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46.勇者と魔物狩り
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「じゃあ、行こっか」
ヒロが先頭になって街を出る。
みんなやる気である。
俺は、後ろからついて行き、あくまでも見守るという形で狩りに行く。
ヒロから聞いた話だと、一層から奥に行くにつれて出る魔物は反対の隣国側でもあまり変わらないらしい。
歩いていくと、アビットがいた。
「くっ!」
いたと思った瞬間にはヒロの元へ蹴りを放っていた。
何とか弾いているが、明らかに動きが速くなっている。これはたしかに、ワンランク上の強さになっているようだ。
何が影響しているのかまでは分からない。
魔物の王の影響じゃないかと言われてはいるが。
「ヒロ、油断するなよ?」
「分かってるよ!」
ナイフを切り払いアビットを吹き飛ばす。
再び襲ってきたところを真っ二つにする。
きちんと見ていればどうってことは無いんだが、最初の速度には目を見張る物があった。
マノシシ、ママカミなどもやはりスピードと攻撃の威力が上がっていた。
警戒していた為、特に問題なく倒すことが出来た。
みんな体も温まってきた。
二層に行きゴブリンを倒す。
苦戦することなく倒せた。
そのまま三層、四層へと行く。
途中馬のような魔物、マホースが群れで襲いかかってきて俺も手を出さざるを得ない状況になったが、それ以降は特に問題ない。
そして、遂に五層に来た。
殺気をばらまいて寄ってくるのを待つ。
エンオンが闘志むき出しで襲ってきた。
ショウが応戦する。
足に蹴りを叩き込み、負傷させる。
そこにヒロが首筋をナイフで切り裂き傷をおわせる。
アケミの光魔法も突き刺さりいい感じにいっていた。
が、そう上手くもいかなかった。
「ガァァァァァ!」
奥からライガーがやってきたのだ。
戦闘音を聞いてやって来たようだ。
コイツも好戦的だから。
「ちっ! コイツは俺がやる!」
ナイフに闇を纏い戦闘態勢に入る。
闇を長く長く。
俺もただ教えていた訳では無い。
よく分かっていない魔法を理解すべく、フルルに講義してもらったり、魔法を使いこなせるように色々と試していたのだ。
首元に潜り込み、闇の刃で挟むように斬る。
首が飛んでいく。
魔物も首が飛んでは活動できない。
ゾンビではない限りだが。
「ふぅ。Aランクはまだあんまり変わってないな……」
「変わってるから! そんなにすぐに倒せるのはテツだけだよ!?」
「そうか?」
「ボク達こんなにエンオンに苦戦したの初めてだもん」
「そういえば、ヒロって固有能力みたいなのあるのか?」
「あるよ。絶対切断ってやつ」
「恐えぇな」
「あはは。そうなんだよね。使いどころが難しくてさ。発動しちゃうと何でもかんでも斬っちゃうからさ……鍔迫り合い出来なかったりとかね。剣を斬っちゃって……」
「変なもん持ちやがって」
「ふふふっ。羨ましい?」
「いや、全く」
本当に全く羨ましくない上に俺は闇属性という自分に合った属性の魔法が使える。
もうそれだけで十分すぎるのだ。
「はっきり言い過ぎじゃない?」
「魔法は?」
「光属性だよ。魔力少ないからあんまり使えないけど」
「希少属性か。流石だな」
「そういうテツは?」
「闇属性」
「自分も希少属性じゃん」
「そうだが、なんか光属性って勇者っぽいよな」
「ボクも思ったけどさ……あっ。あれ、フェンリルのようなウェンリルじゃん」
視線の先には以前に逃げられていた銀の毛を纏った大きな狼のような魔物。
体制を低くしてこちらを見ている。
あれは、逃げる体制ではない。
戦うつもりのようだ。
「来るぞ!」
「ショウ、初撃受け止めてよ?」
「分かったぜ!」
筋肉を増大させて防御に備える。
盾とか持った方がいいのかもしれないが、ショウは自分には向いていないと言うから仕方がないのだ。
「ガルァァ!」
突進してきた。
「ぐぅぅぅ!」
突進してきたウェンリルを抑え込むショウ。
鼻を掴み、突進に耐えている。
「ナイス!」
ヒロがウェンリルの左の前足を切り裂くと、ギャンッと叫び声を上げて後退する。
足を切り裂いたことで勢いのある突進はもう無いだろう。
「ガァァ!」
切り裂かれていたい方の足で薙ぎ払ってくる。
上手く避けながら、カウンターで足を切り裂く。
「グルルルル」
「畳み掛けるよ!」
「おう!」
ショウとヒロは首の下に潜り込んでいく。
ショウは打ち上げを放ちウェンリルの首を上に向けて視界に入りやすくなった。
ここからはヒロの仕事。
「絶対切断!」
ズバンッ
ナイフで触れたところがスパッと斬れ、首が体から離れて落ちた。
「よしっ!」
「おらぁぁ! 見たかぁぁ!」
ウェンリルは強敵だったと思うが、上手く固有能力を使って倒したな。
何より、敵だと認識された事が一歩前に進んだことを指している。
それなのに、ものの数撃で倒した。
これはかなり大きい出来事ではないだろうか。
だが、忘れては行けないのが、固有能力だったから倒せたのだということ。
固有能力がなければどうなっていたか分からない。流石は勇者組といったところか。
ウェンリルの魔石と体全部を分けて持ち凱旋するのであった。
「アケミ達何も出来なかったねー」
「いいんじゃないでしょうかね」
ヒロが先頭になって街を出る。
みんなやる気である。
俺は、後ろからついて行き、あくまでも見守るという形で狩りに行く。
ヒロから聞いた話だと、一層から奥に行くにつれて出る魔物は反対の隣国側でもあまり変わらないらしい。
歩いていくと、アビットがいた。
「くっ!」
いたと思った瞬間にはヒロの元へ蹴りを放っていた。
何とか弾いているが、明らかに動きが速くなっている。これはたしかに、ワンランク上の強さになっているようだ。
何が影響しているのかまでは分からない。
魔物の王の影響じゃないかと言われてはいるが。
「ヒロ、油断するなよ?」
「分かってるよ!」
ナイフを切り払いアビットを吹き飛ばす。
再び襲ってきたところを真っ二つにする。
きちんと見ていればどうってことは無いんだが、最初の速度には目を見張る物があった。
マノシシ、ママカミなどもやはりスピードと攻撃の威力が上がっていた。
警戒していた為、特に問題なく倒すことが出来た。
みんな体も温まってきた。
二層に行きゴブリンを倒す。
苦戦することなく倒せた。
そのまま三層、四層へと行く。
途中馬のような魔物、マホースが群れで襲いかかってきて俺も手を出さざるを得ない状況になったが、それ以降は特に問題ない。
そして、遂に五層に来た。
殺気をばらまいて寄ってくるのを待つ。
エンオンが闘志むき出しで襲ってきた。
ショウが応戦する。
足に蹴りを叩き込み、負傷させる。
そこにヒロが首筋をナイフで切り裂き傷をおわせる。
アケミの光魔法も突き刺さりいい感じにいっていた。
が、そう上手くもいかなかった。
「ガァァァァァ!」
奥からライガーがやってきたのだ。
戦闘音を聞いてやって来たようだ。
コイツも好戦的だから。
「ちっ! コイツは俺がやる!」
ナイフに闇を纏い戦闘態勢に入る。
闇を長く長く。
俺もただ教えていた訳では無い。
よく分かっていない魔法を理解すべく、フルルに講義してもらったり、魔法を使いこなせるように色々と試していたのだ。
首元に潜り込み、闇の刃で挟むように斬る。
首が飛んでいく。
魔物も首が飛んでは活動できない。
ゾンビではない限りだが。
「ふぅ。Aランクはまだあんまり変わってないな……」
「変わってるから! そんなにすぐに倒せるのはテツだけだよ!?」
「そうか?」
「ボク達こんなにエンオンに苦戦したの初めてだもん」
「そういえば、ヒロって固有能力みたいなのあるのか?」
「あるよ。絶対切断ってやつ」
「恐えぇな」
「あはは。そうなんだよね。使いどころが難しくてさ。発動しちゃうと何でもかんでも斬っちゃうからさ……鍔迫り合い出来なかったりとかね。剣を斬っちゃって……」
「変なもん持ちやがって」
「ふふふっ。羨ましい?」
「いや、全く」
本当に全く羨ましくない上に俺は闇属性という自分に合った属性の魔法が使える。
もうそれだけで十分すぎるのだ。
「はっきり言い過ぎじゃない?」
「魔法は?」
「光属性だよ。魔力少ないからあんまり使えないけど」
「希少属性か。流石だな」
「そういうテツは?」
「闇属性」
「自分も希少属性じゃん」
「そうだが、なんか光属性って勇者っぽいよな」
「ボクも思ったけどさ……あっ。あれ、フェンリルのようなウェンリルじゃん」
視線の先には以前に逃げられていた銀の毛を纏った大きな狼のような魔物。
体制を低くしてこちらを見ている。
あれは、逃げる体制ではない。
戦うつもりのようだ。
「来るぞ!」
「ショウ、初撃受け止めてよ?」
「分かったぜ!」
筋肉を増大させて防御に備える。
盾とか持った方がいいのかもしれないが、ショウは自分には向いていないと言うから仕方がないのだ。
「ガルァァ!」
突進してきた。
「ぐぅぅぅ!」
突進してきたウェンリルを抑え込むショウ。
鼻を掴み、突進に耐えている。
「ナイス!」
ヒロがウェンリルの左の前足を切り裂くと、ギャンッと叫び声を上げて後退する。
足を切り裂いたことで勢いのある突進はもう無いだろう。
「ガァァ!」
切り裂かれていたい方の足で薙ぎ払ってくる。
上手く避けながら、カウンターで足を切り裂く。
「グルルルル」
「畳み掛けるよ!」
「おう!」
ショウとヒロは首の下に潜り込んでいく。
ショウは打ち上げを放ちウェンリルの首を上に向けて視界に入りやすくなった。
ここからはヒロの仕事。
「絶対切断!」
ズバンッ
ナイフで触れたところがスパッと斬れ、首が体から離れて落ちた。
「よしっ!」
「おらぁぁ! 見たかぁぁ!」
ウェンリルは強敵だったと思うが、上手く固有能力を使って倒したな。
何より、敵だと認識された事が一歩前に進んだことを指している。
それなのに、ものの数撃で倒した。
これはかなり大きい出来事ではないだろうか。
だが、忘れては行けないのが、固有能力だったから倒せたのだということ。
固有能力がなければどうなっていたか分からない。流石は勇者組といったところか。
ウェンリルの魔石と体全部を分けて持ち凱旋するのであった。
「アケミ達何も出来なかったねー」
「いいんじゃないでしょうかね」
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