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おしゃべりなコデマリ
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「ありがとう、ヨネちゃん。後で翔流に送ってみる。いつでも甘えてこい!って」
「んふふぅ。るーくんの受験、無事に終わるといいねぇー」
「ていうか、今日は愛茉の誕生日会なのに。なんか私のくだらない話でゴメンね」
「いいよ、そんなの。私も七海の話いっぱい聞きたかったし」
「そういや、小樽どうだったのよ。結構長い帰省だったよね」
少しスッキリとした表情で、七海が話題を変える。
「快適だったよ。こっち帰ってきてからは、暑すぎて死にそう」
「やっぱり小樽は過ごしやすいんだ。いいなぁ、私も行ってみたい」
「あーそういえばー小樽で浅尾きゅんがナンパした子がぁー」
ヨネちゃんの言葉に、七海が目を見開く。いや、むしろナンパされたのは、桔平くんの方じゃないっけ。
「は?ナンパ?なに、ついに浅尾っちが浮気した?」
「“ついに”ってなに……桔平くんは、絶対浮気しないもん」
「あーはいはい、分かってる分かってる。で、ナンパした子がなんて?ヨネちゃん」
「彩ちゃんって子なんだけどねぇ。これがかぁなぁり浅尾きゅんにお熱でしてねぇー」
首を傾げる七海に、小樽での出来事を話した。パノラマ展望台での出会い、そして彩ちゃんが桔平くんに憧れて藝大を目指していることも。
桔平くんは自分の連絡先を教えない代わりに、ヨネちゃんのインスタアカウントを教えていた。それからヨネちゃんは彩ちゃんとDMでメッセージをやり取りして、すぐに仲良くなったみたい。
「もうねぇー二言目には“桔平さん”なのよぉー可愛いよねぇー」
どうやら彩ちゃんの桔平くんに対する憧れは相当なもので、桔平くんの学校での様子とかをヨネちゃんに訊いてくるらしい。
ほらね。言ったでしょ。若い女の子は、そんなものなのです。年上の男性が妙にかっこよく見える時期でもあるし。まぁ、桔平くんは本当にかっこいいんだけど。
「愛茉は平気なわけ?そりゃ、浅尾っちが女子高生に手出すことはないだろうけどさ」
「うーん」
きっと前までの私なら、全然平気って反射的に言っていたと思う。でも最近は、七海やヨネちゃんには自分の素直な気持ちが出せるようになってきた。少しずつだけど。
「桔平くんの浮気は一切心配してないし、その彩ちゃんも良い子なんだろうから、嫌な気はしないんだけど……正直、ちょっと複雑な感じ」
「複雑っていうと?」
「なんていうか、私が入り込めない世界って感じなんだもん。絵のこと、全然分かんないから」
「あぁーなるほどぉー」
レモンサワーを飲みながら、ヨネちゃんがウンウンと頷く。
「んふふぅ。るーくんの受験、無事に終わるといいねぇー」
「ていうか、今日は愛茉の誕生日会なのに。なんか私のくだらない話でゴメンね」
「いいよ、そんなの。私も七海の話いっぱい聞きたかったし」
「そういや、小樽どうだったのよ。結構長い帰省だったよね」
少しスッキリとした表情で、七海が話題を変える。
「快適だったよ。こっち帰ってきてからは、暑すぎて死にそう」
「やっぱり小樽は過ごしやすいんだ。いいなぁ、私も行ってみたい」
「あーそういえばー小樽で浅尾きゅんがナンパした子がぁー」
ヨネちゃんの言葉に、七海が目を見開く。いや、むしろナンパされたのは、桔平くんの方じゃないっけ。
「は?ナンパ?なに、ついに浅尾っちが浮気した?」
「“ついに”ってなに……桔平くんは、絶対浮気しないもん」
「あーはいはい、分かってる分かってる。で、ナンパした子がなんて?ヨネちゃん」
「彩ちゃんって子なんだけどねぇ。これがかぁなぁり浅尾きゅんにお熱でしてねぇー」
首を傾げる七海に、小樽での出来事を話した。パノラマ展望台での出会い、そして彩ちゃんが桔平くんに憧れて藝大を目指していることも。
桔平くんは自分の連絡先を教えない代わりに、ヨネちゃんのインスタアカウントを教えていた。それからヨネちゃんは彩ちゃんとDMでメッセージをやり取りして、すぐに仲良くなったみたい。
「もうねぇー二言目には“桔平さん”なのよぉー可愛いよねぇー」
どうやら彩ちゃんの桔平くんに対する憧れは相当なもので、桔平くんの学校での様子とかをヨネちゃんに訊いてくるらしい。
ほらね。言ったでしょ。若い女の子は、そんなものなのです。年上の男性が妙にかっこよく見える時期でもあるし。まぁ、桔平くんは本当にかっこいいんだけど。
「愛茉は平気なわけ?そりゃ、浅尾っちが女子高生に手出すことはないだろうけどさ」
「うーん」
きっと前までの私なら、全然平気って反射的に言っていたと思う。でも最近は、七海やヨネちゃんには自分の素直な気持ちが出せるようになってきた。少しずつだけど。
「桔平くんの浮気は一切心配してないし、その彩ちゃんも良い子なんだろうから、嫌な気はしないんだけど……正直、ちょっと複雑な感じ」
「複雑っていうと?」
「なんていうか、私が入り込めない世界って感じなんだもん。絵のこと、全然分かんないから」
「あぁーなるほどぉー」
レモンサワーを飲みながら、ヨネちゃんがウンウンと頷く。
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