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【緊急事態(21)】アベノ(×9)・ウイルス⇔ジパング×ジパング⇔ウイルスになんて負けない
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「ジパングに来たのは、謎が多いから」
少女Gが言った。
さっきから、少女の日本語が異様なほどに、流ちょうになっていく気がした。話せば話すほど上手くなる。どうやら、ガスマスクに翻訳機を仕込んでいるようだ。
「謎?」
倉橋が聞いた。
「ええ。謎」
「それは、つまるところどんな謎?」
「内緒♡」
「内緒?」
「うん。いつまでも、謎めいていたほうがいいでしょ。謎だから」
少女が、ゲラゲラ笑った。
少女は、ガスマスクを手で押さえて、いつまでもいつまでも笑った。笑いは、手下たちにも伝播した。そこいらじゅうが、下品な笑い声であふれる結果となった。
「謎って、スフィンクスの謎みたいな?」
倉橋が、再度聞いた。
思えば、この少女自体が【謎】である。
「ああ、スフィンクス、スフィンクス……」
少女が欠伸をする。
少女は、ガスマスクを手で押さえて、いつまでもいつまでも欠伸をした。欠伸は、手下たちにも伝播した。そこいらじゅうが、下品な欠伸であふれる結果となった。
倉橋は(少女は内心、自分を馬鹿にしているのかもしれない)と、さっきから疑っていたが、内心どころではなく、面と向かって露骨に倉橋を馬鹿にし始めたようだ。
だが、
(馬鹿にしている少女も、かわいい)と思った。
やむを得ないだろう。
倉橋が首を振った。
相手は、ノーベル賞候補である。もしかしたら、そのうちグラミー賞も、アカデミー賞も、トニー賞も、プリツカー賞も獲るかもしれない。少なくとも、勢いはあるし、才能は誰もが認めるところだ。
はっきりしているのは、倉橋自身は、どの賞も獲ることができないということだ。小学校の作文コンクールの賞ですら怪しいだろう
「ジパングの人たちは、ウイルスに罹っても、ピンピンしている。命を落とす人も、とても少ない。私の国では、それが、大きな【謎】だと声が上がってるの」
少女は、真面目な表情になった。
少女Gが言った。
さっきから、少女の日本語が異様なほどに、流ちょうになっていく気がした。話せば話すほど上手くなる。どうやら、ガスマスクに翻訳機を仕込んでいるようだ。
「謎?」
倉橋が聞いた。
「ええ。謎」
「それは、つまるところどんな謎?」
「内緒♡」
「内緒?」
「うん。いつまでも、謎めいていたほうがいいでしょ。謎だから」
少女が、ゲラゲラ笑った。
少女は、ガスマスクを手で押さえて、いつまでもいつまでも笑った。笑いは、手下たちにも伝播した。そこいらじゅうが、下品な笑い声であふれる結果となった。
「謎って、スフィンクスの謎みたいな?」
倉橋が、再度聞いた。
思えば、この少女自体が【謎】である。
「ああ、スフィンクス、スフィンクス……」
少女が欠伸をする。
少女は、ガスマスクを手で押さえて、いつまでもいつまでも欠伸をした。欠伸は、手下たちにも伝播した。そこいらじゅうが、下品な欠伸であふれる結果となった。
倉橋は(少女は内心、自分を馬鹿にしているのかもしれない)と、さっきから疑っていたが、内心どころではなく、面と向かって露骨に倉橋を馬鹿にし始めたようだ。
だが、
(馬鹿にしている少女も、かわいい)と思った。
やむを得ないだろう。
倉橋が首を振った。
相手は、ノーベル賞候補である。もしかしたら、そのうちグラミー賞も、アカデミー賞も、トニー賞も、プリツカー賞も獲るかもしれない。少なくとも、勢いはあるし、才能は誰もが認めるところだ。
はっきりしているのは、倉橋自身は、どの賞も獲ることができないということだ。小学校の作文コンクールの賞ですら怪しいだろう
「ジパングの人たちは、ウイルスに罹っても、ピンピンしている。命を落とす人も、とても少ない。私の国では、それが、大きな【謎】だと声が上がってるの」
少女は、真面目な表情になった。
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