三尺刀使いの仮想現実戦記

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コープドシェイドクリテッド攻城戦

襲来

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コープドシェイドクリテッド編開幕

恐れよ。恐れぬ者などこの世の何処にも居らぬ。しかし、勇気を振り絞りてかの闇の深淵の穴に踏み入れたならば彼等には幸福が訪れるだろう。
龍災害書目(創作)より8章迫り来る山より冒頭

激流は後にこう語る。
第一印象はまるで山です。亀の甲羅の上に標高50mはありそうな山が乗って居ました。まあ実際には40m位しか無かったようですが。でも、やっぱり嬉しかったですね。私の副官の浄水があんなに成長しているとは思っても居ませんでしたし、あの戦いでは彼女がMVPでしたね。私は行って居ないので分かりませんが、あれの中には迷路があったらしいです。

私達は今砦の城壁の上に居る。
「さて、私達は炎や木の葉達に言われて前線まで来ました。理由は分かりますか?いや、この場合は目的ですね」
「んーっ、あっ!亀を止めることでしょうか?」
「三角」
「亀を止めて時間を稼ぎ蟹共の殲滅の時間と再編成の時間を稼ぐ為でしょうか?」
「good!そうだね。私達はそんな目的で派遣された。その他にも火力用員等の役割もあるね」
「さて、そろそろかな?弓を用意して」
「大将は?」
「竜打は三尺刀の一面もあるけど、糸を通せば弓になるよ。その為に調整したからね」
「分かりました。貫通矢を撃ちましょう」
「そうだね。亀も体が大きいだろうしね」
「ええ。ですから貫通矢がベストと考えます」
「私もあまり仕様は理解して居ないがそれがベストでしょう」
「きたぞぉ!亀がきたぞぉ!」
「「「了解!」」」
「撃ち方よーい、はじめぇ!」
「私達も行くわよ」
「了解です!」
「「射ぁ!」」
ドォン!ドォン!ビシュッ!ビシュッ!
大砲の砲撃音とバリスタの矢が当たる音が響く。
「野戦用対竜竜撃砲、用意出来ました!」
「撃てぇ!」
バァンっ!
大地が砕けクレーターが出来る。
「やっ、やばくないですか!?あれ!」
「ヤバいね。野戦用でこれなら固定はどうなるの?」
「次弾装填!次弾装填!急げ!」
「「「了解!!!」」」
弾の飛んできた方向を見るとなんと十人は軽く超える量の人が一つの砲に群がって居た。
「さて、私達も行こうか。野戦用対竜竜撃砲の装填時間を稼ぐよ」
「了解です。狙いは足ですか?」
「その通り」
「私は右前足をやります!」
「なら私は左前足をやろう。浄水、君の武運を祈るよ」
「大将、私もです。大将の武運を祈ります」
「さあ!行こうか!四天王筆頭!不肖激流いざ参ります!」
「四天王筆頭補佐!不肖浄水いざ参ります!」
「「水流」」
浄水と私は水流で亀の足元へ向かう。
「水流」
浄水は修行が足りて居ない為一度の水流では届かないらしい。
「寒天一流硬締雪」
「大海流流」
流は六連撃の技であり常に動き回るので攻撃の激しい相手に対してのカウンター目的で使われるのだが動きを最小限にしたり、相手自体がそもそも大きかったりする場合は定点攻撃に使えるな。浄水、いい判断だ。
「大将!次行きましょう」
「わかって居ますよ」
「「大海流上回・逆流!」」
上回で刀を下へと振り下ろし、逆流で上へと振り上げる。
「ガァァァァァ!」
亀が右に倒れてくる。
「浄水!貴女は甲羅の上の不自然な穴の中へと侵入しなさい!。私は外で攻勢を続けます!分かりましたね」
「了解です!」
「では行きなさい!」
「水竜・胴!」
腹を攻撃しながら移動する浄水。
「浄水、貴女が成長していることを望みます!頑張ってください!」
「うう、たいしょーう」
「行け!」
「はいー」
浄水は倒れている亀の右側前方、つまりは倒れている甲羅の側に来た。
「いざ、参ります!」
「「「行ってこい!」」」
「「「行ってきて!」」」
「たいしょーう!お願いしますぅぅぅ!」
「わかっていますよ、くふふっ。浄水!足を動かせ!刀を振れ!」
「了解ですぅぅぅ!」

浄水視点
行ってきます大将、私がやられたら後は頼みます。
ブンブン。
浄水は頭を振る。
何弱気な事を考えているんですか!私!せっかく大将が送ってくれたのです!応えないで何が副官ですか!?私の全てを持って戦います!
「行ってきますぅぅぅ!大将ぅぅぅ!」
「メソメソするな!貴女のやるべき事をやりなさい!」
そうだ。私がやることはみっともなくメソメソすることでは無い。
「分かりました!大将!」
走りながらそう応える。後ろを見て居ないから分からないが、多分大将は笑って送ってくれているのでしょう。そんな気がしました。
「ハッ、とうっ!」
甲羅にジャンプして乗る。そして穴まで、顔の上辺りの穴まで走る。まるで山の様な甲羅の上にある何かの上から見下されている様な気分がして本当に気持ち悪かった。
「行ってきます!大将!」
そういうと
「行きなさい!私の副官さん!」
と大将が返してくれた。大将が私の事を副官と呼んだのは初めてだからとても嬉しくて心が高鳴った。
「ありがとうございます、大将」
そうボソリと呟くと洞窟の様な穴へと走って行く。
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