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32.夏のイベント前
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「この前は指導してもらって、よかったよな! フーマはリアルでも指導して貰ったんだろ!?」
ログインして早々に鼻息を荒くしてこちらに詰め寄るガント。
十蔵さんとリアルであって稽古つけてもらったなんて、恐らく何万人の人が羨むだろう。
「あ、あぁ。凄かったよ。かなり扱《しご》かれた。けど、その分自分が成長したのがよく分かるよ」
「フーマはなんか吹っ切れたよな! いい感じに闘志を感じるよ!」
ガントは俺が強くなっているのを気配で感じて嬉しそうだ。自分の事のように俺が強くなるのを喜んでくれている。
この前十蔵さんとの話を思い出し、少し目頭に来るものが。辛かったのは俺だけではなかった。更に辛い思いをしていたガント。
「有難う。ガントのおかげだよ」
色々含む言い方をすると、照れたように頭を掻きながらそっぽを向いた。
「何がだよ! 俺は何もしてねぇだろ!」
俺の肩を叩くガント。二人の様子を見て前より仲の深まっている様子を見てモー二が呟いた。
「何よ。仲良さそうに二人で通じ合っちゃって!トクラさんの指導がそんなに良かったの!?」
「なんだよ! モー二はぁ!? ヤキモチかぁ!?」
ガントがちょっと調子に乗った瞬間。
バキッ!!
「イデェー!」
モーニに思いっきり頭を殴られたガントは、頭を抑えながら蹲った。
こういう時に調子に乗るからいつもこうなるのになんで学ばないんだか。まぁ、いつもの光景だから微笑ましいんだけど。
「うっさいわね! 違うわよ! 殴るわよ!」
「言う前に殴ってるじゃん!」
「楽しそう。私も。混ぜて」
二人の口論の世界に何故か入っていくイブ。
イブ、二人は放っておいた方がいいよ。
構わない方がいいから触れないであげな。
『『『『ビロン』』』』
そんな時に通知を告げる音が響いた。
一斉に通知を確認する。
――――――――――――――――――――――
今週末の日曜日に夏の大イベントを開催します!
午前9時から午前12時までの午前の部と
午後1時から午後5時までの午後の部で
ファステアをモンスターの大侵攻から防衛してください。
討伐数、討伐レア度のポイント制によるランキング戦になります。
ランキング上位5名には特別報酬があります。
お楽しみに。
――――――――――――――――――――――
運営からのイベントのお知らせであった。
討伐状況によってランキングが表示されるってことは、かなり過激な争奪戦が予想される。俺達が一体どこまで上を目指せるかだ。
「おぉ! イベントあるんだ! やった! 楽しそう!」
子供のように飛び跳ねてはしゃぎ始めたガント。モーニからは冷たい視線が注がれている。
「どうせだから、ランキングにランクインしたいなぁ」
俺は気持ち的に前向きになっていた。
以前だったらそんなイベントなんて参加しても自分なんてって思ってたかもしれない。
でも、自信が出てきたんだ。何事にも挑戦できるって。頑張ることから始める。参加することから始めるんだ。
「急に前向きになっちゃって。ホントに何があったんだか」
俺の呟きを聞いたモーニが呆れたように見つめる。
「絶対。何か。あった。確信。」
イブも俺に何があったのか気になるみたい。気にしてくれるのは嬉しいけど、いい事だから心配はいらない。
「なあ、イベントまでレベル上げしてようぜ!」
レベル上げをしたり、スキルを取得したり、イベントまで自分磨きに勤しむのであった。
ログインして早々に鼻息を荒くしてこちらに詰め寄るガント。
十蔵さんとリアルであって稽古つけてもらったなんて、恐らく何万人の人が羨むだろう。
「あ、あぁ。凄かったよ。かなり扱《しご》かれた。けど、その分自分が成長したのがよく分かるよ」
「フーマはなんか吹っ切れたよな! いい感じに闘志を感じるよ!」
ガントは俺が強くなっているのを気配で感じて嬉しそうだ。自分の事のように俺が強くなるのを喜んでくれている。
この前十蔵さんとの話を思い出し、少し目頭に来るものが。辛かったのは俺だけではなかった。更に辛い思いをしていたガント。
「有難う。ガントのおかげだよ」
色々含む言い方をすると、照れたように頭を掻きながらそっぽを向いた。
「何がだよ! 俺は何もしてねぇだろ!」
俺の肩を叩くガント。二人の様子を見て前より仲の深まっている様子を見てモー二が呟いた。
「何よ。仲良さそうに二人で通じ合っちゃって!トクラさんの指導がそんなに良かったの!?」
「なんだよ! モー二はぁ!? ヤキモチかぁ!?」
ガントがちょっと調子に乗った瞬間。
バキッ!!
「イデェー!」
モーニに思いっきり頭を殴られたガントは、頭を抑えながら蹲った。
こういう時に調子に乗るからいつもこうなるのになんで学ばないんだか。まぁ、いつもの光景だから微笑ましいんだけど。
「うっさいわね! 違うわよ! 殴るわよ!」
「言う前に殴ってるじゃん!」
「楽しそう。私も。混ぜて」
二人の口論の世界に何故か入っていくイブ。
イブ、二人は放っておいた方がいいよ。
構わない方がいいから触れないであげな。
『『『『ビロン』』』』
そんな時に通知を告げる音が響いた。
一斉に通知を確認する。
――――――――――――――――――――――
今週末の日曜日に夏の大イベントを開催します!
午前9時から午前12時までの午前の部と
午後1時から午後5時までの午後の部で
ファステアをモンスターの大侵攻から防衛してください。
討伐数、討伐レア度のポイント制によるランキング戦になります。
ランキング上位5名には特別報酬があります。
お楽しみに。
――――――――――――――――――――――
運営からのイベントのお知らせであった。
討伐状況によってランキングが表示されるってことは、かなり過激な争奪戦が予想される。俺達が一体どこまで上を目指せるかだ。
「おぉ! イベントあるんだ! やった! 楽しそう!」
子供のように飛び跳ねてはしゃぎ始めたガント。モーニからは冷たい視線が注がれている。
「どうせだから、ランキングにランクインしたいなぁ」
俺は気持ち的に前向きになっていた。
以前だったらそんなイベントなんて参加しても自分なんてって思ってたかもしれない。
でも、自信が出てきたんだ。何事にも挑戦できるって。頑張ることから始める。参加することから始めるんだ。
「急に前向きになっちゃって。ホントに何があったんだか」
俺の呟きを聞いたモーニが呆れたように見つめる。
「絶対。何か。あった。確信。」
イブも俺に何があったのか気になるみたい。気にしてくれるのは嬉しいけど、いい事だから心配はいらない。
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レベル上げをしたり、スキルを取得したり、イベントまで自分磨きに勤しむのであった。
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