ホウセンカ

えむら若奈

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ヒマワリ微笑むあの丘で

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 そして8月7日。前回よりも大きな荷物を抱えて、桔平くんと一緒に北海道へと向かった。

 1時間半ほどのフライトで新千歳空港へ到着。手荷物受取所を出ると、お父さんと智美さんが迎えに来てくれていた。

「わざわざありがとうございます、お父さん」
「いやいや、いいんだよ。荷物が多いだろうと思ったからね。それにしても桔平君、髪だけじゃなくて背も伸びた?」

 お父さんが笑いながら、桔平くんを見上げる。お父さんも決して小さくはないけれど、桔平くんが大きすぎるんだよね。

「2人とも元気そうで良かったわ~」

 智美さんは相変わらずふんわりしていて、見ているだけでホンワカした気持ちになる。

 1月にお父さんと入籍したから、もう“姫野智美”さん。ちなみに私とは養子縁組をして、親子になった。相続のあれこれがあるから、その方がいいだろうということで。

 戸籍上は母親になったわけだけど、私は前と同じように“智美さん”と呼んでいる。智美さんが、そうしてって言ってくれたから。愛茉ちゃんにとっての“お母さん”は、ひとりだけでいいのよって。やっぱり智美さんは、とても懐が深い人だと思った。

「ねぇ、愛茉ちゃん。誕生日には何が食べたい?」

 空港から実家へ向かう車の中で、智美さんに尋ねられる。

「えっとね、スヌーピーのアイスクリームケーキ」
「デザートじゃなくて、飯のこと訊いてんだろ……」

 桔平くんが隣で苦笑した。だって、それも誕生日に食べたいものだもん。

「大丈夫、それはちゃんと予約してるからね」
「ほんと!?さすが智美さん!あ、ケーキは私だけのものだよ。何日かに分けて、ゆっくり食べるの。桔平くんにはあげないから」
「別にいらねぇって」
「2人とも、相変わらず仲が良いなぁ」

 ハンドルを握るお父さんが笑う。

 今年の誕生日は、家族と一緒。こんなの何年ぶりかな。桔平くんと2人きりなのも幸せだけど、やっぱり家族みんなにお祝いしてもらうのは嬉しい。

 しかも、20歳だもんね。いよいよお酒が解禁。だから誕生日の日は、初の飲酒チャレンジをする予定なのです。
 桔平くんに言ったら、何故かやたらと不安そうな顔をされたけれど。去年言ってくれたくせに。来年は一緒に飲もうって。しっかり覚えてるんだぞ。

「あ、なんかインテリア変わってる」

 空港から1時間半ほど車を走らせて、相変わらず綺麗に片付いている我が家に到着。

 リビングのソファとテーブルが、新しい物になっていた。前のはかなり傷んでたもんね。智美さんのセンスかな。なんだかモダンな感じでオシャレ。
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