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添い寝してほしいです

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 俺が変な事を云ってしまったせいで空気が変わった気がする。
トンちゃんもあの日の記憶が蘇ったのか..........。暫く黙ったままだったが、「もう寝ようか、おやすみ」と云って寝返りをうった音がした。

 ぼんやりと見つめる先にトンちゃんの影を確認すると、俺の中の血が騒ぐ。こんなに近くに居るのに、指先すら触れる事が出来ない。この衝動を抑えなきゃいけないなんて、まるで地獄の火あぶりにでもあっているかの様だった。俺は身体を捻ると壁の方を向いた。

 ドクドクと鳴る心臓の音は、自分にしか聞こえていないと思うが、胸を押さえて鎮めようとした。聞かれるのは恥ずかしい。それに、トンちゃんにとっての俺は、もう無害だと認識されているのだろう。そうじゃなきゃ、自分を襲った甥っ子を泊めるはずがない。


 何度も寝返りをうちながら、必死に眠ろうとしたが無理だった。意識は完全にトンちゃんに向いていて、寝息すら愛おしいと思う俺はかなり病んでいる。
食事を作りに通いながら、徐々に距離を詰めていきたいと思っていたのに、今の俺はすでにトンちゃんの上に乗っかって服を剥ぎ取りたい衝動に駆られている。またあの日の再現はこりごりなのに.....。それに、今度こそ嫌われる。

 取り敢えず乾いた喉を潤したくて、身体を起こすとベッドから降りてキッチンの冷蔵庫に向かった。
コップに水を注ぎ一気に飲み干すと、少しだけ身体の熱も衝動も冷まされた気がした。

 そっとベッドに戻り横たわろうとした時。
「眠れないのか?」と声がする。

「ぁ、.....うん」

 トンちゃんを起こしてしまったか。

「他所の家で寝るのって寝付けないよな。オレも越してきた頃は中々眠れなくて、仕事が忙しくなって漸く頭が寝ようとしてくれて、眠れるようになった。ハルキも眠れないなら起きてテレビを観ていてもいいよ。」

「..........う、ん、...........ありがとう」

 トンちゃんはそんな事を云ったが、俺が眠れないのは単にいかがわしい事を考えてしまうからで。
なんか申し訳ない、と思う。

「トンちゃん、.......出来たらこっちで一緒に寝てくれない?」

「え?」

「変な事はしない、絶対に。なんか人の体温を感じたら眠れるかなって。.........ごめん、無理ならいいんだ、朝まで起きててもいいし。」

「...............」


 少し間を置くと、トンちゃんはゴソゴソと布団から抜け出してベッドに近寄って来た。

-----え、マジで寝てくれるの?

 変な期待が俺に宿ると、ホントにトンちゃんは俺の隣に身体を入れてくる。

「これで少しは安心できる?」

 俺に訊くと、ニコッと笑った気がした。
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