15 / 58
15.MPK被害
しおりを挟む
「ハァ!!」
ドガッ!
回し蹴りでトドメを刺す。リザードマンが光の粒子に変わっていく。
「ふぅ。なかなかレベル上がんないなぁ」
「この辺だとそろそろ上がらないかもな! 違う狩場を探すか!」
今日は鉱山とは反対の湿地帯に来ていた。違う場所に移動しようとしていたガント以外の3人が妙な違和感に気付く。
「なぁ、周りが静かすぎないか?」
「変ねぇ、モンスターも見当たらないし……。」
「遠くで。何か。聞こえる」
ドドドドドドドドドドドド··········
「おい! なんか来るぞ!」
見えたのはモンスターの大群であった。リザードマン、ワイルドボア、ロックゴーレムなどが押し寄せてくる。先頭に人が走っているようだ。
なんか、こっちに向かってきているような……。
あの人俺たち目掛けて走ってくるじゃないか。
俺達のすぐ横を通り過ぎる。ローブを被っていて顔は見えないが、プレイヤーネームは見えた……レッドネームだ!
「ヤバイ! トレインを擦り付けられた! MPKを狙われてる!」
焦りながら構えるガント。
俺はその言葉は初めて聞いたからどういうことかが分からない。
「MPK?」
「説明してる暇はない! これは逃げれないぞ! 死ぬ気で闘えよ!」
目の前にモンスターの大群が迫る。モンスターが目視できるくらいに近づいてきた。腹をくくって構える。
「オレが前のやつを抑える! フーマは抜けたやつを狙え! モー二も闘いながらおれら前衛の回復を頼む! イブ、デカイの頼むぞ!」
「「「了解!」」 」
「挑発!」
最前列を走っているモンスターのヘイトがガントへ向かう。多勢に無勢だが、ガントは諦めない。
「来いやコラァァーーッ!!」
ズッンンンッッ
迫り来るモンスターを前傾姿勢になり、足を踏ん張って盾でくいとめるガント。
モンスターの勢いに押されて数メートル地面を滑る。
「ヌオォォォォーーー」
前がつっかえたことで進みにくくなったのか、モンスターの勢いが落ちた。
今がチャンスかもしれない!
「身体強化!」
身体に白いモヤを纏い、駆け出す。
「次いで、新スキル! 身体加速!」
周りがスローモーションになる。
ガントの横を抜けてきたモンスターに肉薄する。
「フッ! ……フッッ!」
目の前の一体のリザードマンには心臓に中段突きを放つ。続いてワイルドボアには首に回し蹴りをお見舞する。
二体とも一撃で光の粒子に変わる。
いけるかもしれない!
次々とモンスターを葬っていく。俺のHPは被弾することでドンドンと減っていく。
「エリアヒール!!」
突如周りが光に包まれた。
HPが回復したことを左上に表示されているバーを確認することで知った。
「モー二、サンキュー!!」
「下がって……撃つ」
三人が一旦一斉に下がる。
この連携の良さも俺たちだからこそできる連携だろう。
「行く。ブラックホール」
黒い渦のようなものがモンスターの中心に出現する。
ゴゴゴゴゴ
重低音とともにあらゆるものを飲み込んでいく。もちろん、モンスターも例外ではない。次々と飲み込んでいく。
「流石だぜ! イブ!」
「まだ来るぞ! 油断するなよぉ! ……ハァ!!」
ガントが油断したところに喝を入れてなんとか戦線を維持する。
次々とモンスターが押し寄せてきてキリがない。
やべぇ、キリがない。集中力が切れそうだ。魔力も心もとない。
「魔力。切れる」
「私も魔力がもうないわ!」
イブとモー二が、もう魔力切れだ。
俺ももう厳しいかもしれない。
「はぁ。はぁ。っっはぁ。もう限界が近い!!」
ガントが抑えていたが、限界を迎える。
その先からも押し寄せるモンスター。
あぁ、初の死に戻りかぁ……。
その時。
頭上から。
何かが。
飛来した。
「フンッ!!」
カッッッ!
ッッッズドォォォォォンンンンッッッッ!
その衝撃に飲まれたそこら一帯のモンスターたちが光の粒子に変わる。衝撃波はおれ達が近かったこともあり、モロに受ける。
土煙が晴れてくると、まだ残る煙の中に一人の人が佇んでいた。
大きな背中がその存在を何倍にも大きく見せる。
俺はア然としながら呟いた。
「なんだ? 何があったんだ!?」
「ん? みな、無事かのぉ?」
よく見るとガタイのいいお爺さんであった。
一体このお爺さんは何なんだ?
「みんな無事です。さっきのはお爺さんが?」
「ふぉっふぉっふぉっ。そうだが。驚いたかね。危ないところだったから飛んできたわい」
何とか無事だったことを伝えて状況を把握しようとするが、なかなか難しい。
「助かりました。ありがとうございます」
「よい。よい。一緒に残りを倒すかのぉ」
「「「「はい!」」」」
そのお爺さんと残りのモンスターを倒していく。大体のモンスターをお爺さんが一人でなぎ倒し、片付けてしまった。
一撃を放てばモンスターが吹き飛ばされて光の粒子に変わっていく。
一人で無双状態だ。
この人は……一体何者だ?
ドガッ!
回し蹴りでトドメを刺す。リザードマンが光の粒子に変わっていく。
「ふぅ。なかなかレベル上がんないなぁ」
「この辺だとそろそろ上がらないかもな! 違う狩場を探すか!」
今日は鉱山とは反対の湿地帯に来ていた。違う場所に移動しようとしていたガント以外の3人が妙な違和感に気付く。
「なぁ、周りが静かすぎないか?」
「変ねぇ、モンスターも見当たらないし……。」
「遠くで。何か。聞こえる」
ドドドドドドドドドドドド··········
「おい! なんか来るぞ!」
見えたのはモンスターの大群であった。リザードマン、ワイルドボア、ロックゴーレムなどが押し寄せてくる。先頭に人が走っているようだ。
なんか、こっちに向かってきているような……。
あの人俺たち目掛けて走ってくるじゃないか。
俺達のすぐ横を通り過ぎる。ローブを被っていて顔は見えないが、プレイヤーネームは見えた……レッドネームだ!
「ヤバイ! トレインを擦り付けられた! MPKを狙われてる!」
焦りながら構えるガント。
俺はその言葉は初めて聞いたからどういうことかが分からない。
「MPK?」
「説明してる暇はない! これは逃げれないぞ! 死ぬ気で闘えよ!」
目の前にモンスターの大群が迫る。モンスターが目視できるくらいに近づいてきた。腹をくくって構える。
「オレが前のやつを抑える! フーマは抜けたやつを狙え! モー二も闘いながらおれら前衛の回復を頼む! イブ、デカイの頼むぞ!」
「「「了解!」」 」
「挑発!」
最前列を走っているモンスターのヘイトがガントへ向かう。多勢に無勢だが、ガントは諦めない。
「来いやコラァァーーッ!!」
ズッンンンッッ
迫り来るモンスターを前傾姿勢になり、足を踏ん張って盾でくいとめるガント。
モンスターの勢いに押されて数メートル地面を滑る。
「ヌオォォォォーーー」
前がつっかえたことで進みにくくなったのか、モンスターの勢いが落ちた。
今がチャンスかもしれない!
「身体強化!」
身体に白いモヤを纏い、駆け出す。
「次いで、新スキル! 身体加速!」
周りがスローモーションになる。
ガントの横を抜けてきたモンスターに肉薄する。
「フッ! ……フッッ!」
目の前の一体のリザードマンには心臓に中段突きを放つ。続いてワイルドボアには首に回し蹴りをお見舞する。
二体とも一撃で光の粒子に変わる。
いけるかもしれない!
次々とモンスターを葬っていく。俺のHPは被弾することでドンドンと減っていく。
「エリアヒール!!」
突如周りが光に包まれた。
HPが回復したことを左上に表示されているバーを確認することで知った。
「モー二、サンキュー!!」
「下がって……撃つ」
三人が一旦一斉に下がる。
この連携の良さも俺たちだからこそできる連携だろう。
「行く。ブラックホール」
黒い渦のようなものがモンスターの中心に出現する。
ゴゴゴゴゴ
重低音とともにあらゆるものを飲み込んでいく。もちろん、モンスターも例外ではない。次々と飲み込んでいく。
「流石だぜ! イブ!」
「まだ来るぞ! 油断するなよぉ! ……ハァ!!」
ガントが油断したところに喝を入れてなんとか戦線を維持する。
次々とモンスターが押し寄せてきてキリがない。
やべぇ、キリがない。集中力が切れそうだ。魔力も心もとない。
「魔力。切れる」
「私も魔力がもうないわ!」
イブとモー二が、もう魔力切れだ。
俺ももう厳しいかもしれない。
「はぁ。はぁ。っっはぁ。もう限界が近い!!」
ガントが抑えていたが、限界を迎える。
その先からも押し寄せるモンスター。
あぁ、初の死に戻りかぁ……。
その時。
頭上から。
何かが。
飛来した。
「フンッ!!」
カッッッ!
ッッッズドォォォォォンンンンッッッッ!
その衝撃に飲まれたそこら一帯のモンスターたちが光の粒子に変わる。衝撃波はおれ達が近かったこともあり、モロに受ける。
土煙が晴れてくると、まだ残る煙の中に一人の人が佇んでいた。
大きな背中がその存在を何倍にも大きく見せる。
俺はア然としながら呟いた。
「なんだ? 何があったんだ!?」
「ん? みな、無事かのぉ?」
よく見るとガタイのいいお爺さんであった。
一体このお爺さんは何なんだ?
「みんな無事です。さっきのはお爺さんが?」
「ふぉっふぉっふぉっ。そうだが。驚いたかね。危ないところだったから飛んできたわい」
何とか無事だったことを伝えて状況を把握しようとするが、なかなか難しい。
「助かりました。ありがとうございます」
「よい。よい。一緒に残りを倒すかのぉ」
「「「「はい!」」」」
そのお爺さんと残りのモンスターを倒していく。大体のモンスターをお爺さんが一人でなぎ倒し、片付けてしまった。
一撃を放てばモンスターが吹き飛ばされて光の粒子に変わっていく。
一人で無双状態だ。
この人は……一体何者だ?
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる