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2.アリーの家
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「ただいまぁ! お母さん、この人テツさんっていうんだけど、マノシシに出くわして襲われそうになっていたところを助けてくれたの! お礼をしたいからお招きしたんだ!」
中に入ったアリーを出迎えたのは見た目が凄く若い女性であった。
アリーと同じ金髪で肩ぐらいの長さで、背格好は同じくらい。
「あら、そうなの? すみませんでしたねぇ。有難うございます。どうぞ中へお上がりくださいな」
「このマノシシはどうしたらいい?」
肩に担いでいたマノシシを指さして聞くと。
目を見開いて驚いた様子でマリーのお母さんが答える。
「あらあら、持ってきてくれたのねぇ。捌ければいいのだけれど」
「何か捌く用の、ナイフとかあるだろうか? 俺が捌こう」
「捌けるの? それじゃあ、裏でお願いしようかしら」
「うむ。了解した」
家の裏に向かうと少し庭のようになっていて井戸がある。
この街は全体的に木造の住宅のようでログハウスのような家が並んでいる感じである。
街を囲む壁がレンガで頑丈にできているといった感じである。
だが、排水に関しては水路が確立されていてそこに流して何処かに運んでいくようだ。
裏の排水の近くで捌き始める。
井戸から水を組んで、血抜きをしながら洗い流して捌いていく。
サバイバル訓練は殺し屋の仕事の合間に訓練していた。
山籠りして一ヶ月の間山で獲物を狩ったりして生活していたのだ。
マノシシを捌くのもお手の物である。
「ん?」
なんか見たことが無いものがあるな。
赤い玉のようなものが胸に埋め込まれている。
取り出して太陽に翳して見てみる。
怪訝な顔をして玉を見ていると、アリーがやって来た。
「テツさん、魔石がどうかしました?」
「ほぉ。これは魔石というのか?」
「あれ? 知りませんでした? ホントにどこから来たんですか?」
「それは、俺にもわからんのだ」
俺の答えに余計混乱したことだろう。
アリーは首を傾げて頭の上にはハテナがいっぱい浮いている。
「自分でも分からないんですか?」
「そうだな」
そう返事をした頃にようやく部位ごとに分け終えた。
「できたぞ」
「わぁー! テツさんって綺麗に捌くんですねぇ! こんなに色んな部位に別れてるの見た事ないですよ!」
両手を胸の前で合わせて感激したという意思表示だろうか。ピョンピョンと飛び跳ねている。
跳ねることで合わせてブルンブルンしている所があるが見なかったとこにしよう。
「これ。いらない部分なんだが」
「あっ、はい! ここに入れてください!」
指さしたところには大きいドラム缶のような物が置いてあった。
その中にいらない、部位を入れる。
そして何やらドラム缶にアリーが手をついている。
手から何か得体の知れないパワーが出るのを感じた。
すると、ドラム缶のような物の中が青白く光を放ち、中身が消えたのだった。
「何をしたんだ!? 今のは、なんの力だ?」
「えぇっ!? テツさん、魔力も知らないんですか!?」
「魔力……わからんな」
この世界から来て、魔力と言われてピンと来るのは元の世界の転生物小説を読んだりしている者達だけだろう。
当然、テツは知るはずもなく。
首を傾げていた。
「まぁ、魔力使わなくてもテツさんは強いですもんね。あっ、魔法なら冒険者ギルドで教えてくれるみたいですよ!」
「魔法……そうか。有難う」
よくわからないが返事をしてしまった。
魔法とはなんのことなのか。
後でギルドとやらで尋ねてみよう。
ギュルルルルル
「あっ! お肉持って行ってお母さんに焼いてもらいましょ!」
肉のブロックを持っていくと切って焼いてくれるようにお願いしている。
頼まれたお母さんは肉を薄くスライスして行く。残った物はサイコロ状に切っている。
「テツさん、そこに座っててください! 今飲み物持っていきますね!」
井戸水で汲んできたものであろう水が注がれたコップと何やら味噌汁のようなものが運ばれてきた。
それをジィッと見ていると、アリーが笑いだした。
「はははっ! もしかしてそれもわからないですか?」
「これは味噌か?」
「なぁんだぁ! 分かってるんじゃないですか! 記憶喪失なのかと心配してたんですよぉ?」
味噌が存在するのか?
なぜこんな異世界に味噌が?
「なぜ味噌が?」
「ん? 一ヶ月に一回は商店で買ってくるんですよぉ」
「いや、味噌は何処から来たんだ?」
「えぇ? 何処って、隣の国の特産物?っていうか……隣の国が異世界からの勇者召喚とか何年かに一回やってて、徐々にこの世界にも異世界の食べ物が広まったって言われてるんですよ。それは忘れちゃったんですか?」
「あ、あぁ、そうだったな。すまんすまん」
「もう! あっ! 出来たみたいです! 持ってきますね!」
アリーのお母さんが作ってくれたのはマノシシの生姜焼きとサイコロステーキだった。
一緒に添えられたのはパンと豆の水煮である。
主食は米では無いのだな。
まぁ、俺も米は食べてなかったからちょうど良かったな。
前にこの世界に来た者達は筋肉を作る事に意識を向けていたのかもしれないな。
そう思いながらパクッとひと口食べると、タレがまた美味かった。
「んっ! 美味いな」
「あらそう? それは嬉しいわぁ!」
「お母さんの料理美味しいですよね!?」
アリーが嬉しそうに聞いてくる。
自分の母親の料理が褒められて嬉しいのだろう。
「ああ。美味いよ。沢山食べてしまいそうだ」
「いっぱい食べてくださいよ! マノシシはテツさんが狩った獲物なんですから!」
ガツガツ食べてしまい、すぐ無くなった。
こんなに良くしてもらっていいんだろうか。
何か礼をしないとな。
中に入ったアリーを出迎えたのは見た目が凄く若い女性であった。
アリーと同じ金髪で肩ぐらいの長さで、背格好は同じくらい。
「あら、そうなの? すみませんでしたねぇ。有難うございます。どうぞ中へお上がりくださいな」
「このマノシシはどうしたらいい?」
肩に担いでいたマノシシを指さして聞くと。
目を見開いて驚いた様子でマリーのお母さんが答える。
「あらあら、持ってきてくれたのねぇ。捌ければいいのだけれど」
「何か捌く用の、ナイフとかあるだろうか? 俺が捌こう」
「捌けるの? それじゃあ、裏でお願いしようかしら」
「うむ。了解した」
家の裏に向かうと少し庭のようになっていて井戸がある。
この街は全体的に木造の住宅のようでログハウスのような家が並んでいる感じである。
街を囲む壁がレンガで頑丈にできているといった感じである。
だが、排水に関しては水路が確立されていてそこに流して何処かに運んでいくようだ。
裏の排水の近くで捌き始める。
井戸から水を組んで、血抜きをしながら洗い流して捌いていく。
サバイバル訓練は殺し屋の仕事の合間に訓練していた。
山籠りして一ヶ月の間山で獲物を狩ったりして生活していたのだ。
マノシシを捌くのもお手の物である。
「ん?」
なんか見たことが無いものがあるな。
赤い玉のようなものが胸に埋め込まれている。
取り出して太陽に翳して見てみる。
怪訝な顔をして玉を見ていると、アリーがやって来た。
「テツさん、魔石がどうかしました?」
「ほぉ。これは魔石というのか?」
「あれ? 知りませんでした? ホントにどこから来たんですか?」
「それは、俺にもわからんのだ」
俺の答えに余計混乱したことだろう。
アリーは首を傾げて頭の上にはハテナがいっぱい浮いている。
「自分でも分からないんですか?」
「そうだな」
そう返事をした頃にようやく部位ごとに分け終えた。
「できたぞ」
「わぁー! テツさんって綺麗に捌くんですねぇ! こんなに色んな部位に別れてるの見た事ないですよ!」
両手を胸の前で合わせて感激したという意思表示だろうか。ピョンピョンと飛び跳ねている。
跳ねることで合わせてブルンブルンしている所があるが見なかったとこにしよう。
「これ。いらない部分なんだが」
「あっ、はい! ここに入れてください!」
指さしたところには大きいドラム缶のような物が置いてあった。
その中にいらない、部位を入れる。
そして何やらドラム缶にアリーが手をついている。
手から何か得体の知れないパワーが出るのを感じた。
すると、ドラム缶のような物の中が青白く光を放ち、中身が消えたのだった。
「何をしたんだ!? 今のは、なんの力だ?」
「えぇっ!? テツさん、魔力も知らないんですか!?」
「魔力……わからんな」
この世界から来て、魔力と言われてピンと来るのは元の世界の転生物小説を読んだりしている者達だけだろう。
当然、テツは知るはずもなく。
首を傾げていた。
「まぁ、魔力使わなくてもテツさんは強いですもんね。あっ、魔法なら冒険者ギルドで教えてくれるみたいですよ!」
「魔法……そうか。有難う」
よくわからないが返事をしてしまった。
魔法とはなんのことなのか。
後でギルドとやらで尋ねてみよう。
ギュルルルルル
「あっ! お肉持って行ってお母さんに焼いてもらいましょ!」
肉のブロックを持っていくと切って焼いてくれるようにお願いしている。
頼まれたお母さんは肉を薄くスライスして行く。残った物はサイコロ状に切っている。
「テツさん、そこに座っててください! 今飲み物持っていきますね!」
井戸水で汲んできたものであろう水が注がれたコップと何やら味噌汁のようなものが運ばれてきた。
それをジィッと見ていると、アリーが笑いだした。
「はははっ! もしかしてそれもわからないですか?」
「これは味噌か?」
「なぁんだぁ! 分かってるんじゃないですか! 記憶喪失なのかと心配してたんですよぉ?」
味噌が存在するのか?
なぜこんな異世界に味噌が?
「なぜ味噌が?」
「ん? 一ヶ月に一回は商店で買ってくるんですよぉ」
「いや、味噌は何処から来たんだ?」
「えぇ? 何処って、隣の国の特産物?っていうか……隣の国が異世界からの勇者召喚とか何年かに一回やってて、徐々にこの世界にも異世界の食べ物が広まったって言われてるんですよ。それは忘れちゃったんですか?」
「あ、あぁ、そうだったな。すまんすまん」
「もう! あっ! 出来たみたいです! 持ってきますね!」
アリーのお母さんが作ってくれたのはマノシシの生姜焼きとサイコロステーキだった。
一緒に添えられたのはパンと豆の水煮である。
主食は米では無いのだな。
まぁ、俺も米は食べてなかったからちょうど良かったな。
前にこの世界に来た者達は筋肉を作る事に意識を向けていたのかもしれないな。
そう思いながらパクッとひと口食べると、タレがまた美味かった。
「んっ! 美味いな」
「あらそう? それは嬉しいわぁ!」
「お母さんの料理美味しいですよね!?」
アリーが嬉しそうに聞いてくる。
自分の母親の料理が褒められて嬉しいのだろう。
「ああ。美味いよ。沢山食べてしまいそうだ」
「いっぱい食べてくださいよ! マノシシはテツさんが狩った獲物なんですから!」
ガツガツ食べてしまい、すぐ無くなった。
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