やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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【緊急事態(18)】アベノ(×6)・ウイルス⇔それって、人間本位だろ⇔ほいほい♪×ごきぶり

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「ゴキブリホイホイ?」
 倉橋が声を上げる。
 少女Gは、聞いてもいない【環境哲学】や【ゴキブリホイホイ論】について、べらべらと話し続けていて止まるところを知らない。
「わたしが言いたいのは……」
 少女はノーベル賞候補らしく、堂々としたトークを披露した。
 実際に、ノーベル賞を獲ったら、【神の声】に聞こえるのかも知れないが、いかんせん,まだ単なる【かわいい】女の子に過ぎない。そんな印象だった。
「じゃあ、君はゴキブリホイホイを、認めないというんだね?」
 倉橋が聞いた。
 先ほどから、少女は突っ込みどころ満載のトークを繰り広げていた。真下に控える少女の手下どもを、極力刺激しないように、倉橋は少女とトークの応酬を展開した。
 
「ええ。ゴキブリホイホイは認めないわ。あれは、日本の汚点ともいえるわ。汚点、汚点……」
 少女がジャブを入れてくる。
 ゴキブリホイホイが、日本の汚点? 
 そんな、批判、今まで聞いたことが無かった。
「なぜ、汚点なの? 君の国だって同じじゃないの。みんな、ゴキブリ嫌いでしょ」
 倉橋が、ストレートで返す。
「いえ。汚点、汚点。ゴキブリにも権利があるわ」
「どんな権利?」
「生命を尊ぶ権利」
「は」
 倉橋は少女の顔をマジマジと見た。
 どうしても、『こいつを論破したい、大人のアンドロイドとしての知識や、プライドを見せつけてやりたい』と言う思いが、ムラムラと沸き起こってきて、抑えらえれなくなった。
 下手なヒューマニズムや、きれいごとや善意、無意味な絵空事は、相手の怒りの感情に火をつけるものである。
 この少女は、こともあろうに、ゴキブリに【人権】を認めようとしているようだ。
【環境保護】も度を超すと、【狂人】と変わらなくなる。

「嫌いだから、殺してもいいという主張は、人間のエゴだと思う。こうした主張は、戦争にもつながるわ」
「つながらないだろ」
「つながるの」
「つながらない。ゴキブリと戦争する気か?」
「ダメ」
「ダメ?」
 倉橋が問う。
「ええ。人間本位。人間本位の考え方は、絶対にダメ」
 少女は、繰り返す。

「でも。そのゴキブリに権利を認めるって考え自体が、人間本位なんじゃないの?」
「でも。そのゴキブリに権利を認めるって考え自体が、人間本位なんじゃないの?」
 倉橋は、2度繰り返した。
 どんなに動物や環境のことを思いやった行動にみえても、所詮、人間が勝手に考えてやったことである。動物や環境や、ましてやゴキブリの気持ちなんてわかるはずも無いのだ。
(君は、偽善者にすぎない)
 倉橋は「これで、少女をリングに沈めた」と思った。
 ボクシングに例えると、ロープ際のカウンターに近い反撃である。
 
 俺様をなめてはいけない。アンドロイド様をなめてはいけない。日本人様(?)をなめてはいけない。
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