夜の獣と人と

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新婚旅行

初日午後

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僕とフィリアは海で泳いではしゃいでお昼は適当に買って食べた。
因みに狼だし泳ぐの下手だと思ってだけどめっちゃ上手かった。フィリア、泳ぐの上手過ぎない?
「さてヴィレン」
「何かな?」
「次は何する?」
フィリアの僕を見る目、これは完全にまた泳ぎたいって言う目だ。
「んー、また泳ぐ?」
「そうだね。そうしよっか」
そう言いフィリアはビーチへと向かう。
「ほらヴィレン、どうしたの?遅いと置いてっちゃうかもねー」
「ちょっと考え事をね。今行くから待ってて」
「はーい」
フィリアはちゃんと待っててくれてる。
僕は駆け足でフィリアの方へと向かった。

三十分後
「まったく何してんの?ヴィレン」
僕は鮫の魔物に襲われて逃げる時に足を捻ってしまった。
挙句僕は右手を噛まれて傷を作り、それをあろう事か海水に付けてしまった。
「私の反応が遅れてたら死んでたかもね」
因みに僕が襲われた時フィリアは少し遠くに居たのだが、僕が噛まれて悲鳴を上げた時にその悲鳴を聞いて海の上を走るという芸当を披露して僕を助けてくれた。
そして僕を襲った鮫を氷漬けにして海を凍結させ僕を浜まで運んでくれた。
因みに僕は浜に到着した所で意識を手放した。
「傷はあの魔物の特徴的な歯で噛まれてるから治療しにくいし、傷口には海水が入って海水遠取り出すところから治療を始めないといけないしで、大変だったんだよ」
「ははっごめん」
「でもヴィレンの足の都合もあるし、明日は安静だね」
因みにフィリア曰く捻った足は治癒系魔法で治せないとの事だ。
「そういえばフィリア」
「何かな?」
「海の上を走っていたあれは?」
「あれね、それで?」
「あれってどうすれば出来んの?」
「海を踏んでその足が沈む前に足を上げるを繰り返せば走れる」
「は?」
「ん?」
「んー、普通の人には出来ないね」
「そうだろうね。私も初めてだったって言う事はあったしそれを含めなくてもそこそこ厳しかったからね」
「フィリアでも厳しかったんだね」
「うん。さてヴィレン」
「なぁに?」
「頭とかは痛くない?」
「ちょっと痛いかな」
「喉渇いてない!?大丈夫!?」
「あっ、うん大丈夫」
「良かったぁー」
「フィリアは?」
「私?私は軽い日射病にかかっちゃったけどまあ大丈夫だよ」
「僕の心配をする前に自分の心配をしてよ」
「無理。だってヴィレンが死んじゃったら私も死んじゃうし」
「まあ、私のもとても軽度だしもう治ったから大丈夫だよ」
そして僕とフィリアは二人で駄弁っていたら僕が寝落ちした。

「起きてヴィレン!起きて!」
「うーんあ、おはようフィリア」
「もう夜ですよ?」
「え?」
「ついでに言うともうご飯だよ」
「な!」
「因みに今日のご飯は鮫づくしだよ」
僕の前に並んだのはスープと煮物と揚げ物と、そして刺身。これが美味しい事は覚えてる。
「因みにその鮫は?」
「ヴィレンを噛んだくそ野郎」
「え?」
「ヴィレンを噛んだくそ野郎。あの私が瞬間凍結させた鮫ね」
「・・・本当?」
「うん。さっ、食べよう。あっ、因みに毒とかはない様だよ」
「うん。食べよう」
僕を噛んだ鮫が何という姿に生まれ変わってしまったのか!
因みに全部美味しかったです。
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