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ホワイトカーネーションの便り
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「うん、元気だよ。プレゼントありがとう」
「連絡がないから、届いていないかと思った」
「あ、ごめんね。昨日は……か、彼氏と一緒にいて」
「そうか、彼氏ができたのか」
「うん。すごく……優しい人だよ」
彼氏が出来たことを親に報告するのって、なんだか気恥ずかしい。でも私は大丈夫だよって、お父さんにちゃんと伝えたかった。
離婚して9年。男手ひとつで、一生懸命育ててくれたお父さん。きっと接し方もよく分からなかったと思うけれど、家にいる時はいつも優しかった。
お父さんと桔平くんは、ちょっと似ているかもしれない。桔平くんは絵に、お父さんは仕事に真っ直ぐで。余計なことを言わずに見守ってくれる感じ。
ただ、お父さんにもちゃんと幸せになってほしいな。もう私は子供じゃないから。
「お父さんも、良い人がいるなら再婚していいんだからね。私のことは気にせず。彼女ぐらい、いるんでしょ?」
「……愛茉が20歳になるまでは、と思っていたからな」
「あと1年じゃない。今しても、変わらないよ。それに私はもう家を出てるんだから、お父さんが再婚してくれると安心する」
「そうか……。まあ、追々な」
あ、これはいるな、彼女。どんな人だろう。良い人だといいな。
だけど、私が人懐こい子供だったら、お父さんはもっと早くに再婚できていたかもしれない。両親が離婚したのは思春期真っ只中だったこともあって、私がしばらくふさぎ込んでいたから。再婚なんて全然考えられなかったよね。
「愛茉は……お母さんに会いたいと思うか?」
突然訊かれた。今まで一度も訊いてこなかったのに。心臓がドクンと大きく跳ねる。
「な、なんで?」
「愛茉の気持ちを訊いてあげたこと、なかったと思ってな」
「……わ、分かんない。あんまり、考えたことなくて……」
「そうか……」
お父さんが黙り込む。何だか嫌な予感というか、心がざわつくのが分かった。
「盆明けの月曜日、仕事で東京に行くんだよ。その時、少し会えないか?ちゃんと顔を見て話さないとな」
「う、うん……」
何だろう。お母さんのこと?お父さんに会えるのは嬉しいけれど、ちょっと怖い。落ち着かない気持ちのまま、電話を切った。
「連絡がないから、届いていないかと思った」
「あ、ごめんね。昨日は……か、彼氏と一緒にいて」
「そうか、彼氏ができたのか」
「うん。すごく……優しい人だよ」
彼氏が出来たことを親に報告するのって、なんだか気恥ずかしい。でも私は大丈夫だよって、お父さんにちゃんと伝えたかった。
離婚して9年。男手ひとつで、一生懸命育ててくれたお父さん。きっと接し方もよく分からなかったと思うけれど、家にいる時はいつも優しかった。
お父さんと桔平くんは、ちょっと似ているかもしれない。桔平くんは絵に、お父さんは仕事に真っ直ぐで。余計なことを言わずに見守ってくれる感じ。
ただ、お父さんにもちゃんと幸せになってほしいな。もう私は子供じゃないから。
「お父さんも、良い人がいるなら再婚していいんだからね。私のことは気にせず。彼女ぐらい、いるんでしょ?」
「……愛茉が20歳になるまでは、と思っていたからな」
「あと1年じゃない。今しても、変わらないよ。それに私はもう家を出てるんだから、お父さんが再婚してくれると安心する」
「そうか……。まあ、追々な」
あ、これはいるな、彼女。どんな人だろう。良い人だといいな。
だけど、私が人懐こい子供だったら、お父さんはもっと早くに再婚できていたかもしれない。両親が離婚したのは思春期真っ只中だったこともあって、私がしばらくふさぎ込んでいたから。再婚なんて全然考えられなかったよね。
「愛茉は……お母さんに会いたいと思うか?」
突然訊かれた。今まで一度も訊いてこなかったのに。心臓がドクンと大きく跳ねる。
「な、なんで?」
「愛茉の気持ちを訊いてあげたこと、なかったと思ってな」
「……わ、分かんない。あんまり、考えたことなくて……」
「そうか……」
お父さんが黙り込む。何だか嫌な予感というか、心がざわつくのが分かった。
「盆明けの月曜日、仕事で東京に行くんだよ。その時、少し会えないか?ちゃんと顔を見て話さないとな」
「う、うん……」
何だろう。お母さんのこと?お父さんに会えるのは嬉しいけれど、ちょっと怖い。落ち着かない気持ちのまま、電話を切った。
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