19 / 58
19.装備完成!
しおりを挟む
あれから数日、クランのことや仲間のことを考えながら過ごしていたら、もう装備の受け取る日になっていた。
ログインした四人はフーマの装備を受け取りに向かう。
「「「「こんにちはー!」」」」
「おっ! 来たね! 待ってたよフーマ君。じゃあ、早速装備を持ってくるから待っててね」
しばらくすると奥から持って来てくれた。
「っこれは! 凄いですね!」
まず、グローブは拳から肘までを覆うのは、シルバーの鉄であった。拳部分は指の関節部毎に鉄が張ってあり、動きを阻害する事は無さそうである。
レガースも同じく足の甲から膝の下までをシルバーの鉄が覆う。
防具は胸と鳩尾の部分はシルバーの鉄で覆われていて、それ以外は革で出来ている。これも動きは阻害しないであろう作りとなっていた。
「フーマ、装備してみろよ! カッコイイじゃんか!」
その場で装備してみる。
うん。着心地もいいし、動きが阻害されない。これなら全力で動けそうだ。
「あら、いいじゃない。これでもう初心者って感じはしないわね」
「うん。いいかんじ」
精悍な見た目になったかな。これで熟練のプレイヤーを感じさせる風格となったんじゃないかな。
「いいじゃないか。似合っているね」
マサムネさんがしきりに褒めてくれるため、俺も気分が良くなってしまう。
「ありがとうございます! めちゃくちゃ動きやすいです! それでいて、守られている感じもするし、安心感があって凄くいい感じです」
俺の口も饒舌に装備品に関してのいい所を語ってしまった。作った人を目の前にして何を言ってるんだが。
作った方はそうすることを目的として作っているのだから、俺がいくら褒めたところで知っていると一蹴されるだろう。
「気に入ってもらえて良かったよ」
「この装備、早速試してきます!」
「あぁ。行ってらっしゃい」
意気揚々とお店を出たフーマと三人はフィールドに向かい歩いていく。
森を探索していると丁度いいところに、グリーンウルフを見つけた。
装備品の確認をするにはちょうどいい強さのモンスターだ。
丁度いい。アイツを倒してみよう。
そばに寄っていくと、グリーンウルフは気付き、こちらに身構えた。
匂いとかで気づかれたのかもしれない。静かに近づいて行ったのに何故バレたのか。
咄嗟に俺も構えてジリジリとにじり寄る。
『ウォォンッ!』
先に口火を切ったのはグリーンウルフだった俺に目掛けて牙を出して襲いかかってきた。
たしかにウルフ系は素早い。
けど、見えないほどじゃない。
テンカさんの突きに比べればなんてことはない。
右に避けながら中段突きを首筋に放った。
「フッ!」
ドスッ!
首筋にダメージを受けたグリーンウルフは倒れ、光の粒子に変わった。
「おおぅ。一撃か」
自分自身のパワーが確実に上がったことを実感した。装備のおかげもあるだろうけど、テンカさんとの手合わせがやっぱり経験としては一番なんじゃないかな。
「すげぇ! 攻撃力メッチャアップしたじゃん!」
これはこの先、大分楽になるぞぉ。
「もう一体ぐらい狩ってみていいか?」
俺がそう提案すると、みんな快く了承してくれた。
周りを探索すると、ここはグリーンウルフの縄張りが多がったのか。出会ったモンスターはほとんどがグリーンウルフだった。
どの個体も一撃で倒すことができた。
これはホントにパワーアップしたと思っていいだろう。
その他の個体もいたら良かったんだけど、贅沢は言うまい。
これでレベルが上がればガント達に追いつけると思うんだけど。
こればっかりはいっぱい狩りをしないと上がらないから仕方がない。
ガントが言うには、なるべく強い敵と当たって、倒すことができればレベルが上がりやすいらしい。
これをジャイアントキリングって言うんだとか。俺とは無縁の言葉だなと思ってしまった。
格上の相手を倒すなんてそんなに簡単なことじゃない。それは自分が一番知っている。こういう格闘技の世界ってのは甘くない。
研磨を積んで、そして、本番で力が発揮できて、きっと勝てるものなんだ。
勝負ごとってみんなそうだよな。
その勝負感みたいなものが、このゲームを通じと自分に備わってくれればいいなと思っている。
「皆は狩らなくてもいいのか?」
「この辺の敵はもうレベルが上がるような敵じゃないからな! フーマの装備の確認ができたら進んでもいいんじゃないかと思ってんだ!」
「なんかごめんな!」
確認だけのためにみんなの時間も取ってしまって悪かったな。咄嗟に謝る。
「いいっての! そういうのがみずくせぇってんだよ!」
「そうよ! 私たちは仲間でしょ?」
「そう……私たちは……仲間だから……いい」
優しいなぁ。俺に甘いだけなのかもしれないけど、その優しさに助けられてるよ。
装備も手に入れたし。
みんなの為にも自分のためにも戦うぞ。
ログインした四人はフーマの装備を受け取りに向かう。
「「「「こんにちはー!」」」」
「おっ! 来たね! 待ってたよフーマ君。じゃあ、早速装備を持ってくるから待っててね」
しばらくすると奥から持って来てくれた。
「っこれは! 凄いですね!」
まず、グローブは拳から肘までを覆うのは、シルバーの鉄であった。拳部分は指の関節部毎に鉄が張ってあり、動きを阻害する事は無さそうである。
レガースも同じく足の甲から膝の下までをシルバーの鉄が覆う。
防具は胸と鳩尾の部分はシルバーの鉄で覆われていて、それ以外は革で出来ている。これも動きは阻害しないであろう作りとなっていた。
「フーマ、装備してみろよ! カッコイイじゃんか!」
その場で装備してみる。
うん。着心地もいいし、動きが阻害されない。これなら全力で動けそうだ。
「あら、いいじゃない。これでもう初心者って感じはしないわね」
「うん。いいかんじ」
精悍な見た目になったかな。これで熟練のプレイヤーを感じさせる風格となったんじゃないかな。
「いいじゃないか。似合っているね」
マサムネさんがしきりに褒めてくれるため、俺も気分が良くなってしまう。
「ありがとうございます! めちゃくちゃ動きやすいです! それでいて、守られている感じもするし、安心感があって凄くいい感じです」
俺の口も饒舌に装備品に関してのいい所を語ってしまった。作った人を目の前にして何を言ってるんだが。
作った方はそうすることを目的として作っているのだから、俺がいくら褒めたところで知っていると一蹴されるだろう。
「気に入ってもらえて良かったよ」
「この装備、早速試してきます!」
「あぁ。行ってらっしゃい」
意気揚々とお店を出たフーマと三人はフィールドに向かい歩いていく。
森を探索していると丁度いいところに、グリーンウルフを見つけた。
装備品の確認をするにはちょうどいい強さのモンスターだ。
丁度いい。アイツを倒してみよう。
そばに寄っていくと、グリーンウルフは気付き、こちらに身構えた。
匂いとかで気づかれたのかもしれない。静かに近づいて行ったのに何故バレたのか。
咄嗟に俺も構えてジリジリとにじり寄る。
『ウォォンッ!』
先に口火を切ったのはグリーンウルフだった俺に目掛けて牙を出して襲いかかってきた。
たしかにウルフ系は素早い。
けど、見えないほどじゃない。
テンカさんの突きに比べればなんてことはない。
右に避けながら中段突きを首筋に放った。
「フッ!」
ドスッ!
首筋にダメージを受けたグリーンウルフは倒れ、光の粒子に変わった。
「おおぅ。一撃か」
自分自身のパワーが確実に上がったことを実感した。装備のおかげもあるだろうけど、テンカさんとの手合わせがやっぱり経験としては一番なんじゃないかな。
「すげぇ! 攻撃力メッチャアップしたじゃん!」
これはこの先、大分楽になるぞぉ。
「もう一体ぐらい狩ってみていいか?」
俺がそう提案すると、みんな快く了承してくれた。
周りを探索すると、ここはグリーンウルフの縄張りが多がったのか。出会ったモンスターはほとんどがグリーンウルフだった。
どの個体も一撃で倒すことができた。
これはホントにパワーアップしたと思っていいだろう。
その他の個体もいたら良かったんだけど、贅沢は言うまい。
これでレベルが上がればガント達に追いつけると思うんだけど。
こればっかりはいっぱい狩りをしないと上がらないから仕方がない。
ガントが言うには、なるべく強い敵と当たって、倒すことができればレベルが上がりやすいらしい。
これをジャイアントキリングって言うんだとか。俺とは無縁の言葉だなと思ってしまった。
格上の相手を倒すなんてそんなに簡単なことじゃない。それは自分が一番知っている。こういう格闘技の世界ってのは甘くない。
研磨を積んで、そして、本番で力が発揮できて、きっと勝てるものなんだ。
勝負ごとってみんなそうだよな。
その勝負感みたいなものが、このゲームを通じと自分に備わってくれればいいなと思っている。
「皆は狩らなくてもいいのか?」
「この辺の敵はもうレベルが上がるような敵じゃないからな! フーマの装備の確認ができたら進んでもいいんじゃないかと思ってんだ!」
「なんかごめんな!」
確認だけのためにみんなの時間も取ってしまって悪かったな。咄嗟に謝る。
「いいっての! そういうのがみずくせぇってんだよ!」
「そうよ! 私たちは仲間でしょ?」
「そう……私たちは……仲間だから……いい」
優しいなぁ。俺に甘いだけなのかもしれないけど、その優しさに助けられてるよ。
装備も手に入れたし。
みんなの為にも自分のためにも戦うぞ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる