やる気が出る3つの DADA

「K・ジャックの落書きノート／私小説集」（３１）

(よし)
　セブンイレブンが見えてきた。
（ハリーアップ）
　宅配サービスで、早いうちに、ポメラを受け取らなくてはならない。
　
　この左腕のフリークが、眠っている間に……
（ウザいヤツは、さっさと抹消しろ）　
　俺は、ボクサーのバンテージで、ぐるぐる巻きにした左手を眺めた。

「いらっしゃいませ」
　女子高生らしき、店員が挨拶してくる。
　日サロで焼いている。エロい。
「ポメラを取りに来たんです」
「ポメラ」
　女子高生は、首をかしげる。エロい。

「そう。説明している暇はないんだ。さっさと、ポメラを渡せ」
　俺は、怒鳴った。
　女子高生店員はエロいが、イライラする。こんな時に、こんなバカにかまっていられない。何しろ、左手がやばいことになっているんだ。
「おい。早くポメラを出せ！」
「ぽ、め、ら？」　　
　女子店員は怯えている。
　下手したら、コンビニ強盗のように見えなくもなかった。

　案の定、店長らしき人物が顔を出した。
　店長は、カラーボールを手にしている。
　強盗が逃げたら、後ろから投げつけるヤツだ。ぶつかると、中からインクが出てきて、目印になるというシロモノだ。

　――ポメラを取りに来て、カラーボールをぶつけられたら、たまったものではない。

　ヒダリンに寄生されてから、不審者に間違われることが多くなった。
　これだけは、疑いようのない事実である。