やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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「K・ジャックの落書きノート/私小説集」76

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「痛ててて。誰か、救急車よんでくれ」
 モグリンがのたうち回る。

「当たり前だよ、モグリン。イチモツを蹴ったのだかららっ!」
 俺は笑った。
 ざまみろ。マル―セルデュシャンを侮辱したバツだ。

 天罰。

「とうとう天罰が下ったな」
「天罰だと?」
「そうだ。天罰だモグリン」

「自分で蹴っておいて。天罰も何もあるか。傷害罪だぞ、お前。とにかく誰か救急車呼んでくれ。ぐうぅ」
 モグリンは口から泡を吹いている。
 まるで、カニみたいだ。
 猿カニ合戦で渋ガキをぶつけられたカニだ。モグリンはあまりに強い痛みの為に、イチモツを出しっぱなしだ。

「おい。忘れるな」
 俺は怒鳴った。

「何をだ? ぐうぅ」
「決まってるだろ。キサマのイチモツをしまうことだよ。それに……」

「それに?」

「それに、ここは病院だ。救急車なんて呼ぶ必要ないだろ。医師としての自覚がないからそんな寝言を言っているんだっ、キサマは! 偽ブラックジャックめ」
 俺は、さらに言葉の攻撃を加えた。

 モグリンは、もうダウン寸前である。

 立つな。モグリン! そのままリングに沈んでろ!
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