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代償は

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 授業が終わり、緊張しながらも祐斗に近付くと、俺の顔をチラリと横目で見ながら鞄を肩に下げて歩き出す。
その後ろについて行く俺は、いつもなら冗談の一つでも云いながら肩を並べるのに、今日は執事の様に祐斗に従った。


* * 

 バスに乗ると、一応母親にメールを送る。
昨夜の話が何処まで進んだのか知らないが、それを訊くのも怖くて、祐斗の家に泊る、とだけ打ち込んで送った。暫くすると母から返信が入る。そこには「分かった」とだけ。

 簡単な言葉は尚更怖い。俺のひと言で夫婦喧嘩になってしまい、父さんとトンちゃんの関係がバレたら....。
それこそ母さんを泣かせるつもりじゃないのに、と後悔した。
だけど、それももう遅い。一旦疑問を持てば次から次へと膨らむばかり。そうやって俺もトンちゃんたちの事を知る事となったのだから。

 祐斗はスマホを弄るだけで、俺に声を掛ける事もしなかった。ただ無言で、俺を試しているみたい。


 バスを降りてマンションまであと数分、という所で漸く祐斗が口を開く。

「帰るなら今だよ。今夜は両親も遅い日だからオレにはたっぷり時間があるけど、その分ハルキには辛いかも。」

 そんな事を云われるとちょっと怖くなるんだけど.....。


「だ、大丈夫だ。......今さら帰らないよ。母さんにもメール送ったし。」

「そ?.....ならいいけど。」

 祐斗は口角を上げると、くるりと背中を向けて歩き出す。


 マンションのドアを開けて中へ入って行くと、ダイニングテーブルの上に五千円札が置かれていた。

「五千円分の夕飯って、どんだけ食えってんだ。......」

 祐斗はお札をむしり取る様に掴んでポケットに入れると、自分の部屋に行ってしまう。

 後に付いて行った方がいいんだろうか。そう迷っていると、部屋の中から「ハルキ来て!」と呼ぶ声が。
ドアを開けて入って行くと、祐斗が服を脱ぎ捨てて全裸になっていた。

 俺は一瞬怯んでしまう。いきなり始めるのか?まだ全然そんな雰囲気もないのに.....。

「風呂、入ろうよ。お前も脱ぎな。」

「......ぁ、ああ」

 戸惑いながら云われた通りにシャツのボタンを外す。それを畳むと椅子の上に置いた。それからズボンと下着も脱ぐとそれも椅子の上に置く。
その間も祐斗はじっと黙ったまま。俺の様子を眺めて楽しんでいる様だった。

 二人で全裸になると、祐斗はそのまま浴室へと向かい俺も一緒に付いて行く。





  


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