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ラブラブカップルで大大大好きなはずの彼をキモいと思ってしまった話
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「芽衣ちゃん大好き♡」
「悠くん♡私も大好き♡」
私たちは付き合って1ヶ月の大学生カップル。結構ラブラブだと思う。
ただいま絶賛夜の電話中。
「あ~はやく芽衣ちゃんに会いたいな~。」
「私も~」
現在冬休み中で、私が遠方の実家に帰ってるため、デートができない。
だから毎日電話しているのだ。
「芽衣ちゃんともっと色んなところデートしたい」
「そうだよね、もっと会いたいし色んなところ行きたい」
学校がある時は毎日一緒に通学していたけど、テストとかが忙しかった関係でちゃんとしたデートは2回くらいしか行けていない。もっと長い時間過ごしたいのに。
私にとっても彼にとってもお互いに初カレ・初カノ同士。その日も電話で2人ともだいぶ舞い上がっていた。
彼は優しくて面白くて最高の彼氏だと思う。もともとは友達で、その時から居心地がよくて最高だった。向こうが告白して来た時はどんなに嬉しかったか。
でも…その時はやってきた。まさか私がそんなふうになるとは…
悠くんと「会えなくて寂しい」「大好き」と言い合っていた時だった。
彼は唐突に言った。
「俺さ、好きすぎて芽衣ちゃんに毎日寝る前お休みって言ってるんだよ」
寝る前?
「あ~電話切る時おやすみって言うよね」
「そうじゃなくてさ、寝る前に、芽衣ちゃんの顔を思い浮かべて、『芽衣ちゃん♡今日もお疲れ様♡かわいいね♡はやく会いたいね♡おやすみ♡チュッ♡』ってやるの」
……は?どういうことだ?
「えっと私……を思い浮かべて?」
「そうそう」
「架空の?」
「架空ってかそこにいるつもりで」
「私いないのに?」
「うん、そうだよ?」
「それでさっきみたいになんか『おやすみ♡チュッ♡』みたいな……?」
「うん♡」
……え、いや…………
(ゾッ)
なんかキモい!?!?!?
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい……
なんか気持ち悪いんですけど!?
私がいないところで何してんの!? 妄想?
怖っ……きもっ……
いや、まて、冷静になれ私。相手は大大大好きな恋人で、今こんな私のことを世界一愛してくれてる恋人だ。当たり前だろう。
しかし、どうしてもゾッとするのだ。
「芽衣ちゃん?どした?」
「あ……いや……」
変な間を空けてしまい私は焦る。
「……?」
向こうはなんだか不思議に思ってる様子だ。
一所懸命私は頭を回転させ、言葉をしぼりだした。
「わ、私のことそんな考えてくれてるんだね♡ありがとう♡私もやろーかなー?あははは(棒読み)」
そんなこと言ってる顔がひきつる。
「そうしてくれたら俺も嬉しい♡」
ホントにこの会話、電話でよかった。もし直接あってたらどうなってたことか。
彼はかっこよくてとてもいい人、大好きな人。
きっと、こんな、キモいと思ってしまったのは何かの間違いだ。一時的なものだ。
そう自分に言い聞かせ、その後の会話を交わし、その日の電話を終えた。
次の日になっても次の日になってもキモいという思いは消えず。さらには、冬休み明け顔を合わせた時もそれは変わらなかった。
耐えられなくて私は彼と別れた。
あんなに大好きだったのにどうして……
彼氏ができたことに舞い上がっていただけだろうか。
私はほんとうの意味で彼のことを愛してはなかったのだろうか。
今でもそれは分からないままだ。
~完~
「悠くん♡私も大好き♡」
私たちは付き合って1ヶ月の大学生カップル。結構ラブラブだと思う。
ただいま絶賛夜の電話中。
「あ~はやく芽衣ちゃんに会いたいな~。」
「私も~」
現在冬休み中で、私が遠方の実家に帰ってるため、デートができない。
だから毎日電話しているのだ。
「芽衣ちゃんともっと色んなところデートしたい」
「そうだよね、もっと会いたいし色んなところ行きたい」
学校がある時は毎日一緒に通学していたけど、テストとかが忙しかった関係でちゃんとしたデートは2回くらいしか行けていない。もっと長い時間過ごしたいのに。
私にとっても彼にとってもお互いに初カレ・初カノ同士。その日も電話で2人ともだいぶ舞い上がっていた。
彼は優しくて面白くて最高の彼氏だと思う。もともとは友達で、その時から居心地がよくて最高だった。向こうが告白して来た時はどんなに嬉しかったか。
でも…その時はやってきた。まさか私がそんなふうになるとは…
悠くんと「会えなくて寂しい」「大好き」と言い合っていた時だった。
彼は唐突に言った。
「俺さ、好きすぎて芽衣ちゃんに毎日寝る前お休みって言ってるんだよ」
寝る前?
「あ~電話切る時おやすみって言うよね」
「そうじゃなくてさ、寝る前に、芽衣ちゃんの顔を思い浮かべて、『芽衣ちゃん♡今日もお疲れ様♡かわいいね♡はやく会いたいね♡おやすみ♡チュッ♡』ってやるの」
……は?どういうことだ?
「えっと私……を思い浮かべて?」
「そうそう」
「架空の?」
「架空ってかそこにいるつもりで」
「私いないのに?」
「うん、そうだよ?」
「それでさっきみたいになんか『おやすみ♡チュッ♡』みたいな……?」
「うん♡」
……え、いや…………
(ゾッ)
なんかキモい!?!?!?
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい……
なんか気持ち悪いんですけど!?
私がいないところで何してんの!? 妄想?
怖っ……きもっ……
いや、まて、冷静になれ私。相手は大大大好きな恋人で、今こんな私のことを世界一愛してくれてる恋人だ。当たり前だろう。
しかし、どうしてもゾッとするのだ。
「芽衣ちゃん?どした?」
「あ……いや……」
変な間を空けてしまい私は焦る。
「……?」
向こうはなんだか不思議に思ってる様子だ。
一所懸命私は頭を回転させ、言葉をしぼりだした。
「わ、私のことそんな考えてくれてるんだね♡ありがとう♡私もやろーかなー?あははは(棒読み)」
そんなこと言ってる顔がひきつる。
「そうしてくれたら俺も嬉しい♡」
ホントにこの会話、電話でよかった。もし直接あってたらどうなってたことか。
彼はかっこよくてとてもいい人、大好きな人。
きっと、こんな、キモいと思ってしまったのは何かの間違いだ。一時的なものだ。
そう自分に言い聞かせ、その後の会話を交わし、その日の電話を終えた。
次の日になっても次の日になってもキモいという思いは消えず。さらには、冬休み明け顔を合わせた時もそれは変わらなかった。
耐えられなくて私は彼と別れた。
あんなに大好きだったのにどうして……
彼氏ができたことに舞い上がっていただけだろうか。
私はほんとうの意味で彼のことを愛してはなかったのだろうか。
今でもそれは分からないままだ。
~完~
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