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アガパンサスの押し花
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「ホテルとか、全然誘われなかったの?」
「うん。口説いてるとは言われたけど」
「うわぁ、やば。あんなかっこいい人にそう言われて落ちないなんて、さすが愛茉だね」
落ちなかった……とも言えない。すごくドキドキしたし、休みの間も頭から離れなかったわけだし。浅尾さんの笑った顔を思い浮かべるだけで、今でも心がざわざわする。
ただ、深く知らない人と付き合うのは、やっぱり怖い。
「連絡先は交換したの?」
「向こうのID教えてもらったけど……」
「交換はしてないんだ。本気なのか遊びなのか、分かんないね。連絡してみた?」
「してない」
「なんで?」
「だって……なんて送ればいいの?」
「ラーメン奢ってもらったんでしょ?とりあえず、この前はありがとうございました~みたいなのでいいじゃん」
もし返ってこなかったらどうしよう。そんなことばっかり考えちゃって、連絡できなかったんだもん。七海みたいに気楽になんてできない。
「ほら、送りなよ」
「え、今?」
「善は急げよ。浅尾さんみたいな人はすぐつかまえないと、あっという間にどっか飛んで行っちゃうよ」
それは確かにありそうだけど……。
「ほら、LINE開く!」
七海に促されてLINEを開き、浅尾さんが手帳に書いてくれたIDを入力する。
“桔平”という名前のアカウントが出てきた。アイコンは、何だかとても綺麗な風景画。
「はい追加!」
七海が横から、友達追加のボタンをタップした。
「はいトーク画面開く!早くしないと、授業始まるよ」
七海のプレッシャーを受けながら、浅尾さんへのメッセージを入力する。
『おはようございます、愛茉です。この前はありがとうございました。ラーメン美味しかったです』
……こ、こんな感じで良いのかな。
だから何?って思われない?あ、敬語苦手って言ってたっけ。でも初めてLINEするのに馴れ馴れしいのも……って悩んでいたら、七海に送信ボタンを押された。うう、容赦ない。
「よし、あとは待つのみ。返事来たら教えてね」
七海は妙に嬉しそう。……面白がってない?
授業が始まるまでの数分間、チラチラ画面を確認したけれど、既読がつくことはなくて。授業中はスマホをバッグにしまっておかないといけないから、気になって仕方がなかった。
「うん。口説いてるとは言われたけど」
「うわぁ、やば。あんなかっこいい人にそう言われて落ちないなんて、さすが愛茉だね」
落ちなかった……とも言えない。すごくドキドキしたし、休みの間も頭から離れなかったわけだし。浅尾さんの笑った顔を思い浮かべるだけで、今でも心がざわざわする。
ただ、深く知らない人と付き合うのは、やっぱり怖い。
「連絡先は交換したの?」
「向こうのID教えてもらったけど……」
「交換はしてないんだ。本気なのか遊びなのか、分かんないね。連絡してみた?」
「してない」
「なんで?」
「だって……なんて送ればいいの?」
「ラーメン奢ってもらったんでしょ?とりあえず、この前はありがとうございました~みたいなのでいいじゃん」
もし返ってこなかったらどうしよう。そんなことばっかり考えちゃって、連絡できなかったんだもん。七海みたいに気楽になんてできない。
「ほら、送りなよ」
「え、今?」
「善は急げよ。浅尾さんみたいな人はすぐつかまえないと、あっという間にどっか飛んで行っちゃうよ」
それは確かにありそうだけど……。
「ほら、LINE開く!」
七海に促されてLINEを開き、浅尾さんが手帳に書いてくれたIDを入力する。
“桔平”という名前のアカウントが出てきた。アイコンは、何だかとても綺麗な風景画。
「はい追加!」
七海が横から、友達追加のボタンをタップした。
「はいトーク画面開く!早くしないと、授業始まるよ」
七海のプレッシャーを受けながら、浅尾さんへのメッセージを入力する。
『おはようございます、愛茉です。この前はありがとうございました。ラーメン美味しかったです』
……こ、こんな感じで良いのかな。
だから何?って思われない?あ、敬語苦手って言ってたっけ。でも初めてLINEするのに馴れ馴れしいのも……って悩んでいたら、七海に送信ボタンを押された。うう、容赦ない。
「よし、あとは待つのみ。返事来たら教えてね」
七海は妙に嬉しそう。……面白がってない?
授業が始まるまでの数分間、チラチラ画面を確認したけれど、既読がつくことはなくて。授業中はスマホをバッグにしまっておかないといけないから、気になって仕方がなかった。
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