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奉仕
しおりを挟む浴室に入ると、祐斗はシャワーの湯を頭から浴びる。その後ろで突っ立ったままの俺は、どうしていいのか分からない。
シャンプーを手に取ると、それを髪の毛に広げて泡立てたが、俺の方を向いた祐斗が「髪の毛洗って」と云ってしゃがみ込んだ。
「え?.....ああ、うん。」
祐斗の背後で膝をたてると、髪の毛に指を絡めてワシャワシャと洗ってやる。
人の髪を洗ったのは初めて。形のいい頭部をなぞる様に洗っていくが、祐斗の髪は思ったより細くて絹糸の様だった。
「気持ちいい?」と訊くと、「うん、いいよ。」と頷く。
ひと通り洗った後でシャワーの湯をかけて流す。
祐斗の背中を伝って泡が流れ落ちると、艶やかに光りを放った肌の質感は柔い餅の様に感じた。
そっと背中に手を伸ばし、指の腹で感触を確かめた。
「リンスも」
俺の指を避ける様に、背中をずらすとそう云ってリンスのボトルを指差す祐斗。
俺は云われるまま従って、今度はリンスを髪の毛に撫でつけた。
サラッとして指どおりがよくて、いい匂いに包まれる。暫く手櫛で撫でつける様にすくと、またシャワーで流す。
「身体も洗う?」と、俺が訊くと、「うん、もちろん。」と云った。
今度はボディーシャンプーを海綿スポンジにとって泡立てると、それを祐斗の背中に擦りつける。
背中から腰、首筋、しゃがみ込んで足も綺麗に洗うと、祐斗の腰に手を掛けてこちらに向かせる。
俺の目前にあるのは、祐斗の男根で。それは少しだけ屹立しかけていた。
でも、俺はそのまま立ち上がると、首から胸にかけて擦っていく。腕や脇やへそも入念に円を描くように擦ると、祐斗の男根は更に頭をもたげてくる。そこを通り越すと、太ももから足先にスポンジを這わしていき、最後に祐斗の熱を帯びたものに手を伸ばすと、そのまま素手で擦り上げた。
「ぅっ、.....んっ.....」
堪らずに声が漏れる祐斗。鼻から甘い吐息を漏らすと、俺の手の中のものはどんどん硬さを増していく。
立ち上がると、祐斗の身体は俺にピッタリと貼りついた。
泡のせいで滑りが良くて、前にもこうして互いのものを扱き合った事があるが、今日の方が俺の興奮度は増している様に思う。
祐斗に身体を貸せと云われて、下僕の様に従っても、結局祐斗は俺の前で苦しいぐらいに恍惚の表情を見せる。主導権は自分にあると言いたげな唇で、俺のくちびるを覆ってしまえば、その後は貪る様にキスを交わすしかない。性急に身体を繋げたくて仕方のない祐斗。もう自分のものを抑えきれないのかもしれない。
俺は祐斗の孔に指をあてがうと、ゆっくりと入っていった。
蠢く肉壁が俺の指を呑み込む。キュンと絞められて、また緩むとそこにもう一本の指を指し込んだ。
「ぁ、っん......」
気持ちよさそうに、祐斗は目を瞑ると顎をあげた。
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