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爆発しそうだゼ
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アタルの裏切りを許せなかった。
裏切り、なんて言葉は大袈裟だけど、あんなに俺達の大学生活を想像させておいて・・・
今更その全てを俺一人で満喫しろと。
サークルは、女子の多いところがいいとか、バイトはどうするとか・・・
全ては、架空の話になった。
ていうか、そんな話を昼休みにしていたアタルの気が知れないよ。俺がワクワクしながら話していたのをどんな気持ちで聞いていたんだ?
もうホントに、アイツがあんな奴だったなんて・・・
その晩は、食事中に母さんが大学の話を始めるもんだから気まずくなった。アタルの母親とも、仲良くなりたいって言ってた矢先。こんな裏切りに合うなんて。
風呂に入り、頭を洗いながらも、俺は一人で悶々と考えていた。明日、どんな顔をして話せばいい?
もう、いっそこのまま卒業迄無視してやろうか。
・・・ま、流石にそこまでいくと、俺が惨めになる。
堂々と、アタルが居なくたって平気だと言ってやろう。その方が、アイツも寂しいかも知れない。
・・・・・いや、待てよ俺。
そんなの、俺が寂しいからわざとイケずしているみたいじゃないか。それはダメだな。益々自分が惨めになる。
バカな事を考えては辞め、また新たな対応策を練っては辞め。結局、睡眠不足のまま朝の登校時間を迎えてしまい、朝食も時間がなくて食べず仕舞いで。
そのうえ、自宅から5分のバス停へと向かう途中、急に足がすくんでしまった俺。
自分でも、どうしてか分からなかった。
寝不足で気分が悪いのは仕方がない。でも、足がすくんで歩けないとか、可笑しすぎる。
・・・なんだよ、どうしちゃったんだよ・・・
結局、いつものバスに乗り遅れて、次のバスで学校へと向かった。
「おはよ~、今朝は遅いじゃん。寝坊か?」
「・・・ああ、まあな。」
同じクラスの斎藤が、昇降口で俺の背中を叩いて笑った。もうホームルームの時間を知らせるチャイムが鳴り響いている。廊下を走って行くと、職員室前で担任と出くわして睨まれて・・・。
『こらッ、遅刻しても廊下を走るんじゃないぞ。』
「「はいッ!すみませ~ん」」
謝る声がハモってしまった。
そして、俺は隣を歩く担任の顔を見て思い出した。
「ねぇ先生。」
『なんだ?』
「アタルが、・・・水沢が、進路変更したって知ってました?」
いきなり聞かれて、担任はキョトンとするが
『ああ、専門学校へ行くそうだな。知ってるさ、モチロン。』
ずっと前から知ってますって顔で答えられて、分かってはいたけど俺は凹んだ。
他の同級生たちは知らないけど、俺もそいつ等と変わらない友達の一人って訳だ。一々、進路を変えましたって報告なんかしなくてもいいって事?
教室に入ると、みんなの視線が痛いけど、黙って席につく。
もう殆ど授業なんてものはなく、進路の決まった奴らは遊んでいる。でも、最後の試験を受ける生徒はビリビリしていて、たまに喧嘩になったりする。
その日、気分のすぐれなかった俺は、普段ならやり過ごすような事に腹をたててしまった。
しかも、喧嘩の相手はクラスの女子。
菊地 優香(キクチ ユウカ)は、アタルを狙っている女子の内の一人で、長身のモデル体型の女の子。
顔は、そこそこだと思う。でも、俺が気に障ったのは、服飾の専門学校へ行くらしくて、アタルの学校と近いとか、俺に話しかけてきたから。
菊地が知っていて俺が知らなかったって!
「え、知らないの?」なんて、上から言われてカチンときた。
この俺の、胸の内は誰も知らないけど、正直煮えくり返っている。一瞬でマグマは噴火するんだ‼
裏切り、なんて言葉は大袈裟だけど、あんなに俺達の大学生活を想像させておいて・・・
今更その全てを俺一人で満喫しろと。
サークルは、女子の多いところがいいとか、バイトはどうするとか・・・
全ては、架空の話になった。
ていうか、そんな話を昼休みにしていたアタルの気が知れないよ。俺がワクワクしながら話していたのをどんな気持ちで聞いていたんだ?
もうホントに、アイツがあんな奴だったなんて・・・
その晩は、食事中に母さんが大学の話を始めるもんだから気まずくなった。アタルの母親とも、仲良くなりたいって言ってた矢先。こんな裏切りに合うなんて。
風呂に入り、頭を洗いながらも、俺は一人で悶々と考えていた。明日、どんな顔をして話せばいい?
もう、いっそこのまま卒業迄無視してやろうか。
・・・ま、流石にそこまでいくと、俺が惨めになる。
堂々と、アタルが居なくたって平気だと言ってやろう。その方が、アイツも寂しいかも知れない。
・・・・・いや、待てよ俺。
そんなの、俺が寂しいからわざとイケずしているみたいじゃないか。それはダメだな。益々自分が惨めになる。
バカな事を考えては辞め、また新たな対応策を練っては辞め。結局、睡眠不足のまま朝の登校時間を迎えてしまい、朝食も時間がなくて食べず仕舞いで。
そのうえ、自宅から5分のバス停へと向かう途中、急に足がすくんでしまった俺。
自分でも、どうしてか分からなかった。
寝不足で気分が悪いのは仕方がない。でも、足がすくんで歩けないとか、可笑しすぎる。
・・・なんだよ、どうしちゃったんだよ・・・
結局、いつものバスに乗り遅れて、次のバスで学校へと向かった。
「おはよ~、今朝は遅いじゃん。寝坊か?」
「・・・ああ、まあな。」
同じクラスの斎藤が、昇降口で俺の背中を叩いて笑った。もうホームルームの時間を知らせるチャイムが鳴り響いている。廊下を走って行くと、職員室前で担任と出くわして睨まれて・・・。
『こらッ、遅刻しても廊下を走るんじゃないぞ。』
「「はいッ!すみませ~ん」」
謝る声がハモってしまった。
そして、俺は隣を歩く担任の顔を見て思い出した。
「ねぇ先生。」
『なんだ?』
「アタルが、・・・水沢が、進路変更したって知ってました?」
いきなり聞かれて、担任はキョトンとするが
『ああ、専門学校へ行くそうだな。知ってるさ、モチロン。』
ずっと前から知ってますって顔で答えられて、分かってはいたけど俺は凹んだ。
他の同級生たちは知らないけど、俺もそいつ等と変わらない友達の一人って訳だ。一々、進路を変えましたって報告なんかしなくてもいいって事?
教室に入ると、みんなの視線が痛いけど、黙って席につく。
もう殆ど授業なんてものはなく、進路の決まった奴らは遊んでいる。でも、最後の試験を受ける生徒はビリビリしていて、たまに喧嘩になったりする。
その日、気分のすぐれなかった俺は、普段ならやり過ごすような事に腹をたててしまった。
しかも、喧嘩の相手はクラスの女子。
菊地 優香(キクチ ユウカ)は、アタルを狙っている女子の内の一人で、長身のモデル体型の女の子。
顔は、そこそこだと思う。でも、俺が気に障ったのは、服飾の専門学校へ行くらしくて、アタルの学校と近いとか、俺に話しかけてきたから。
菊地が知っていて俺が知らなかったって!
「え、知らないの?」なんて、上から言われてカチンときた。
この俺の、胸の内は誰も知らないけど、正直煮えくり返っている。一瞬でマグマは噴火するんだ‼
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