純情なる恋愛を興ずるには

有乃仙

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キズは自分にしか分からないこと

四ー3

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                  □□□

 純と興は並んで床に正座させられていた。
「まったく」
 それを、西町は腕を組んで呆れと怒気を混ぜて見下ろしていた。
「言ってることが違うじゃないか」
 が、呆れは初めだけ、言葉口調は早くも厳しい。
「興」
「はい……」
 強く名前まで呼ばれ、興はすっかり覇気がなくなってしまっていた。
(なんで俺まで……)
 その隣で、純は内心この状況を怪訝に思っていたりした。
 あの後、すぐに教師たちが駆けつけてきた。誰かが伝えたのか、来る前に呼んでいたのか。来ていた教師らと顧問によって横田が連れて行かれ、自分たちは、西町に保健室へと連れて行かれることになった。被害者と加害者を離れさせるためだ。
 そこでまず、状況を説明することになり、そこからこれまでの興の状況がバレることにもなった。そうして、正座をさせられることになったのだ。
 西町に怒っている様子があったため従ったが、はっきりいって、自分は関係ない。自分でなんとか出来ると嘘を言ったのは興だ。それであんな目に合っていたのだから、怒られるのは当然のことだ。心配していたし、どうにか出来ればいいのにと思いもしていたが、巻き込まれた純まで反省の姿勢を取らされる必要はないのではないか。
「どこが自分でなんとかできてるだって? できていないうえに、橋川まで巻き込んでるじゃないか」
「すみません……」
 父と子。いや、兄と弟か。親戚というよりは、家族の者が怒っているような感じがする、西町の叱咤だった。
(なんで俺まで……)
 その傍らで、純が同じ疑念を巡らせていたが、この状況で口に出来ることではないことは分かっているので、内心に留めておいている。
「橋川!」
「はい!」
 まるで、内面を読んだかのようなタイミングだった。
 いきなり叱責するように名を呼ばれ、純は反射的に背筋を伸ばした。
「お前も! 知っていてなんで言わない!」
 矛先がこちらにも向けられる。
 どうやらこれが、純までもが正座させられている理由であったらしい。
「興の気持ちを汲み取って、誰にも……」
「そんなことを汲み取るな!」
「これからはちゃんと先生に伝えます」
 理由を述べるが、言い切る前に怒気が飛んでき、純は即座に言葉を訂正させた。
「分かればいい」
 物分かりがよければだいたいの者は叱ることを終わらせる。西町の怒りも、引っ込めたようにんだ。
 そしてその素直さが、純への怒りを終わらせることへも繋げた。
「お前はもう戻っていいぞ」
 解放の言葉が放たれる。
「興は、もうしばらくそのままだ」
「え……」
 次いで隣に投じられた命令に、思わず漏れたというように声が出た興は気が進まなさそうだった。当たり前だ。説教が続くかもしれないとなれば、誰だって気が滅入る。
「なんだ」
「なんでもないです……」
 だけれど、怒気を含んで問われ、ただでさえ弱っている声音を興はさらに弱めた。
「お前には、もう少し説教しないといけないようだからな」
「……はい……」
 言葉にもされ、もう興は元気がなかった。
「…………」
 彼には申し訳ないが、自分がそこにはまるほど関わっていなくてよかったと、純は興の落ち込み具合を見て、そう思わずにはいられなかった。

                  □□□

 ドアの開く音に和也が顔を振り向かせると、興が壁の陰から姿を現した。
「興」
 興は、遅れている作業を終わらせるため、午前中は部活だと言っていたが、昼にはまだ早い時間だ。どうしたというのだろうか。
 けれど、俯き加減の興は和也の言葉に反応もなくベッドに歩み寄っていくと、倒れ込んだ。
「興?」
 和也は椅子から立ち上がった。これは間違いなく沈んでいる。何があったのか。
「どうしたんだ?」
 歩み寄ると、和也は問いかけた。
「――純を巻き込んだ……」
 数秒の沈黙後、落ち込んだような小さな声が聞こえてきた。くぐもっているのは、俯せに倒れたまま布団に顔を埋めているからだ。
「え?」
 けどそれより、和也は聞き間違いをしたと思った。
 彼は、興とのアクシデントで個人でも絡まれやすくなっている。興といれば、よけい確率が高くもなる。場合によっては、興が巻き込まれたと言えることにもなるかもしれない。今朝、横田とまで会ったことから気をつけるよう忠告もしたが、こんな早くに事が起きてしまうとは。
 その日のうちに起きたという早い展開には、興も気を落としてしまわずにはいられなかったらしい。
弘基ひろきさんにも怒られたし……」
「…………」
 もしかしたら、それがよけい興を沈ませているのかもしれない。
「俺、期待してたのかもしれないんだ」
 だが、原因はそれだけではなかった。
「俺が横田たちに絡まれてるの知っても近づいてくるから、そんなの関係なく話せるかもって」
「…………」
 まさか、そんな思いを持ち始めていたとは。
怒られたこともこたえているだろうが、期待を持ってしまっている時に巻き込んでしまったとあっては、さすがに興でも落ち込んでしまうだろう。だが和也は、興が真に落ち込んでいるのがなんであるか分かっていた。
 巻き込んだことでも、期待を持っている時に起きたことでもなく、それによって今後減るだろう、彼との応酬だ。
「なんで期待持っちまったんだろ……俺といりゃ、巻き込まれるのに……」
 言葉はそこで止まるが、巻き込むということは距離があくことを示してもいる。
「興……」
 そこでやっと、和也はそれだけを口にできた。
 誰かと仲良くなりたいというよりも、誰も巻き込みたくないという思いが興にはある。その一方で、距離を縮めたい思いももちろん持っている。今の和也にはわざわざ距離を縮める気はないが、期待を持った時の、それが破られる辛さは分かるつもりだ。
「俺、しばらく死んでる」
 少しして、くぐもった声が聞こえてきた。これを訳すと、しばらく落ち込んでいる、だ。
「分かった」
 こういう場合、そっとしておく方がいい。比喩を使うほど余裕があるようにも思わせるが、あまりこちらに心配をかけさせまいとしようとしてのことだ。
「でも、そのままじゃ苦しいだろうから、その体勢は変えた方がいいんじゃないか?」
 布団に顔を埋めたままでいて、そのまま比喩ではなくなりましたなんてことはさすがにやめてもらいたい。
 言葉での反応はなかったが、数秒後、興は横向きに転がった。
「…………」
 気遣いとは分かっているものの、比喩を聞いたすぐ後とあってか、落ち込んでいるわりにはマイペースさがあるのは気のせいかと、和也は思ってしまった。

 だが実際は、今の興にマイペースさも余裕もほとんどなかった。
 沈んでしまった心持ちを、なんとか取り直そうと、言い聞かせようとしていた。
 先ほどのことは、巻き込むかもしれない危険を身をもって知っている興には予測できることのはずだった。
 食堂で自分を押し倒してしまったことから、純個人でも絡まれやすくなるものだということも。
 もっと距離をあけておけばよかったのだ。そうすれば、今回のことは起こらなかったし、期待も持つことにもならなかった。
 分かっていて突き放しきれなかった自分が悪いのだ。落ち込むことではない。
 だがこれで、自分も改めて理解することになった。横田たちがいるかぎり、必要以上、他人と接するのは控えるべきだ。和也は厄介と見られたから一緒にいても問題はないが、その他とはいてはいけない。
 まして、純とは特に。
 その純がこれからどうするのかは、想像ついていることだ。
 しかし、想像ついていても、知ってなお近づいてくる純に持ってしまった期待の反動は大きい。
「…………」
 興は目を閉じた。
 純は特異だったのだ。分かりきっていなかったために近づいてきていただけだったのである。それが、戻るだけだ。
 そう自身に言い聞かせると、興は腕を被せて顔を隠すと、さらに明暗を暗くさせた。

                  □□□

 興は温室の前にいた。
 翌日の放課後。
 木を育てるぞと、種をどこぞから入手してきた顧問の無茶ぶりを実行すべく、まずはプランターで育てるために土作りをしていたところだ。興の他には誰もおらず、頻繁に出る島山たちも今日は来ていない。
 案の定、純から話しかけられることはなかった。
 やはり、距離をあけたのだ。昼休みには、良智と景一ともいなくなっており、鐘が鳴るまで戻ってこなかった。
 良智と景一とは、一年の初めに仲良くなったことから未だ友人として見てくれてはいるが、距離の保ち方も分かってくれている。今回のことで、純にもそこら辺はきっちり教えただろう。話すこともめっきり減るはずだ。
 これが、横田たちがいる間、彼らが円満に生活できる方法だ。自分と関わらなければいいのである。
 その、横田たち三年は、一週間の謹慎となった。結局は未遂であったのだが、これまでにも行われていたということが、一週間という長さになったのだ。
 今回のことは生徒には伝えないとなったが、もし耳に届くようなことがあれば、絡まれたとだけにするという。純が個人でもその対象に見られていたことが教師たちにも伝わり、純自身がそれでいいとしたからだ。
 ひとまず、一週間は穏やかな日が訪れるわけだ。そして、興にとっては変わらぬ日常に戻ることでもある。
「興」
 聞き覚えのある声が聞こえたのは、それでも鬱々とした感情が渦巻いていた時だった。興は胡乱げな目を背後に向けた。
 というか、向けずにはいられなかった。
 思った通り、そこには一週間で見慣れてしまった転校生の姿があった。
「…………」
 何食わぬ顔、に見えるのは気のせいだろうか。
「なんで、そんな顔してんだ?」
 怪訝そうに尋ねてくるが、さて、自分はどんな顔をしているのだろう。怪しい者を見るものか、訝しそうなものか、理解できぬものか。
 全部だ。全部ひっくるめて胡乱げな顔になっているのが自覚できる。
「なんでいんだ」
 当然、口に出ることは疑念だ。何故、この男はこんな所におり、しかも話しかけてくるのか。
「ここに入部しようと思って」
「はあ……!?」
 驚き以外のなにものでもない。
「お前、馬鹿か?」
 言葉強くならずにはいられない。昨日、どんな目に遭いそうになったか忘れたのか。忘れたわけじゃあるまい。それで、あんな輩が多いここ、園芸部に入ろうというのか。
「あー……」
 純の反応は薄かった。分かっていたのか。すでに指摘され済みなのか。それで、そんな反応になっているような薄さだった。
「でも、興を一人のままにしておくのもな、って思って」
「はぁ?」
 また訳の分からないことを言う。顔だけだったのが体半分まで振り向かせていた興は、理解できない目を向けた。
「だって、また横田先輩たちが絡んできたらどうするんだ?」
「どうするんだって……」
 その言葉、彼用に変えて返してやりたい。
「お前はどうすんだよ。お前だって、目、付けられてるんだぞ?」
 興は思ったままに反問しかえした。
 横田たちは懲りない連中だ。和也が巻き込まれた時も、謹慎が明けて一週間もしないうちに絡んできた。さすがに、卒業まで一年をきった今回は自粛くらいするだろうが、なくなるということはないはずだ。そう思わせる連中なのだ。
「そん時は先生に言うよ。そう言ったし」
 保健室でのことを言っているのだろう。にしても、そんなにさらりと言われると、逆に何も考えていないんじゃないかと思える。
「それで済むと思うのか?」
 だが、それで済めばの話だ。懲りない連中を甘くみてはいけない。
「済まないのか?」
「…………」
 が、聞き返されると悩んでしまう。彼らの内面を把握しきっているわけではないので、懲りない性格と自粛するかもしれない想像だけでは、どう行動にでるのか判断に困るところだ。
「とにかく、興を一人にはできないって思ったんだ」
 けど、答えないことを純は気にしていなかった。改めて、入部の動機を語る。
 が、興も興で、純の入部が正しいものとは受け取れていない。
「でも、昨日のことがあって、教師も許すと思うのか? さすがに阿部も止めると思うぞ」
 教師だって、道理にかなっているとは思っていないはずだ。真面目に活動してくれる生徒を欲している顧問とて、それには希望があっても躊躇われるはずだ。自分を見た顧問の目にも悩む色が表れていたのを興は見ているし、辞めることを言い出しても止めないことを匂わせる発言もしていたのだ。
 だが、純から返ってきたのは、またしても意想外なことだった。
「もう、説得したけど」
「は?」
「昼休みに入部届け出しに行った時に、担任と阿部先生に止められたんだけど、俺が押し切った」
「…………」
 純の行動は、すべて興の予想を裏切っている。昼休みに姿が見当たらなかったのは、距離を取るためではなく、入部に関することだというし、働きかけていた周りも押しのけたなんて。動機を説明されてもいるが、興には純の思考回路が理解できるものではなかった。
「それで、横田先輩たちに何かされたら、些細なことでもいいから言うってことにしたんだ」
「…………」
 教師に言うとは、弘基に言われたことではなく、入部の条件であったらしい。
「ってことで」
 純はしゃがんだ。
「よろしく」
「…………」
 そう言われても、興は返せなかった。いや、もう先ほどから言葉が出てきていない。ただ、そんな安易に決めてしまっていいのかという疑問だけがある。
「……本当に、いいのかよ」
 何秒経ったか、やっと開口できた興は確認した。昨日、消したはずの期待が戻ってきてしまいそうである。
「昨日、ずっと考えてたんだ」
 それに、純は言った。
「景一にも馬鹿にされたけど、決めたから。これでいいんだよ」
「…………」
 全然、理由になっていないように聞こえるのは自分だけだろうか。
 純の中では気持ちがまとまっているのだろうが、納得させるには説得力に欠ける。
「やっぱ、馬鹿だと思うか?」
 返さなかったことに、純はそう思わせられたらしかった。
「ああ」
 その尋ねには迷わず答えた。
 バカだ。彼は間違いなく馬鹿だ。自分に加わるかもしれない厄介よりも人のことを心配して。興には馬鹿だとしか思えない。
「それもそれで酷いな……」
 非難するが、馬鹿にしたらしい景一に結構、言われていたのだろう。口で言うほど、純にそれほど凹んでいる様子はなかった。
 だからか、そこから微笑を浮かべるのも早かった。
「興、よろしくな」
 そう言ってくる。
「――――」
 それにも、興は即座に返せなかった。そちらは関わることで心の内を固めたようだが、こちらは避けることで気持ちを固めたのだ。そんな簡単に変えることなどできるわけがない。しかし、呼び戻されてきている期待が、気持ちを揺らがせさせていた。
「――俺、期待してたみたいなんだ」
 数秒かの間を置き、興は胸に灯っていた感情を口にしていた。
「期待?」
 聞き返す純に、興はその感情を述べた。
「絡まれてること知っても普通に話しかけてくるから、お前は変わらずに話せるんじゃないかって」
 こんなことを言って一体なにになるのだろうか。そんな迷いもある。
「…………」
 対して、興の告白を聞いた純は笑みを浮かべた。そんな感情を持っていたことを嬉しそうにしているようでもある。
 それが、さらに興の心を揺さぶる。
「期待してもしなくてもいいけど。俺、距離取ったりするつもりなんてないからさ」
 しごく当たり前のように、純は告げた。嘘を言っているようには感じられない。
「本当か?」
 それでも疑ってしまう。
「ああ」
 何を当たり前のことを言っているのか。純の返事は、そんな雰囲気が含まれていた。
 そんな感応があるということは、彼は嘘を言っているわけではないということでいいのだろうか。でも、教師を説得してまで園芸部に入ってきたわけでもあり、本音であることには違いないのだろう。
「なら、よろしくしてやるよ」
 それでも信じ切れていない部分が、素直に受け止めることをさせなかった。
「ハハ」
 何故か、純は笑った。まさか内心が読まれているわけではあるまい。
 けれども、純の言っていることが本当なら、期待してみようと、その笑みに興は思った。

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指圧のことは、有乃にとっても何でその情報を得たのか、聞いたことがある気がするなあ……というくらいおぼろげな記憶です
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