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21.遭遇戦
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ピチョンッ
チョンッ
ピチョン
何やら水の滴るような音が響き渡っている。
巨大な裂け目の中も暗がりで周りがよく見えない。
暗い所に長時間いれば慣れて少し見えるものだが、そういう問題でもないみたいだ。
「ライト!」
モー二が前方に光魔法で照らす。
そうか。モーニの光魔法はこういう時にも使えるんだな。
役に立つじゃないか。
「足元気を付けてよぉ」
明かりを持っている為、モーニを先頭にして慎重に歩く四人。
先の見えない暗がりに不安がよぎる。
なにかここだけゲームと関係ない世界とかじゃないよな。
こんなに先が見えない仕様とかあるのか?
これ本当にちゃんとデータがされている場所なのか?
『··········ィィーー』
「待て! なんか聞こえる。…………構えろ! 来るぞ」
なにやら音の気配が前方からくる。なんだ? 黒い影だ。
『キィィィーー!』
黒い影が上から突進してくる。
なんなんだよ。こいつ。
上から来たってことはとんでるのか?
それを咄嗟に腕をクロスしてガードして受け止めた。
バキッ!
「くっ! 重い。」
思いの外、攻撃が重くて少し身体がのけ反ってしまった。
その間に旋回してもう一度攻めてくる。
「前は任せろ! 挑発!」
黒い影がガントに向かって突進していった。
盾で迎え撃ったため、こちらにはダメージはない。
逆に盾で阻まれた黒い影はヨロヨロと飛ぶのが不安定になっていた。
その隙を見逃さずに踏み込んで肉薄する。
「セイッ!」
ドスッ!
飛びながらの勢いをつけた上段蹴りで吹き飛ばす。
足が届いてよかった。洞窟で助かったな。天井高くないから倒しやすいわ。
致命傷に刃ならなかったのだろう。起き上がってきた黒い影が再び迫る。
「オリャー!」
俺に向かって来ていた黒い影目掛けて横からガントがシールドバッシュを放つ。
ズガンッ
黒い影は盾と壁にぶつかった衝撃でもダメージを受けたようだ。
壁の下に落ちた後、光の粒子へ変わっていった。
「ふぅ。いきなりで驚いたな。この先も出るかも知れないぞ? 気をつけよう」
一行は再び灯りをつけたまま先へと進む。
「私、光を当ててるから他の魔法使えないから回復薬で回復してよ?」
「おぅ。なるべくダメージ受けないようにするわ」
モーニからの指示に頷き、慎重に前へ進む。
相変わらず先の見えない暗がりからは何が出てくるのかわからない。
『シャァァァーー!』
横の影からいきなりポイズンスネークが飛び出してきた。
「うおっ!」
俺は咄嗟に左手で弾き飛ばしながら下がった。
反応できてよかった。反応できなかったらやばかったかもしれない。
でも、なんか頭がクラクラするなぁ。なんだこれ?
何の気なしに左手を見ると色が変色して紫色になっている。
それをみた瞬間ジンジンと痛みを感じてきた。
もしかしたら俺失敗したかも。
「やべぇ……」
「おい! 大丈夫か⁉」
座り込んでしまった俺にガントが、駆け寄る。
このままだとちょっとヤバいかも。
これ、動き続ければ毒のダメージうけるよなぁ。
『シャァァーー!』
ポイズンスネークが再度飛び掛ってきた。
「ガント! 噛まれないように気をつけろ!」
「おう!」
返事をすると、すぐさま立上りヘビを盾でいなして交わしていく。
俺もなんとかフラフラと立つと構える。
このふらつきはヤバいな。
長くはもたないかもしれない。
手にも痛みはあるが、痛みに耐えながらタイミングを見計らう。
できれば一撃で仕留めたい。
あまり長くは戦ってはいられないぞ。
バシッ
ガントが、盾で弾いたポイズンスネークが飛んできた。
「セイヤァァーー!」
ここしかないというタイミングで胴体の真ん中を手刀で一閃する。
すると、ポイズンスネークが真っ二つになった。
俺はあまりのフラつきに膝をついてしまう。
『シャァァーー!』
しぶといヘビだったようだ。上半分になりながらも襲ってくる。
「オリャー!」
その上から盾で覆い被さるようにポイズンスネークを潰す。
しばらくヘビともみ合いを繰り広げていたガント。
なんとか光の粒子に変えた。
「くっ。ごめん。しくじった」
「大丈夫か⁉ モー二、毒消しある?」
ガントが慌ててモーニに詰め寄る。
だけど、わかってる。さっきの狩場を考えると。
「ごめん。今は無いわよ。さっきの狩場には毒を持つモンスターなんて居ないから用意してなかったわ」
「だよなぁ」
俺は青い顔をしながら諦めの言葉を口にした。
「とりあえず、定期的に回復薬飲みながら進むよ」
毒を受けた状態でどこまでいけるかわからない。
でも、何とか少しずつ進みたい。
この洞窟の奥に何があるのか知りたい。
探求心だけでなんとか先へと進んでいく。
奥までたどり着けるだろうか。
チョンッ
ピチョン
何やら水の滴るような音が響き渡っている。
巨大な裂け目の中も暗がりで周りがよく見えない。
暗い所に長時間いれば慣れて少し見えるものだが、そういう問題でもないみたいだ。
「ライト!」
モー二が前方に光魔法で照らす。
そうか。モーニの光魔法はこういう時にも使えるんだな。
役に立つじゃないか。
「足元気を付けてよぉ」
明かりを持っている為、モーニを先頭にして慎重に歩く四人。
先の見えない暗がりに不安がよぎる。
なにかここだけゲームと関係ない世界とかじゃないよな。
こんなに先が見えない仕様とかあるのか?
これ本当にちゃんとデータがされている場所なのか?
『··········ィィーー』
「待て! なんか聞こえる。…………構えろ! 来るぞ」
なにやら音の気配が前方からくる。なんだ? 黒い影だ。
『キィィィーー!』
黒い影が上から突進してくる。
なんなんだよ。こいつ。
上から来たってことはとんでるのか?
それを咄嗟に腕をクロスしてガードして受け止めた。
バキッ!
「くっ! 重い。」
思いの外、攻撃が重くて少し身体がのけ反ってしまった。
その間に旋回してもう一度攻めてくる。
「前は任せろ! 挑発!」
黒い影がガントに向かって突進していった。
盾で迎え撃ったため、こちらにはダメージはない。
逆に盾で阻まれた黒い影はヨロヨロと飛ぶのが不安定になっていた。
その隙を見逃さずに踏み込んで肉薄する。
「セイッ!」
ドスッ!
飛びながらの勢いをつけた上段蹴りで吹き飛ばす。
足が届いてよかった。洞窟で助かったな。天井高くないから倒しやすいわ。
致命傷に刃ならなかったのだろう。起き上がってきた黒い影が再び迫る。
「オリャー!」
俺に向かって来ていた黒い影目掛けて横からガントがシールドバッシュを放つ。
ズガンッ
黒い影は盾と壁にぶつかった衝撃でもダメージを受けたようだ。
壁の下に落ちた後、光の粒子へ変わっていった。
「ふぅ。いきなりで驚いたな。この先も出るかも知れないぞ? 気をつけよう」
一行は再び灯りをつけたまま先へと進む。
「私、光を当ててるから他の魔法使えないから回復薬で回復してよ?」
「おぅ。なるべくダメージ受けないようにするわ」
モーニからの指示に頷き、慎重に前へ進む。
相変わらず先の見えない暗がりからは何が出てくるのかわからない。
『シャァァァーー!』
横の影からいきなりポイズンスネークが飛び出してきた。
「うおっ!」
俺は咄嗟に左手で弾き飛ばしながら下がった。
反応できてよかった。反応できなかったらやばかったかもしれない。
でも、なんか頭がクラクラするなぁ。なんだこれ?
何の気なしに左手を見ると色が変色して紫色になっている。
それをみた瞬間ジンジンと痛みを感じてきた。
もしかしたら俺失敗したかも。
「やべぇ……」
「おい! 大丈夫か⁉」
座り込んでしまった俺にガントが、駆け寄る。
このままだとちょっとヤバいかも。
これ、動き続ければ毒のダメージうけるよなぁ。
『シャァァーー!』
ポイズンスネークが再度飛び掛ってきた。
「ガント! 噛まれないように気をつけろ!」
「おう!」
返事をすると、すぐさま立上りヘビを盾でいなして交わしていく。
俺もなんとかフラフラと立つと構える。
このふらつきはヤバいな。
長くはもたないかもしれない。
手にも痛みはあるが、痛みに耐えながらタイミングを見計らう。
できれば一撃で仕留めたい。
あまり長くは戦ってはいられないぞ。
バシッ
ガントが、盾で弾いたポイズンスネークが飛んできた。
「セイヤァァーー!」
ここしかないというタイミングで胴体の真ん中を手刀で一閃する。
すると、ポイズンスネークが真っ二つになった。
俺はあまりのフラつきに膝をついてしまう。
『シャァァーー!』
しぶといヘビだったようだ。上半分になりながらも襲ってくる。
「オリャー!」
その上から盾で覆い被さるようにポイズンスネークを潰す。
しばらくヘビともみ合いを繰り広げていたガント。
なんとか光の粒子に変えた。
「くっ。ごめん。しくじった」
「大丈夫か⁉ モー二、毒消しある?」
ガントが慌ててモーニに詰め寄る。
だけど、わかってる。さっきの狩場を考えると。
「ごめん。今は無いわよ。さっきの狩場には毒を持つモンスターなんて居ないから用意してなかったわ」
「だよなぁ」
俺は青い顔をしながら諦めの言葉を口にした。
「とりあえず、定期的に回復薬飲みながら進むよ」
毒を受けた状態でどこまでいけるかわからない。
でも、何とか少しずつ進みたい。
この洞窟の奥に何があるのか知りたい。
探求心だけでなんとか先へと進んでいく。
奥までたどり着けるだろうか。
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