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楽しかった日々
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肩に祐斗の優しさが伝わる。
出会って3年。友人から親しい友人へ。そしてひょんな事から親友が恋人未満の関係になった。
恋人未満と云ってしまうのは俺の微かな抵抗か。トンちゃんへの恋心を募らせて、諦め切れない俺に祐斗がくれたもの。
セフレと云ってしまうには気持ちが入り過ぎているし、俺は祐斗の事も大好きだ。もし、トンちゃんへの気持ちを知らないままだったら、祐斗と付き合っていたのかもしれない。
「あっという間だったな、この3年。」
祐斗がそう云って俺の肩に凭れ掛かる。サラサラな髪が俺の頬に当たって、そっと掌で撫でた。こんな気持ちで撫でた事があっただろうか。愛おしくて、それでいて居なくなる事も受け入れられるような。離れていても何処か気持ちは繋がっていそうな気がする。
「祐斗が居てくれて俺は心強かったよ。.....多少振り回された感じはするけど。」
「ハハハ.....振り回した覚えは無いけどな。まあ、オレはトオルさんには敵わない。だから、ハルキがコテンパンに振られる事を祈るよ。」
「変な事祈らないでくれ。....だけど、俺はとことん伝えたいんだ。たとえ結果が出なくても、俺が諦めなきゃこの気持ちは持ち続けられる。祐斗には酷い事してると思う。祐斗のことは大好きだよ、これはホント。」
「分かってるよ、オレはハルキが好き。だからこうやってくっついてんだ。見返りは求めない主義だから安心して。」
「.....祐斗、ありがとう」
祐斗の背中に手を回すと、力一杯抱きしめた。
「さあ、せっかくだから風呂に入ろう。背中を洗ってやる。」
「え?」
祐斗はそういうと俺の手を解いて立ち上がる。仕方なく俺も立ち上がると、浴室に向かう祐斗に続いた。
二人で入ると狭いバスタブに浸かりながら、出会った頃の話に華が咲いた。
それから祐斗と互いの背中を洗いあって風呂から出る。髪を乾かし戯れるようにベッドで寝転んだ。
横たわり、俺の胸に顔を埋めて寝息を立てる祐斗。流石に今日は疲れたな。そう思って、俺も瞼を閉じた。
出会って3年。友人から親しい友人へ。そしてひょんな事から親友が恋人未満の関係になった。
恋人未満と云ってしまうのは俺の微かな抵抗か。トンちゃんへの恋心を募らせて、諦め切れない俺に祐斗がくれたもの。
セフレと云ってしまうには気持ちが入り過ぎているし、俺は祐斗の事も大好きだ。もし、トンちゃんへの気持ちを知らないままだったら、祐斗と付き合っていたのかもしれない。
「あっという間だったな、この3年。」
祐斗がそう云って俺の肩に凭れ掛かる。サラサラな髪が俺の頬に当たって、そっと掌で撫でた。こんな気持ちで撫でた事があっただろうか。愛おしくて、それでいて居なくなる事も受け入れられるような。離れていても何処か気持ちは繋がっていそうな気がする。
「祐斗が居てくれて俺は心強かったよ。.....多少振り回された感じはするけど。」
「ハハハ.....振り回した覚えは無いけどな。まあ、オレはトオルさんには敵わない。だから、ハルキがコテンパンに振られる事を祈るよ。」
「変な事祈らないでくれ。....だけど、俺はとことん伝えたいんだ。たとえ結果が出なくても、俺が諦めなきゃこの気持ちは持ち続けられる。祐斗には酷い事してると思う。祐斗のことは大好きだよ、これはホント。」
「分かってるよ、オレはハルキが好き。だからこうやってくっついてんだ。見返りは求めない主義だから安心して。」
「.....祐斗、ありがとう」
祐斗の背中に手を回すと、力一杯抱きしめた。
「さあ、せっかくだから風呂に入ろう。背中を洗ってやる。」
「え?」
祐斗はそういうと俺の手を解いて立ち上がる。仕方なく俺も立ち上がると、浴室に向かう祐斗に続いた。
二人で入ると狭いバスタブに浸かりながら、出会った頃の話に華が咲いた。
それから祐斗と互いの背中を洗いあって風呂から出る。髪を乾かし戯れるようにベッドで寝転んだ。
横たわり、俺の胸に顔を埋めて寝息を立てる祐斗。流石に今日は疲れたな。そう思って、俺も瞼を閉じた。
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