125 / 407
白いアザレアを貴方へ
11
しおりを挟む
「あ、桔平」
ひときわ目立っている女性が振り返った。め、めちゃくちゃ美人なんですけど……。しかも背が高くてスタイル良すぎ。オーラありすぎ。もしかして、モデルさん?
その人が私と桔平くんの方に近づいてきた。なんだか所作も綺麗。歩いているだけで、周りの景色にエフェクトがかかっているみたい。
「タイミング良かったわ。あなた全然連絡つかないんだから……あら、可愛い子」
きっと身長は170以上はあるよね。上からの視線に、なんだか圧倒されてしまう。その迫力に私が言葉を失っているのに気がついて、桔平くんが苦笑した。
「愛茉。コレ、うちの姉。次女の方」
「えっ、お姉さん!?」
言われてみれば、雰囲気がどことなく桔平くんに似ている。よくよく見ると違うけれど、ぱっと見の印象が。ていうか桔平くんって、お姉さんのこと名前で呼んでいるんだ。
あ、そんなこと考えている場合じゃない。しっかり挨拶しないと。
「あの、ひっ、ひめ、姫野愛茉です。はじめまして」
うう、どもっちゃった。恥ずかしい。
「愛茉ちゃん、はじめまして。桔平の姉の楓です」
キリっとした表情で、いかにもバリキャリって感じ。確かファッションデザイナーだっけ。どうりで洗練された印象なわけだ。なんだかいい匂いがするし、近くにいるだけで女の私でもドキドキしてしまった。
「この子の彼女?」
「あ、はい!お付き合いさせていた、いただいています」
「すげぇ緊張してんじゃん」
桔平くんが吹き出す。当たり前じゃない。まったく心構えができていなかったところに、こんなに綺麗なお姉さんが登場したんだから。
「桔平、前に会った時よりも血色良くなった気がするけど、もしかして愛茉ちゃんのおかげなのかしらね?」
「そうだな。愛茉の飯、ウマいし」
「それなら良かった。ママが心配していたし、ちゃんと報告しておくわ。たまには帰ってあげなさいよね。ママもパパも寂しがってるんだから」
楓さんの言葉に、桔平くんは何とも言えない微妙な表情を浮かべるだけだった。やっぱり実家には帰りたくないのかな。
そんな桔平くんを見て、楓さんは呆れ顔で肩をすくめた。
「あ、楓姉ちゃんだ」
遅れてやって来た翔流くんが声を上げる。楓さんと顔見知りなんだ。
「あら、翔流も一緒だったの。その子、彼女?」
「いえ、友達です」
こともなげに、すっぱり言い切る七海。やっぱり、そうですか……。
ひときわ目立っている女性が振り返った。め、めちゃくちゃ美人なんですけど……。しかも背が高くてスタイル良すぎ。オーラありすぎ。もしかして、モデルさん?
その人が私と桔平くんの方に近づいてきた。なんだか所作も綺麗。歩いているだけで、周りの景色にエフェクトがかかっているみたい。
「タイミング良かったわ。あなた全然連絡つかないんだから……あら、可愛い子」
きっと身長は170以上はあるよね。上からの視線に、なんだか圧倒されてしまう。その迫力に私が言葉を失っているのに気がついて、桔平くんが苦笑した。
「愛茉。コレ、うちの姉。次女の方」
「えっ、お姉さん!?」
言われてみれば、雰囲気がどことなく桔平くんに似ている。よくよく見ると違うけれど、ぱっと見の印象が。ていうか桔平くんって、お姉さんのこと名前で呼んでいるんだ。
あ、そんなこと考えている場合じゃない。しっかり挨拶しないと。
「あの、ひっ、ひめ、姫野愛茉です。はじめまして」
うう、どもっちゃった。恥ずかしい。
「愛茉ちゃん、はじめまして。桔平の姉の楓です」
キリっとした表情で、いかにもバリキャリって感じ。確かファッションデザイナーだっけ。どうりで洗練された印象なわけだ。なんだかいい匂いがするし、近くにいるだけで女の私でもドキドキしてしまった。
「この子の彼女?」
「あ、はい!お付き合いさせていた、いただいています」
「すげぇ緊張してんじゃん」
桔平くんが吹き出す。当たり前じゃない。まったく心構えができていなかったところに、こんなに綺麗なお姉さんが登場したんだから。
「桔平、前に会った時よりも血色良くなった気がするけど、もしかして愛茉ちゃんのおかげなのかしらね?」
「そうだな。愛茉の飯、ウマいし」
「それなら良かった。ママが心配していたし、ちゃんと報告しておくわ。たまには帰ってあげなさいよね。ママもパパも寂しがってるんだから」
楓さんの言葉に、桔平くんは何とも言えない微妙な表情を浮かべるだけだった。やっぱり実家には帰りたくないのかな。
そんな桔平くんを見て、楓さんは呆れ顔で肩をすくめた。
「あ、楓姉ちゃんだ」
遅れてやって来た翔流くんが声を上げる。楓さんと顔見知りなんだ。
「あら、翔流も一緒だったの。その子、彼女?」
「いえ、友達です」
こともなげに、すっぱり言い切る七海。やっぱり、そうですか……。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。
捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「僕は絶対に、君をものにしてみせる」
挙式と新婚旅行を兼ねて訪れたハワイ。
まさか、その地に降り立った途端、
「オレ、この人と結婚するから!」
と心変わりした旦那から捨てられるとは思わない。
ホテルも追い出されビーチで途方に暮れていたら、
親切な日本人男性が声をかけてくれた。
彼は私の事情を聞き、
私のハワイでの思い出を最高のものに変えてくれた。
最後の夜。
別れた彼との思い出はここに置いていきたくて彼に抱いてもらった。
日本に帰って心機一転、やっていくんだと思ったんだけど……。
ハワイの彼の子を身籠もりました。
初見李依(27)
寝具メーカー事務
頑張り屋の努力家
人に頼らず自分だけでなんとかしようとする癖がある
自分より人の幸せを願うような人
×
和家悠将(36)
ハイシェラントホテルグループ オーナー
押しが強くて俺様というより帝王
しかし気遣い上手で相手のことをよく考える
狙った獲物は逃がさない、ヤンデレ気味
身籠もったから愛されるのは、ありですか……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる