれば、中がじわりと熱くなる感触。
 それに裕は濡れた睫毛を震わせ、逆上せてしまいそうな熱さのまま、ひくひくと身をわななかせた。

 ちゅ、と優しく最後に吸い付いたあと唇を離し、蓮がきつく後ろから裕を抱きすくめてくる。

 その熱い体にしなだれかかる裕がぼんやりと霞む頭と視界で足元を見れば、吐き出した精液がソファを汚していて。
 ……うぅ、と堪らず顔を赤くしながらも、裕が未だビリビリと痺れるような快感に、熱い息を吐く。
 そんな裕の髪の毛にキスを落とし、とりあえず一旦抜こう。と蓮が腰を引きずるりと自身を引き抜けば、裕は支えがなくなった体をくたりと弛ませ、ソファの背もたれに頭を預けながら腰をぺたんと落とした。

 はぁ、はぁ、と肩を震わせる裕に、

「ご、ごめん、なかに出しちゃった……」

 と興奮していたとはいえ有無を言わさずそのまま出してしまい無体を強いてしまった。と申し訳なさそうに謝る蓮だったが、

「……ん、……いい、なかにだされるの、すき」

 だなんて覚醒しきっていない脳でそう返事をした裕は、ひくんひくんと身を震わせ余韻に浸るよう目を瞑り、うっとりとした表情を見せていて。
 その可愛さにうぐっと蓮が息を飲んでいれば、裕の蕾からぷぴっと空気の抜ける音がした。

 とろり、とろりと泡立った白濁が裕の蕾からたらりと垂れては、ソファに染みを作ってゆく。

 その卑猥すぎる姿に蓮は堪らず天を仰ぎ、未だぽやぽやとしている裕の腕を引いて、どさりとソファの上に押し倒した。

 そうすればパチリと目を瞬かせ驚いた表情をした裕だったが、自分を見下ろしてくる雄臭い顔をした蓮を見やると、ドクンッと胸をときめかせた。

「……ね、もう一回」

 なんて言いながら、ずるりとハーフパンツとボクサーパンツを足から抜き取り開かせ、その間に体を割り込ませてくる蓮。
 それに裕はふっと笑い、腕を広げ、おいでと足を蓮の腰に巻き付け、誘った。


「……ん、来いよ」
「っ、なんか今日の裕、すっごいえっちすぎてヤバい」

 裕の魅惑的なお誘いに蓮が顔を真っ赤にしながら、コツンと額を合わせてくる。
 そんな蓮にまたしても一度ぱちくりと瞬きをした裕は、それからケラケラと笑った。

「お前がそうさせたんだから、ちゃんと責任取れよな」

 口元を弛ませ、するりと首に腕を巻き付ける裕。
 その挑発的な視線に、もちろん。と蓮も返し、顔の横にある裕の二の腕にキスを落としたあと、するりと服をたくしあげ、ばんざいして。と上着も脱がしにかかった。
 それに素直に従い、ソファの上で一糸纏わぬ姿になった裕が、

「お前も脱げよ」

 と蓮のジャケットをグイグイと引っ張る。
 それに蓮は、リビングで、しかもソファの上で盛るなんて俺達ほんと若いよね。だなんて内心思いつつ、へらりと笑いながらジャケットを脱ぎ捨てた。

「まだまだ時間はいっぱいあるから、いっぱい一緒に気持ち良くなろうね」
「……だからお前はいちいち言うことがオヤジ臭ぇんだよ」

 蓮の言葉に思わず小さく吹き出した裕だったが、おら、もうお喋りは終わりだ。早く挿れろや。と言わんばかりに、腰に回した足で蓮の体を引き寄せたのだった。



 彼らのセックス禁止令解禁の夜は、まだまだ続くーーー。



(後日、正気に戻った二人が気まずそうな顔をし新しいソファを買い直す事を即座に決めたのは、勿論二人だけの秘密である)




 
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