3 / 60
長身イケメン登場
しおりを挟む
「いやいや、まずいよ、それは……。男ひとりの部屋に泊まるなんてさ。何処か近くのホテルでも」
「えー、だって私、そんなにお金持ってきてないし、祐二さん従兄じゃないですか」
困った事を言うと、祐二は額に手を当てて項垂れる。この無防備な顔を見ると、なんとも強くは言えなくて。
暫く二人の間に沈黙が続き、ふと顔を上げた祐二は、おもむろに携帯を出すと電話を掛け始めた。
「あ、すみません、奥村ですが。……あの、今夜泊めて貰いたい人が居るんですが。水野さん、大丈夫ですか?」
電話の相手は、祐二の先輩の水野という女性。同じ会社に勤めているが、母親の謎を探る為に力を貸してくれた人物だった。
「えーっ、何よいきなり。奥村くんの部屋に泊めてあげなよー。」
思った通りの返答に、「それが、従妹の女の子が北海道から来てて、真壁美乃利さんというのですが」と言ったところで「あ~、あの従妹さん?やだ、早く言ってよ、私会いたかったのよね。いいよいいよ、泊めてあげるから」と、明るい声で返って来た。
――ひょっとして、水野さんの好奇心に火を付けてしまったかも――
祐二は、水野に頼んだのは間違いだったか、と思ったが、この際仕方がない「すみませんが、宜しくお願いします」と頼むと、また電話すると言い携帯を閉じた。
「あの、……水野さんて?……ひょっとして祐二さんのカノジョさん?」
美乃利がおかしな事を言うので、「違う違う、会社の先輩。……あの、例の真壁のおじいさんの姉を探す時に手伝ってくれた」と言うと、あー、と納得したように頷く。
水野さんには本当に助けられた。母の葬儀の事もだし、自分の生い立ちに関わる祖父の姉が見つかったのも水野さんのお陰。ひとつ年上だが頼りになる女性だと、祐二は感謝していた。
「それじゃ、待ち合わせ場所に行く?僕も行っていいんだよね」
「はい、お願いします。」
美乃利は笑顔に戻ると立ち上がった。
祐二のマンションから出て大通りに向かうと、開けた駐車場とカラフルなのぼり旗が見えてきた。
ドラッグストアの扉付近に出入りする人を見ると、長身の男性が立っている。遠目に見ても一際大きな男は、スラッとしたスタイルの良さとシンプルなファッションで目立っていた。
「あの人ですね」
祐二は美乃利に言うと、駐車場を横切って行った。
長身の男に「すみません、佐伯さんですか?」と声を掛ける美乃利。茶髪の髪を風になびかせながら笑顔を向けると、「ああ、美乃利ちゃん?どうもどうも、凛華の兄の薫です」と、会釈をする。顔立ちのハッキリした爽やかな笑顔だった。
美乃利の後ろに居た祐二も、こんにちは、と挨拶をする。祐二もけして背が低くはないが、173センチから見ると、180センチ以上の男は見上げなければいけなかった。
「こちらは従兄の奥村祐二さんで、この近くに住んでいるんです。」と、祐二の事を紹介すると、薫の顔がパッと明るくなった。
「そうですか、近くに。……奇遇ですね。何処かで顔合わせてるかも、ですね」
薫はまじまじと祐二の顔を見ると言い、イケメンの圧にたじろぐ祐二だった。
「このドラッグストア、たまに来てますからね」
もし出会っていたら絶対覚えていそうだな、と祐二は思う。
「佐伯さん、今日はお時間頂いてすみません。早速ですが岬志保さんについて伺いたいのですが」
気が急くのか、美乃利は唐突に質問する。薫は、苦笑いしつつも祐二の方を見ながら頷いた。
「えー、だって私、そんなにお金持ってきてないし、祐二さん従兄じゃないですか」
困った事を言うと、祐二は額に手を当てて項垂れる。この無防備な顔を見ると、なんとも強くは言えなくて。
暫く二人の間に沈黙が続き、ふと顔を上げた祐二は、おもむろに携帯を出すと電話を掛け始めた。
「あ、すみません、奥村ですが。……あの、今夜泊めて貰いたい人が居るんですが。水野さん、大丈夫ですか?」
電話の相手は、祐二の先輩の水野という女性。同じ会社に勤めているが、母親の謎を探る為に力を貸してくれた人物だった。
「えーっ、何よいきなり。奥村くんの部屋に泊めてあげなよー。」
思った通りの返答に、「それが、従妹の女の子が北海道から来てて、真壁美乃利さんというのですが」と言ったところで「あ~、あの従妹さん?やだ、早く言ってよ、私会いたかったのよね。いいよいいよ、泊めてあげるから」と、明るい声で返って来た。
――ひょっとして、水野さんの好奇心に火を付けてしまったかも――
祐二は、水野に頼んだのは間違いだったか、と思ったが、この際仕方がない「すみませんが、宜しくお願いします」と頼むと、また電話すると言い携帯を閉じた。
「あの、……水野さんて?……ひょっとして祐二さんのカノジョさん?」
美乃利がおかしな事を言うので、「違う違う、会社の先輩。……あの、例の真壁のおじいさんの姉を探す時に手伝ってくれた」と言うと、あー、と納得したように頷く。
水野さんには本当に助けられた。母の葬儀の事もだし、自分の生い立ちに関わる祖父の姉が見つかったのも水野さんのお陰。ひとつ年上だが頼りになる女性だと、祐二は感謝していた。
「それじゃ、待ち合わせ場所に行く?僕も行っていいんだよね」
「はい、お願いします。」
美乃利は笑顔に戻ると立ち上がった。
祐二のマンションから出て大通りに向かうと、開けた駐車場とカラフルなのぼり旗が見えてきた。
ドラッグストアの扉付近に出入りする人を見ると、長身の男性が立っている。遠目に見ても一際大きな男は、スラッとしたスタイルの良さとシンプルなファッションで目立っていた。
「あの人ですね」
祐二は美乃利に言うと、駐車場を横切って行った。
長身の男に「すみません、佐伯さんですか?」と声を掛ける美乃利。茶髪の髪を風になびかせながら笑顔を向けると、「ああ、美乃利ちゃん?どうもどうも、凛華の兄の薫です」と、会釈をする。顔立ちのハッキリした爽やかな笑顔だった。
美乃利の後ろに居た祐二も、こんにちは、と挨拶をする。祐二もけして背が低くはないが、173センチから見ると、180センチ以上の男は見上げなければいけなかった。
「こちらは従兄の奥村祐二さんで、この近くに住んでいるんです。」と、祐二の事を紹介すると、薫の顔がパッと明るくなった。
「そうですか、近くに。……奇遇ですね。何処かで顔合わせてるかも、ですね」
薫はまじまじと祐二の顔を見ると言い、イケメンの圧にたじろぐ祐二だった。
「このドラッグストア、たまに来てますからね」
もし出会っていたら絶対覚えていそうだな、と祐二は思う。
「佐伯さん、今日はお時間頂いてすみません。早速ですが岬志保さんについて伺いたいのですが」
気が急くのか、美乃利は唐突に質問する。薫は、苦笑いしつつも祐二の方を見ながら頷いた。
10
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる