はじめて恋をしました

麗蝶

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2. 予想外

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「佐藤さん!一週間ぶり!」

あれから約一週間後、例の授業終了後、私は高橋さんに話しかけられた。

「……一週間ぶりです、高橋さん」
「あのさ、プレゼンの調べものどのくらい終わった?」

プレゼンに向けた情報収集については、実はあのメッセージのやり取りで分担が決まってからすぐ開始したので、あとはもうまとめるだけになっていた。

「えっと……、ほぼ終わりました」
「早あっ⁉⁉」
高橋さんは目を見開いて驚いた。

「あっ…あの、私が都合上勝手に進めただけで、その、まだ本番まで2週間以上あるので急がなくて大丈夫ですよ?」
高橋さんの驚いた表情を見て、変なプレッシャーかけてしまったのではと心配になる。急かすつもりはなく、ただ、私はやること後に引きのばすと面倒なのでとっとと終わらせるタイプなのだ。

「いやいや、ただ単純にめっちゃ仕事早いなって驚いただけだよ!さすが佐藤さんだね」
彼は感心した表情を浮かべた。
「いいことだよ、だって一か月なんてあっという間に過ぎるし。今回はスライドまとめたり練習とかも必要じゃん?」
そして、彼は少し考えて
「うーん、そうだな……あと3日くらい待ってくれる?そしたらさ、一回集合して話し合おう?スライドどうやってまとめるかとか発表の練習とかはやっぱ直接会って話した方がいいと思う。」
と提案した。

「そうですね。確かに話し合う機会はあった方がいいですね。」
彼の提案に私はかなり納得した。ただ……
「えっと、その…全然あせらなくていいですからね?2週間以上はありますから」
さすがに急かすような状況になって私は申し訳なさを感じた。

「大丈夫大丈夫!じゃ、また終わったら連絡するね!」
彼は「よし、やるぞ」とでもいうようなやる気に満ちた表情を浮かべて去っていった。

積極的に進めてくれる人でほんと助かるな……。

***

ちょうど3日後くらいに高橋さんからメッセージが届いた。

『プレゼンのやつ調べ終わったよ!』

まさに有言実行。

『いつ集合しよう?俺的には今週の金曜日とかバイトないから5時限目のあと会えるけど…』

金曜日か、次の日は土日だし遅くなっても問題ないな。

『私も金曜日の5時限目のあと大丈夫です。』

『ありがとう!』

『どこに集合しますか?』

『佐藤さんって5時限目の授業教室どこ?』

『2階の大教室です』



『わかった!俺迎えに行くよ!』



……え⁉⁉⁉⁉⁉

ピコン。

『たかは』

予想もしてなかった返答に打ちかけのメッセージを送ってしまった。

迎えに来てくれんの? 私はそのありがたい提案を受け入れる。

『ありがとうございます。助かります。お願いします。あと、さっきのは文字打ち途中で送っちゃっただけなので気にしないでください。』

『わかった!(笑)』



「……ふぅ……」

集合の予定も決めて私は息をつく。
自分とはあまりにも違い過ぎると思っていた高橋さんは、結構真面目で頼りになる人で、気づいたら初めの頃の心配はどこかへ吹っ飛んでいた。

ピコン。

一区切りついて安心していた私に高橋さんはまた想定外のことを言い出した。

『相談が終わったら、ついでにご飯食べに行かない?』

は?

『せっかくの機会だから佐藤さんとも仲良くなりたいし、親睦会っていうことで!』


…………え?


―― つづく ――
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