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18.ゴブリンの村発見
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「それじゃあ、さっきのことを踏まえてゴブリンを狩っていくぞ」
「「「はい!」」」
言っておこうと思ったことがあり、スッと手を挙げてみる。
「はい! テツ!」
指を指して当ててくる。
教育者みたいだな。
「あのー。さっきの狩りは悪いところだけじゃなかった。最初の石を使って一体を近くまで誘導した。あれは、初手としてはとても良かったと思う」
「「「有難う御座います!」」」
本当に素直な子達だな。
俺も前世の最後の方は部下の育成を任されていたな。
この子達とは違う。機械的な、無機質な子供に教えていた。
俺も孤児だが、彼等も孤児だったのだろう。
この子達は心がある。
前世の教えてた孤児達の方が心にはポッカリと穴が空いていた気がする。
数日居てわかったが周りの人達が温かいのだ。
こんな人達に囲まれているからこういう子達に成長するのではないだろうか。
「ハッハッハッ! テツが褒めるってなぁ滅多にねぇぞ? 良かったな!」
ジンさんが自分の事のようにはしゃいでいる。
ジンさんを褒めた訳ではなくて、この暁を褒めたんだが。
自分の目にかけている子が褒められたら嬉しいだろう。
「では、次は俺が先頭で行きます」
なるべく音をたてない様に進む。
二層の隣国側に近くなってきた。
かなり深い所に来ていた。
「暁は自分達だけの時は、こんなに深くまで来るんじゃねぇぞ?」
「こんなに深くなんて恐くて来れませんよ」
何がそんなに恐いのだろうか。
何か強い魔物でも出るのか?
疑問に思いながら進んでいると、視線の先に集落のようなものが見えた。
ピタッと止まって手を挙げて静止することを示す。
ジンさんが小声で聞いてくる。
「テツ、どうした?」
「見えますか? あそこに集落のようなものがあります」
ジンさんも目を凝らしている。
そして、顔を曇らせた。
なにかマズイのか?
「ありゃ村ができてるじゃねぇか。下手したら、ゴブリンキングが誕生してるかもしれねぇ」
「ゴブリンキング? 強いんですか?」
「ランク的にはBランクだ。けど、村の討伐となるとAランクパーティーに依頼する案件だな」
「なるほど……撤退しましょう」
ここは撤退した方がいい。
Eランクの冒険者ばかりの今の状況では、それが最善だろう。
体制を建て直して来た方がいい。
「流石だな。判断が早い」
撤退しようとゴブリンの集落を観察しながら、見つからないように後ろに進んでいると。
「あっ! 人が! 女の人が連れていかれた!」
ダンが大きな声を出す。
ダンは普段から声が大きい。
驚いた今は、普段よりも大きな声が出てしまったようだ。
これだけ大きな声を出した場合。
気づかれた可能性が高いが。
「腰を低くして隠れろ」
指示を出して腰を低くする。
あちらから見えないようにする。
様子を見に来る気配はない。
「あの人助けましょうよ!」
「ダメだ。お前達でははが立たねぇ。ここは撤退だ」
ジンさんが気持ちを沈めるように、静かにそして残酷に告げる。
「嫌です! 俺は、人を見捨てるために冒険者になったんじゃないんです! 人を守るために冒険者になったんです!」
「それは、俺もっすねぇ。ダメ元でも助けたいっす」
「私も……助けたい……きっと……酷い目にあう……嫌」
若いな。総合的に考えてここは撤退一択。
俺達が犠牲になっても助けれるかは分からない。
ジンさんを見ると、目が合った。
どうする?と問いかけているようだ。
首を振る。撤退した方がいい。
ジンさん、あなたの目にかけた子達がここで終わっていいのか?
俺の仕草を見ると目を瞑りしばらく考える。
再び暁の三人に問いかけた。
「無理矢理撤退させると言ったらどうする?」
「切り伏せてでも押し通ります」
ふむ。無謀なのは分かった上で、自分が納得出来ないことはしたくない。
それならば、死んだ方がマシだと言うことか。
彼らはなぜそこまでして他人を救う事に命をかけるのだろう。
後で話を聞いてみたいな。
その情熱はどこから来るのか。
若いだけではないだろう。
何か核となる物がある。
「なにぃ? おれを────」
「わかった。助けに行こう」
俺は気が付いたら了承してしまっていた。
彼等の情熱に当てられたようだ。
俺もまだまだだな。
「おい! コイツらを殺す気か!?」
「いえ。助けに行くには条件がある」
暁の三人を見つめてそう宣言する。
「条件?」
「そう。率直に言う。この救出作戦には君達は足でまといだ。だから、ここで待っててもらう」
「なっ!?」
「行くのは、ジンさんと俺だけだ」
「そんな!」
「この条件がのめないなら、あの人は見捨てて撤退だ」
しばらくの沈黙の後、ダンが口を開いた。
「……わかりました。俺達はここで身を潜めています」
「それでいい。ジンさん、行きますよ?」
「ったく! めんどくせぇ」
「後輩達に良いとこ見せるいい機会ですよ?」
「はっ!」
ジンさんは鼻で笑いニコニコしている。
いい所を見せたいようだ。
ゴブリンの村程度、どうとでもなるが、問題は攫われた人だ。
「で? 何か作戦は?」
「それなんですが、ちょっと賭けなんですけど、俺が魔法で中に潜入しようかなと……」
「魔法使えるようになったのか?」
「自分の意思ではまだ使った事ないんですけど、使った時の感覚は残ってるんで、行けると思います」
「ったく。どいつもこいつも危なっかしいぜぇ!」
呆れたように話すが顔がニヤリと笑っている。
信頼はされているようだ。
ゴブリンの村落としを始める。
「「「はい!」」」
言っておこうと思ったことがあり、スッと手を挙げてみる。
「はい! テツ!」
指を指して当ててくる。
教育者みたいだな。
「あのー。さっきの狩りは悪いところだけじゃなかった。最初の石を使って一体を近くまで誘導した。あれは、初手としてはとても良かったと思う」
「「「有難う御座います!」」」
本当に素直な子達だな。
俺も前世の最後の方は部下の育成を任されていたな。
この子達とは違う。機械的な、無機質な子供に教えていた。
俺も孤児だが、彼等も孤児だったのだろう。
この子達は心がある。
前世の教えてた孤児達の方が心にはポッカリと穴が空いていた気がする。
数日居てわかったが周りの人達が温かいのだ。
こんな人達に囲まれているからこういう子達に成長するのではないだろうか。
「ハッハッハッ! テツが褒めるってなぁ滅多にねぇぞ? 良かったな!」
ジンさんが自分の事のようにはしゃいでいる。
ジンさんを褒めた訳ではなくて、この暁を褒めたんだが。
自分の目にかけている子が褒められたら嬉しいだろう。
「では、次は俺が先頭で行きます」
なるべく音をたてない様に進む。
二層の隣国側に近くなってきた。
かなり深い所に来ていた。
「暁は自分達だけの時は、こんなに深くまで来るんじゃねぇぞ?」
「こんなに深くなんて恐くて来れませんよ」
何がそんなに恐いのだろうか。
何か強い魔物でも出るのか?
疑問に思いながら進んでいると、視線の先に集落のようなものが見えた。
ピタッと止まって手を挙げて静止することを示す。
ジンさんが小声で聞いてくる。
「テツ、どうした?」
「見えますか? あそこに集落のようなものがあります」
ジンさんも目を凝らしている。
そして、顔を曇らせた。
なにかマズイのか?
「ありゃ村ができてるじゃねぇか。下手したら、ゴブリンキングが誕生してるかもしれねぇ」
「ゴブリンキング? 強いんですか?」
「ランク的にはBランクだ。けど、村の討伐となるとAランクパーティーに依頼する案件だな」
「なるほど……撤退しましょう」
ここは撤退した方がいい。
Eランクの冒険者ばかりの今の状況では、それが最善だろう。
体制を建て直して来た方がいい。
「流石だな。判断が早い」
撤退しようとゴブリンの集落を観察しながら、見つからないように後ろに進んでいると。
「あっ! 人が! 女の人が連れていかれた!」
ダンが大きな声を出す。
ダンは普段から声が大きい。
驚いた今は、普段よりも大きな声が出てしまったようだ。
これだけ大きな声を出した場合。
気づかれた可能性が高いが。
「腰を低くして隠れろ」
指示を出して腰を低くする。
あちらから見えないようにする。
様子を見に来る気配はない。
「あの人助けましょうよ!」
「ダメだ。お前達でははが立たねぇ。ここは撤退だ」
ジンさんが気持ちを沈めるように、静かにそして残酷に告げる。
「嫌です! 俺は、人を見捨てるために冒険者になったんじゃないんです! 人を守るために冒険者になったんです!」
「それは、俺もっすねぇ。ダメ元でも助けたいっす」
「私も……助けたい……きっと……酷い目にあう……嫌」
若いな。総合的に考えてここは撤退一択。
俺達が犠牲になっても助けれるかは分からない。
ジンさんを見ると、目が合った。
どうする?と問いかけているようだ。
首を振る。撤退した方がいい。
ジンさん、あなたの目にかけた子達がここで終わっていいのか?
俺の仕草を見ると目を瞑りしばらく考える。
再び暁の三人に問いかけた。
「無理矢理撤退させると言ったらどうする?」
「切り伏せてでも押し通ります」
ふむ。無謀なのは分かった上で、自分が納得出来ないことはしたくない。
それならば、死んだ方がマシだと言うことか。
彼らはなぜそこまでして他人を救う事に命をかけるのだろう。
後で話を聞いてみたいな。
その情熱はどこから来るのか。
若いだけではないだろう。
何か核となる物がある。
「なにぃ? おれを────」
「わかった。助けに行こう」
俺は気が付いたら了承してしまっていた。
彼等の情熱に当てられたようだ。
俺もまだまだだな。
「おい! コイツらを殺す気か!?」
「いえ。助けに行くには条件がある」
暁の三人を見つめてそう宣言する。
「条件?」
「そう。率直に言う。この救出作戦には君達は足でまといだ。だから、ここで待っててもらう」
「なっ!?」
「行くのは、ジンさんと俺だけだ」
「そんな!」
「この条件がのめないなら、あの人は見捨てて撤退だ」
しばらくの沈黙の後、ダンが口を開いた。
「……わかりました。俺達はここで身を潜めています」
「それでいい。ジンさん、行きますよ?」
「ったく! めんどくせぇ」
「後輩達に良いとこ見せるいい機会ですよ?」
「はっ!」
ジンさんは鼻で笑いニコニコしている。
いい所を見せたいようだ。
ゴブリンの村程度、どうとでもなるが、問題は攫われた人だ。
「で? 何か作戦は?」
「それなんですが、ちょっと賭けなんですけど、俺が魔法で中に潜入しようかなと……」
「魔法使えるようになったのか?」
「自分の意思ではまだ使った事ないんですけど、使った時の感覚は残ってるんで、行けると思います」
「ったく。どいつもこいつも危なっかしいぜぇ!」
呆れたように話すが顔がニヤリと笑っている。
信頼はされているようだ。
ゴブリンの村落としを始める。
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