やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

文字の大きさ
上 下
298 / 1,429

【緊急事態(20)】アベノ(×8)・ウイルス⇔少女Gの告白♡⇔兄貴、兄貴、どこ行ったののの?

しおりを挟む
「環境保護が、悪いと言ってるわけではない」
 倉橋が言い訳をした。
 やはり、この少女は手ごわい。単なる【かわいい】だけの夢見る少女では、あれほどのムーブメントを世界に起こしたり、国籍不明の手下どもを、はるばる【日の丸の国】まで連れてきたりはできないだろう。相当なカリスマ性と、口ゲンカの強さと、異様なほどの行動力が無ければ、ダメだ。
 すると、
「いいの」
 少女が言った。
 少女は少しさみしそうだった。何か告白する時の表情になっている。
「いいって?」
「うん。いまさら、環境保護について、誉めてくれなくても…十分、傷ついたから……アナタのせいで」
 少女は泣き出した。
「ごめんよ」
 倉橋が詫びた。
 倉橋は(泣いているところも、かわいい)と思った。

「実はね。あのムーブメントの発端って……そもそも嘘っぱちなのよ」
 少女の告白が始まった。
「嘘っぱち?」
「うん。私、学校サボっただけなの、本当は」
 少女が小声で言った。
 小声なのは、真下にいる手下どもへの配慮らしい。
「サボっただけって」
「……あの日、ママと喧嘩して、やけになって(学校なんてやめてやる)って言って、私、家を飛び出したの」
「へえ」
「その時、たまたま、背中のリュックに、両親が【動物保護団体】のデモで使ったプラカードが入っていたの」
「動物保護団体に、デモなんてあるの?」
「うん。ビーガンのママとパパが、たまに参加している」
 少女が頷く。
 
「じゃあ、そのプラカード持って、議会の前に座ってたってのは?」
 倉橋が聞く。
 あの有名なエピソードのことだ。
「……家出して歩き疲れて、路肩に座って休んでたの。そこが、たまたま議会の前だった。で、プラカードを黙って眺めてたら。ニュ―ヨークポストの記者が話しかけてきたの。写真まで撮られちゃってさ。私、その記者にやたらと誉められちゃって。それで、私、後戻りできなくなったの、それが真相なの」
 少女が、語リ終えた。
 少女は、ようやく背中の重い荷物を降ろしたという感じだった。

「じゃあ、環境保護活動自体が、フェイクニュースなの? もしかして、有名なりたいだけなのアナタ?」
 倉橋が聞いた。
「いえ。環境保護が重要だと思ってるのは本当。ゴキブリホイホイが嫌いっていうのも本当」
 少女Gが、ゲラゲラ笑った。

 つまるところ、そもそもの発端だけが違っていて、主義主張や押しの強い性格などは全く変わらないということか。
 ――じゃあ、そんなの告白でも何でもないじゃん。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【なろう430万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ

海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。  衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。  絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。  ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。  大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。 はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?  小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。 カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。  

3024年宇宙のスズキ

神谷モロ
SF
 俺の名はイチロー・スズキ。  もちろんベースボールとは無関係な一般人だ。  21世紀に生きていた普通の日本人。  ひょんな事故から冷凍睡眠されていたが1000年後の未来に蘇った現代の浦島太郎である。  今は福祉事業団体フリーボートの社員で、福祉船アマテラスの船長だ。 ※この作品はカクヨムでも掲載しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

あなたのサイコパス度が分かる話(短編まとめ)

ミィタソ
ホラー
簡単にサイコパス診断をしてみましょう

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】

一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。 しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。 ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。 以前投稿した短編 【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて の連載版です。 連載するにあたり、短編は削除しました。

処理中です...