やる気が出る3つの DADA

～【緊急事態宣言】解除後の超・長閑（のどか）じゃない日常（５）～

『で、どうすつもりなんだ？　倉橋氏、ワンワン』
　犬吉がノイズる。
「どうするって？」
　倉橋が聞いた。
　―――倉橋は、久々の【小説】更新で、少々緊張気味である。　

『自分の言ったことに、責任持って、クゥーン。ドゥラエモンから、勝利のアイデアを盗もうとしたんじゃないの、ワンワン』
　犬吉は、残りのバッテリーがほとんど無いはずなのに、最後の力を振り絞って、一生懸命にブーイングしてくる。
「うん。勝てる、勝てるよ！！　危機的状況も、パンデミックも、感染再拡大も、これ一つですべて解決だ。米国大統領やジャポンの総理大臣にも、提言したいくらいなんだってばさ。ハハハハハハ………」
　倉橋は、きっぱりと言った。
　それは、自分でも、驚いたほどの口ぶりだった。
　実は、これには、死にそうな【犬吉】を元気づけたいという気持ちもあったのだ。

『それって嘘だ、ワン、バタンキューゥゥ・・・』
　犬吉がノイズっている。
　犬吉は、まるで咎めるような口ぶりで、本当に、咎めているかのようだった。

「うん。嘘だよ」
　倉橋は、あっさり言った。
　
　――だって、今日はエイプリルリルフールでしょ、いぬ、いぬ、いぬ。