17 / 53
17 弱まる磁力 1-17
しおりを挟む
風呂から出てくると、携帯電話の着信メロディが流れていて、腰にバスタオル一枚で慌てて出る俺。
「はい、俺。」
「あ、風呂だった?」
「うん、今出たところ。」
「そうか、ちゃんと頭拭けよ!?」
「ああ、拭いてる、、、ってか、子供か!…恵は?もう風呂はいった?」
「入ったよ。で、今から寝ようと思ってた。真琴がメールくれてたから、珍しいなって思ったんだ。仕事でドジったんじゃないのかと思ってさ~。」
恵の声が俺の耳に心地よい振動をくれて、ずっと聴いていたい心境だった。ドジった、なんて変な事心配させたのか…
「バカだな~、俺がやらかす訳ないだろ!明日も早いから、お前も寝ろよ。」
「うん、そうする。じゃあな、おやすみ。」
「おやすみ。」
暫くスマホの画面に眼を落とす。
離れる度に思う事。俺と恵を繋いでいるものは何だ!?
愛、だと言いたいけれど………
Tシャツと下穿きで、ベッドに潜り込んだ。
キッチリとメイクされたベッドシーツが身体に馴染むまでの間、資料に目を通す。
枕を抱えてうつ伏せで見ていると、自然に瞼が重くなり、知らないうちに意識は遠のいた。
朝、バイキングの朝食を取りながら、今頃神谷くんは豪華な朝メシを食っているんだろうな、なんてぼんやりと想像する。
この仕事をやっている限り、大抵はこのパターン。豪華な朝メシには縁が無い。
午前のうちに2社を廻り、あとは午後もう1社廻れば東京に戻れる。
昼は定食屋で済ませ、担当者の時間に合わせて少しカフェで時間を潰す。
場所柄なのか、若い大学生風の客も多くて、俺は思わず好みのタイプを探してしまう。
テーブルに置かれたノートと教科書で、レポートに追われる学生か、と眼をやれば、その子も俺の視線が気になったのかこちらを見た。
染めた事の無い黒髪は、綺麗に天使の輪が現れている。太い眉も手入れはしていなさそうで、素朴な、それでいて顔立ちはカッコイイ。
鼻筋が通り、切れ長の目が印象的。俺が大学生なら声をかけるのにな…、なんて。
ほんの少しの間、絡んだ視線が俺にそんな事を想像させた。
「はい、俺。」
「あ、風呂だった?」
「うん、今出たところ。」
「そうか、ちゃんと頭拭けよ!?」
「ああ、拭いてる、、、ってか、子供か!…恵は?もう風呂はいった?」
「入ったよ。で、今から寝ようと思ってた。真琴がメールくれてたから、珍しいなって思ったんだ。仕事でドジったんじゃないのかと思ってさ~。」
恵の声が俺の耳に心地よい振動をくれて、ずっと聴いていたい心境だった。ドジった、なんて変な事心配させたのか…
「バカだな~、俺がやらかす訳ないだろ!明日も早いから、お前も寝ろよ。」
「うん、そうする。じゃあな、おやすみ。」
「おやすみ。」
暫くスマホの画面に眼を落とす。
離れる度に思う事。俺と恵を繋いでいるものは何だ!?
愛、だと言いたいけれど………
Tシャツと下穿きで、ベッドに潜り込んだ。
キッチリとメイクされたベッドシーツが身体に馴染むまでの間、資料に目を通す。
枕を抱えてうつ伏せで見ていると、自然に瞼が重くなり、知らないうちに意識は遠のいた。
朝、バイキングの朝食を取りながら、今頃神谷くんは豪華な朝メシを食っているんだろうな、なんてぼんやりと想像する。
この仕事をやっている限り、大抵はこのパターン。豪華な朝メシには縁が無い。
午前のうちに2社を廻り、あとは午後もう1社廻れば東京に戻れる。
昼は定食屋で済ませ、担当者の時間に合わせて少しカフェで時間を潰す。
場所柄なのか、若い大学生風の客も多くて、俺は思わず好みのタイプを探してしまう。
テーブルに置かれたノートと教科書で、レポートに追われる学生か、と眼をやれば、その子も俺の視線が気になったのかこちらを見た。
染めた事の無い黒髪は、綺麗に天使の輪が現れている。太い眉も手入れはしていなさそうで、素朴な、それでいて顔立ちはカッコイイ。
鼻筋が通り、切れ長の目が印象的。俺が大学生なら声をかけるのにな…、なんて。
ほんの少しの間、絡んだ視線が俺にそんな事を想像させた。
10
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる