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「K・ジャックの落書きノート/私小説集」(19)
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「どこだ」
俺は、ゾンビの姿を探している。
俺は現在、かなりアウトローな雰囲気の裏通りを、早足に歩き回っている。表通りより、裏通りの方がゾンビは好むと思ったからだ。
飲み屋街は、相変わらず風俗店のポン引きも多い。
とにかく、こんな状況が、先ほどから1時間近く続いている。異常な状態であることに違いはない。
――あのゾンビは、どこ行ったのか?
ここは、新宿である。
いかに、目立つゾンビであっても、人混みに紛れてしまえば、探すのは困難である。それに、あのゾンビは見た目腐った肉・人型のようだが、特に匂いはなかった。
無臭である。無臭のバケモノだ。
臭くないので、悪臭を頼りに探すことは不可能だった。
『ノロイノロノロ、ノロノロノロイ』
俺は、独り言を言った。
(おかしい)
俺は、全然、独り言を言ったつもりはなかった。
それもそのはず。
俺の左手に異変が起こっている。手のひらに瘤ができている。
瘤は、のっぺらぼうのよう。男の顔だ。口の所だけ、ぽっかりと穴が開いている。
「キモいよ」
俺は、瘤に向かって文句を言った。
「俺は、ヒダリン」
瘤がしゃべった。
俺は、ゾンビの姿を探している。
俺は現在、かなりアウトローな雰囲気の裏通りを、早足に歩き回っている。表通りより、裏通りの方がゾンビは好むと思ったからだ。
飲み屋街は、相変わらず風俗店のポン引きも多い。
とにかく、こんな状況が、先ほどから1時間近く続いている。異常な状態であることに違いはない。
――あのゾンビは、どこ行ったのか?
ここは、新宿である。
いかに、目立つゾンビであっても、人混みに紛れてしまえば、探すのは困難である。それに、あのゾンビは見た目腐った肉・人型のようだが、特に匂いはなかった。
無臭である。無臭のバケモノだ。
臭くないので、悪臭を頼りに探すことは不可能だった。
『ノロイノロノロ、ノロノロノロイ』
俺は、独り言を言った。
(おかしい)
俺は、全然、独り言を言ったつもりはなかった。
それもそのはず。
俺の左手に異変が起こっている。手のひらに瘤ができている。
瘤は、のっぺらぼうのよう。男の顔だ。口の所だけ、ぽっかりと穴が開いている。
「キモいよ」
俺は、瘤に向かって文句を言った。
「俺は、ヒダリン」
瘤がしゃべった。
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