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空虚

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 祐斗と繋がってしまえば、後は本能に任せて互いの気持ちいい所を探す。

 風呂から出た俺たちは、ベッドの上にダイブすると激しくキスを交わして身体の線をなぞる様に弄り合う。
祐斗の尻に打ち付ける肉の弾ける音は、部屋の中に充満すると掠れた喘ぎ声と共に共鳴した。

 この行為をなんと呼べばいいのだろう。祐斗の事は好きだが、それが愛ではないと分かっている。
なのに、一夜の宿欲しさに祐斗の言葉を受けた俺は本当にバカだ。そして、これは祐斗を傷付ける事だと分かっているのに。

 シーツに大きくシミを作ると、俺の律動に合わせて背中を反らせながら祐斗がった。

 その後で、俺も祐斗に搾り取られる様にく。


 
 暫く微睡んだ後で、フッと顔を上げて時計を見た。午後7時45分。祐斗は俺の隣で身体を丸くすると爆睡している。裸のまま、タオルケットを掴んだ状態で眠る祐斗が可愛く見える。こうして見ると、さっきの妖艶さが嘘みたい。

 ベッドからそっと起き上がると、俺はもう一度浴室に行きシャワーを浴びる。

 祐斗の両親は今夜も遅いと云っていた。俺が知り合って、こうして泊まらせてもらうようになってから、ほとんど両親の姿を見る事はなかった。出会っても本当に遅い時間で、家庭的な雰囲気は感じない。
祐斗が人と距離が近いのは、寂しさからかもしれない。ある意味、俺もそうかも。でも、俺にはトンちゃんがいたから。寂しいとは感じなかったんだろうな。


 部屋に戻って適当に着替えをすると、祐斗の背中に手を伸ばした。
そっと撫でてみると、ピクっと肩甲骨が動く。それからゆっくり顔をこちらに向けて瞼が開いた。

「......ハルキ、......?起きてたの?」

「ううん。さっき起きてシャワーして来たとこ。祐斗ももう一度入ってこいよ。」

「............ん~、.....そうだね、なんかベトベトする。クローゼットにシーツ入ってるから変えといてくれる?」

「うん、分かった。」

 気だるそうに起き上がると、祐斗はシャワーを浴びに行くが、足元はまだふらついていた。

 シーツを剥ぎ取って丸めると床に置き、新しいシーツを広げてベッドを整えたが、ピシッと皺の無いシーツを見たら自分の中に広がる虚無感。

 さっきまで動物の様に貪り合っていたのに、まるで何もなかったかの様だった。




 
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