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やっぱり変わってる

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「今夜の予定は?」と訊かれて黙っていると、中条さんは「4時になったらまた此処に来て。」という。

「は?.....なんで......」

 戸惑う俺に、カレは笑みを浮かべてその場から離れて行った。
見ると、客がレジ前で待っていて、接客の為に向かった様で。俺は気を取り直すと、お菓子とパンと昼用の弁当をカゴに放り込んで中条さんの居るレジに並ぶ。

「......2355円になります。」

 そう云われてお札を3枚取り出すと手渡した。

「645円のお返しです。」と云いながら、また俺の顔を見るとニコリと笑みを浮かべる中条さんに、「4時って何ですか?」と訊ねれば「対決場所はオレに任せて。そんで、今夜はご馳走するから。」という。

 なんだか訳が分からないが、予定もない俺は断る事も出来ずに了承すると「じゃあ、また来ます。」と云ってコンビニを出る。
袋を抱えながら、あの人に遭遇する事もあるだろうとは思ったが、こういう展開はどうなんだろうと、また頭の中が混乱してくる。

 対決ってなに?
料理を作れるって事は重要なのか?俺は最近やっと作れる様になって、トンちゃんの胃袋を掴むためにはどんどん覚えなきゃ、とは思っている。が、中条さんと対決する意味が分からない。でも、あの人の圧に負けてしまう俺は、仕方なく時計を確認して過ごす事になった。

 本当はトンちゃんと過ごすはずだった日曜日。
なのに、何故か中条さんに料理対決を申し込まれて、4時近くになるともう一度コンビニに向かう。


「ほんまに来た!」

 コンビニの入口で俺の顔を見ると、中条さんは目を見開いてそう云った。
----え、冗談だったのかよ

ちょっと不機嫌そうに見る俺に近寄って来ると、コンビニの制服から着替えて長い髪を降ろしバケツハットをかぶる中条さんの顔がにやける。

「ホントに料理対決なんかするんですか?」

 隣でニヤケ顔の中条さんに訊いた。入口から少し離れて店の壁に近寄ると、もう一度カレの顔を見る。

「するで~。.....そしたら行こか?」

 そう云いながら俺の前を歩く。
ハットから伸びて背中に掛る髪を見れば、女性だと思われそうな華奢な躰付き。今まで気付かなかったけど、公家の様な上品な顔立ちは黙っていれば美人なのかも。でも、横に並んで顔を見ながら話すとまるでそんな風には思えない。祐斗は顎の線も細くて、あんまり男っぽくはなかったけれど、中条さんは前から見ればちゃんと男だった。それに話し出せば見た目とのギャップに驚かされるほど、いわゆる変わった人、に見えた。

 そんな事を思いながら中条さんに付いて歩いていると、一件の店の前で立ち止まった。

「ここで対決や。」

 そう云うと、中条さんは店の横の路地に入って行く。

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