246 / 407
ヒマワリ微笑むあの丘で
14
しおりを挟む
さて。出かける支度と言っても、お父さんと桔平くんは髭を剃って着替えるだけ。まぁ桔平くんはヘアセットの時間もかかるけれど、手馴れていてすぐに準備ができる。夏はマンバンスタイルが多いかな。
そして智美さんはバッチリとメイクをするわけではないし、テキパキとしているから支度は早い。
だから一番時間がかかるのは、いつも私。まず洋服を決めるのが大変で。自分ではなかなか決められないから、結局桔平くんに選んでもらった。桔平くんのセンスなら間違いなし。
その次は、髪型。暑いし洋服に合わせてスタイリングしたいから、ここでも悩む。そしてやっぱり、桔平くんにヘアセットをしてもらう。美容師みたいで上手なんだもん。
髪をセットしてもらっている間にメイクをするんだけど、ここでもアイシャドウやリップの色に悩む。またまた桔平くんに相談して、色の組み合わせを決めてもらった。
こんな風に私がモタモタするのはいつものことだから、みんなのんびりと待ってくれる。智美さんも、すっかり私のペースに慣れてくれたみたいだし。
「あら、愛茉ちゃん。今日はお団子ヘアなのね。可愛い!」
支度を終えて1階へ下りると、智美さんが髪型とか服を褒めまくってくれた。全部桔平くんのセンスです。桔平くんは、私を可愛く見せる達人だからね。
「さて、今日は千歳の方へ行こう」
車に乗り込んでハンドルを握ると、お父さんが目的地を教えてくれた。
「空港に行くの?」
「いや、迷路だよ」
「迷路?」
桔平くんと声が重なった。迷路って?アミューズメントパーク的な?千歳のあたりに、そんなのあったっけ。
お父さんはそれ以上詳しく言わずに、車を発進させた。着いてからのお楽しみってことかな。
道中の車内では、家で過ごしているのと同じように、私と智美さんばかりが喋っていた。桔平くんとお父さんは、たまに相槌を打つくらい。
智美さんとの会話って、全然飽きないんだよね。女子会みたいな感じ。
そうやって喋っているうちに、あっという間に目的地へと到着。1時間半くらい走ったのかな。
車から降りて見えてきたのは、青空に映える一面の黄色。広大なヒマワリ畑だった。
ここは、巨大なヒマワリ迷路で有名な農場。とっても広い敷地に16万本ものヒマワリが植えられていて、スタッフの人が工夫を凝らした複雑な迷路が売りなんだって。
桔平くんはサングラスを外して、その景色を愛でるように目を細めていた。
「よし。ペアに分かれて、どっちが早く迷路を抜けられるか競争しよう!」
お父さん、たまにこういう子供っぽいことするんだよね。でも楽しそうだから、大賛成。
そして智美さんはバッチリとメイクをするわけではないし、テキパキとしているから支度は早い。
だから一番時間がかかるのは、いつも私。まず洋服を決めるのが大変で。自分ではなかなか決められないから、結局桔平くんに選んでもらった。桔平くんのセンスなら間違いなし。
その次は、髪型。暑いし洋服に合わせてスタイリングしたいから、ここでも悩む。そしてやっぱり、桔平くんにヘアセットをしてもらう。美容師みたいで上手なんだもん。
髪をセットしてもらっている間にメイクをするんだけど、ここでもアイシャドウやリップの色に悩む。またまた桔平くんに相談して、色の組み合わせを決めてもらった。
こんな風に私がモタモタするのはいつものことだから、みんなのんびりと待ってくれる。智美さんも、すっかり私のペースに慣れてくれたみたいだし。
「あら、愛茉ちゃん。今日はお団子ヘアなのね。可愛い!」
支度を終えて1階へ下りると、智美さんが髪型とか服を褒めまくってくれた。全部桔平くんのセンスです。桔平くんは、私を可愛く見せる達人だからね。
「さて、今日は千歳の方へ行こう」
車に乗り込んでハンドルを握ると、お父さんが目的地を教えてくれた。
「空港に行くの?」
「いや、迷路だよ」
「迷路?」
桔平くんと声が重なった。迷路って?アミューズメントパーク的な?千歳のあたりに、そんなのあったっけ。
お父さんはそれ以上詳しく言わずに、車を発進させた。着いてからのお楽しみってことかな。
道中の車内では、家で過ごしているのと同じように、私と智美さんばかりが喋っていた。桔平くんとお父さんは、たまに相槌を打つくらい。
智美さんとの会話って、全然飽きないんだよね。女子会みたいな感じ。
そうやって喋っているうちに、あっという間に目的地へと到着。1時間半くらい走ったのかな。
車から降りて見えてきたのは、青空に映える一面の黄色。広大なヒマワリ畑だった。
ここは、巨大なヒマワリ迷路で有名な農場。とっても広い敷地に16万本ものヒマワリが植えられていて、スタッフの人が工夫を凝らした複雑な迷路が売りなんだって。
桔平くんはサングラスを外して、その景色を愛でるように目を細めていた。
「よし。ペアに分かれて、どっちが早く迷路を抜けられるか競争しよう!」
お父さん、たまにこういう子供っぽいことするんだよね。でも楽しそうだから、大賛成。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
14
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる