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48.リアルで稽古3
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厳しい稽古をしてもらって数日後、明後日の大会に向けて最後の追い込みをしてた所であった。
「始め!」
「ハッ!」
開始の合図が出た所で俺は拳を突き出して演舞を始める。
空気がピンと張り詰めている。
ゆっくりと舞う演舞は他の人がみたら最初に来た時より鋭く、人を魅了するようなものに映ったことだろう。
「ふーっ」
一旦自然体になり、呼吸を整える。
頭を下げて終わりというケジメ。
演舞が終わると次は組手である。
「私が相手をしよう」
出てきたのは十色さんである。
「お願いします」
中央へ向かい合い、お互いに礼をする。
「始め!」
「「フッ!」」
互いの突きがぶつかり合う。
バチィッッ!
俺は少し下がる、すると十色さんが前に攻めてくる。
「シィッ!」
俺は牽制も含めて前蹴りを放つ。
これで少し攻めにくくなるんじゃないかと思うんだが。
これには下がってよけ、逆に十色さんが前蹴りで攻めてきた。
パシィッ!!
「ハァァッ!」
前蹴りを左手で弾き、弾いた勢いを利用して回し蹴りを放つ。
ドスッ!
結構体重がのった蹴りを放った。十色がグラつくが、ガードしていたためダメージはない。
それどころか、俺の攻撃を利用された。
受けた勢いで、回転しながら放つ裏拳が迫っていた。
「セリァッ! 」
咄嗟に上半身を反らして躱す。
「フッ!」
バキッ!
仰け反った体勢から放った上段蹴りが十色さんの首筋に当たる。
ズシャァァ
十色さんが吹き飛んだ。
なんだか嬉しそうな顔を見せながらも立ち上がってこちらに迫ってきた。
「クソッ! 久しぶりにまともに喰らったわ!」
悔しがる十色さん。その言葉とは裏腹に獰猛な表情を浮かべる。
「そこまで!」
ストップの声に残念そうな十色さん。まだこれからという所だったからだろう。
お互い中央で再度礼をする。
「ありがとうございました」
俺が礼を言うと十色さんが激励をしてくれた。
「私に蹴りを当てたんだ。負けは許されないよ」
「はい!」
怒涛の最後の追い込みはこれで終わった。
地方大会の予選が明後日から始まる。
いつもの様に送られて家に帰ると両親が出迎えてくれた。
「「おかえりー!」」
「明日は休むんだろう?」
父がそう質問してくる。
「稽古はね。日課は変わらずにやるよ」
「あら、そうなの? 明日くらい休んでも良いだろうに」
母はそういうが、日課というものは毎日やって意味があると俺は考えている。それは十蔵さんと十色さんを見ていてそう思ったのだ。
もっと鍛錬しないとあの人達には追いつけない。そして、追い越せない。俺はあの人達を追い抜きたい。
「毎日やらないとダメなんだ」
そう言うとシャワーを浴びに風呂に向かった。
シャワーを浴びながら久しぶりの休暇を何するか考える。
なにしようかなぁ。って言っても結局CWOやっちゃうんだけどなぁ。
シャワーを終えると家族みんなで夜ご飯を食べる。
そして、疲れを癒すために泥のように眠るのであった。
「始め!」
「ハッ!」
開始の合図が出た所で俺は拳を突き出して演舞を始める。
空気がピンと張り詰めている。
ゆっくりと舞う演舞は他の人がみたら最初に来た時より鋭く、人を魅了するようなものに映ったことだろう。
「ふーっ」
一旦自然体になり、呼吸を整える。
頭を下げて終わりというケジメ。
演舞が終わると次は組手である。
「私が相手をしよう」
出てきたのは十色さんである。
「お願いします」
中央へ向かい合い、お互いに礼をする。
「始め!」
「「フッ!」」
互いの突きがぶつかり合う。
バチィッッ!
俺は少し下がる、すると十色さんが前に攻めてくる。
「シィッ!」
俺は牽制も含めて前蹴りを放つ。
これで少し攻めにくくなるんじゃないかと思うんだが。
これには下がってよけ、逆に十色さんが前蹴りで攻めてきた。
パシィッ!!
「ハァァッ!」
前蹴りを左手で弾き、弾いた勢いを利用して回し蹴りを放つ。
ドスッ!
結構体重がのった蹴りを放った。十色がグラつくが、ガードしていたためダメージはない。
それどころか、俺の攻撃を利用された。
受けた勢いで、回転しながら放つ裏拳が迫っていた。
「セリァッ! 」
咄嗟に上半身を反らして躱す。
「フッ!」
バキッ!
仰け反った体勢から放った上段蹴りが十色さんの首筋に当たる。
ズシャァァ
十色さんが吹き飛んだ。
なんだか嬉しそうな顔を見せながらも立ち上がってこちらに迫ってきた。
「クソッ! 久しぶりにまともに喰らったわ!」
悔しがる十色さん。その言葉とは裏腹に獰猛な表情を浮かべる。
「そこまで!」
ストップの声に残念そうな十色さん。まだこれからという所だったからだろう。
お互い中央で再度礼をする。
「ありがとうございました」
俺が礼を言うと十色さんが激励をしてくれた。
「私に蹴りを当てたんだ。負けは許されないよ」
「はい!」
怒涛の最後の追い込みはこれで終わった。
地方大会の予選が明後日から始まる。
いつもの様に送られて家に帰ると両親が出迎えてくれた。
「「おかえりー!」」
「明日は休むんだろう?」
父がそう質問してくる。
「稽古はね。日課は変わらずにやるよ」
「あら、そうなの? 明日くらい休んでも良いだろうに」
母はそういうが、日課というものは毎日やって意味があると俺は考えている。それは十蔵さんと十色さんを見ていてそう思ったのだ。
もっと鍛錬しないとあの人達には追いつけない。そして、追い越せない。俺はあの人達を追い抜きたい。
「毎日やらないとダメなんだ」
そう言うとシャワーを浴びに風呂に向かった。
シャワーを浴びながら久しぶりの休暇を何するか考える。
なにしようかなぁ。って言っても結局CWOやっちゃうんだけどなぁ。
シャワーを終えると家族みんなで夜ご飯を食べる。
そして、疲れを癒すために泥のように眠るのであった。
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