やる気が出る3つの DADA

【緊急事態（２5）】緊急事態宣言解除されたろっ⇔倉橋モデル×倉橋モデル⇔やはり、リアルな兄貴は登場しないのかよ

「倉橋モデル？」　
　倉橋が驚いた。
　この名前は、初耳のような気がする。初耳のような気がする。

「俺の名前を使ったスニーカーがあるっていうこと？」
　倉橋が聞いた。
　聞きながら、いつまでも空中を上下にゆれている。ゆれている。
「そう、そのスニーカーは、倉橋モデル。あっちの国では、キッズたちの憧れのスニーカーだからっ」
　少女がＶサインを出す。
「憧れのスニーカー！？」
　倉橋は、右手でスニーカーを触った。
　スニーカーの周囲で、【風】が起こった。倉橋の身体が、ほとんど無音のまま、スーと空中を滑っていった。
　――それは次元が違うぞといった感じの、かなりの速いスピードだった。倉橋は、バランスを取りながら、空中移動に身を任せていった。
　微妙なコントロールがなかなか、難しかった。

　（自分というキャラが、どこかで勝手に独り歩きしているのだろうか？）
　　倉橋は、動きながら思案を続けていた。
「正解」
　少女Ｇの声が響いた。
　やはり少女は、人の心が読めるらしい。倉橋は、バランスを取りながら、空中移動に身を任せていた。微妙なコントロールがなかなか、難しかった。
「正解？」
「うん。そこでは、あなたがスーパースターなの」
　少女は言った。

　――どうやら、自分が、兄貴みたいに勝手に【偉人化されている世界】が、今いる【世界】とは別にあるってことらしい。