やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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「K・ジャックの落書きノート/私小説集」56

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「美容整形科界のブラックジャックか」
 俺は、電車に飛び乗った。

 ヒダリンがおとなしくしている間に、整形病院に向かうつもりだった。

(うまくいくかな)
 俺は、ヒダリンが寄生している左手をポケットに突っ込んでいる。

 目黒駅で降りて、ブラックジャックのいる病院の住所に向かっ た。
 小走り。
 俺は、かなり怪しい雰囲気に包まれている。
 ポケットに左手を突っ込んで押さえつけているのだから、当然だろう。

「何、あの人」
 といった目で通行人たちが見てくる。
 
 これは、ヒダリンに寄生されてからずっとだ。
 だが、慣れっこというわけにはいかない。
 さっさと、手術を受けて、ヒダリンと“おさらば”しなくてはならない。
 
 アポは入れていない。ヒダリンが電話やメールを邪魔するに決まっているからだ。
 だがら、俺は、こうして予約の類いを入れないまま、目黒駅までやってきたのだ。

 ヒダリンはおとなしいままだ。
 まだ、俺の企みに気付いていないのだろう。

 黒塗りのベンツが追い越していく。
「キキッ」
 ベンツが病院の前で止まった。
「あ」
 俺は声を上げた。
 
 ドアを開けているのは、マネージャーらしき男性。
 そして、降りてきたのは、マスクをしている女子。だが俺はそれが誰か一目でわかった。
 一般人と放っている“オーラ”が違う。

 AZB89のトミ・トミエだった
 彼女は、誰でも知っている、超スーパーアイドルだ。
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