やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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双子の兄貴の兄弟は双子⇔三島太郎✕エロ小説家⇔オニのような赤鬼+オニみたいな青鬼

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「本当は俺、エロ小説家になりたかったんだ」
 三島は切り出した。
「エロ小説家?」
 兄貴が驚く。 
 兄貴は、実態はフォログラム(等身大)なのだが、極めて完成度が高い為、普段は一般の人とほぼ変わらずに過ごすことができる。
 だが、あの台風の日以来、異常なほど無口な性格になってしまった。
 周囲が、心配するほどである。 
 無理もないだろう。台風の被害は、あまりに大きかった。兄貴の仲間にも、自宅が全壊してしまった者がいるという。

 今日は、三島の豪邸に、倉橋と兄貴が揃って呼ばれた。 
「倉橋くん。ここは、僕に任せたまえ」 
 三島は言った。
 三島は、ショックから立ち直れない兄貴を、自身の話術で復活させてみせると倉橋に約束したのだ。
 文豪・三島太郎は、かつて選挙運動を兄貴に手伝わせていた。まるで当時は、奴隷のような扱いだったとも聞く。
 その時の罪悪感からか、今回は、かなり真剣な様子を見せていた。
(なるほど)
 倉橋は、頷いた。
 三島は、自身の失敗談をすることで、兄貴の興味を引こうとしている。
 天才のプライドを捨てて、少しでも兄貴に近づこうとしている。
 倉橋は、三島の心意気に少なからず感激した。

(自分と瓜二つの容姿の兄貴……)
 倉橋は、幼き日々を思った。

 そして今日、兄貴は自身の殻を壊して、前向きな心理状態を取り戻そうとしている。
 兄貴は、このまま上手く行くだろうか?
 ところで兄貴は、三島がアンドロイドだと知っているのだろうか?  
 三島は親切過ぎるが、本当の気持ちは計り知ることはできないとは言えないか。
 ――このように、様々な疑問が脳裏を駆け巡った。

 部屋の中では、相変わらず兄貴と三島が話しこんでいる。
 この時
「オニのような赤鬼、オニみたいな青鬼!」
 三島は立ち上がった。
 
叫び声は、豪邸の中に異様なほど響き渡った。
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