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41.前線のボスへ
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「おう! ソアラ! 情報集めてきたぞ! っつっても、大した情報はねぇけどな」
街の散策が終わり、ガイエンと合流したのであった。
シエラはもうちょっと見たかったのか不満そうにしている。
けど、俺の準備は出来た。
「それなんだけどな、こっちは収穫があったんだよ」
「何!? 本当か!?」
「あぁ、シエラとラブルのおかげでもあるだ」
そう俺が言うとシエラとラブルのドヤ顔が凄かった。
ガイエンが頬をひくつかせている。
「そんなんだな! 流石は、プリディクター!」
「フンッ! 私たちにかかればこんなものよ」
シエラがドヤ顔で語っている。
しかし、シエラは俺が気付いたことについては知らないはずで。
ただただ、調子に乗っているようだ。
「んで? 何がわかったんだ!?」
「何がわかったの!?」
ガイエンはシエラに聞いたが、シエラが俺を見て聞いてくる。
「教会に行ったんだが、そこでボスについての話を聞くことが出来たんだ」
「ほぉ。そんな話聞いたことがなかったな」
「何かがトリガーになったんだろうな。それでな、話を聞いたところによるとボスが分離できない様にしたそうだ」
「はぁ!? どうやってだよ!?」
ガイエンが食ってかかってくる。
それはそうか。
どうやれば分離できないかが分かってればそもさも苦戦してない。
「まぁ、落ち着けって。俺は、街でヒントを見た。そして、それを活用した罠を作成した」
「なに!? じゃあ、倒せるのか?」
「まぁ、正解かは、使ってみないと分かんないが、合ってるはずだ」
目を見開いて驚いている。
「はぁ」と下を向きながらため息を吐く。
街にヒントがあったという事が、精神的に堪えたのだろう。
「ねぇ、わかった? 同じボス攻略ばっかりしてたって、先に進めないのよ!?」
シエラがガイエンを捲し立てている。
「シエラ、落ち着けって。ガイエンもそれにショック受けてるんだから」
「あぁ。まさか、街の中にヒントがあったなんて思いもしなかった……」
「あのさ、俺はよくゲームやらないから分からないんだけどさ、こう……攻略のヒントっていうの? そういうのって色んなところに散らばってるもんじゃないのか?」
「言われるまでもねぇ。それがこのゲームの醍醐味よ。俺は、トップを走る事ばっかり考えて醍醐味を捨ててたんだな……」
今回のことはガイエンにいい影響を与えたかもしれない。
これからは真のトップになっていく事だろう。
「まぁ、気づけてよかったじゃんか!」
「だな! プリディクターの御三方、改めて、一緒に攻略を頼む!」
俺達に頭を下げるガイエン。
シエラが仰け反って見下ろしている。
「まぁ、リーダーはソアラだから、ソアラの言うことに従うまでよ」
「私もー!」
シエラとラブルから話を振られた。
「今回は協力するよ!」
俺はそう宣言する。
ガイエンは嬉しそうに顔を綻ばせる。
「そうか! よかった! ありがとう! よーっし! 野郎共ぉー! 前線攻略するぞぉー!」
意気揚々と男達の中で騒いでいる。
そこからは早かった。
準備を終え、攻略へと向かう。
鍾乳洞に来ると、ボスまでは引っ張っていくと、言ってくれた。
そこまでは行き慣れているそうで、良いレベル上げになるんだとか。
ただただ、三人はトラオムレーベンの後ろからついて行く。
その間はガイエンとの作戦会議だ。
「俺達はどう立ち回ればいい?」
「そうですねぇ、俺が罠を張ります。そのポイントに吹き飛ばすことは出来ますか?」
「あぁ、それは可能だと思う」
「それなら、罠にかかった後は恐らく攻撃が通るハズ。あとは任せるよ」
「わかった。任せておけ!」
胸をトンっと叩き俺達に任せろと意思表示をする。
そうこうしているうちにボスに着いた。
「ソアラ! 頼んだ!」
「わかった! シエラ、ラブル。援護を頼む」
「「了解!」」
ボスとは反対の方に駆けていく。
そして、罠を設置した。
「ガイエン! ここだ!」
「オッケーだ!」
ここのボスを初めて見たがマントみたいなのを羽織っていていかにもヴァンパイアといった感じであった。
トラオムレーベンの前衛が攻撃するが、バラバラとコウモリになり、再び元の人型に戻る。
その瞬間を狙い、ガイエンが躍動する。
大剣を振りかぶり、ヴァンパイアをこちらに吹き飛ばした。
吹き飛ばされたヴァンパイアは正確に罠を張った方に吹き飛ばされていく。
そして、罠が作動した。
ドサッと落ちた先には白い粉があり、ヴァンパイアが真っ白になる。
そこに上から水がかかる。
ヴァンパイアが飛び上がって地上に降り立つが、やがて動けなくなる。
「ねぇ? あれなに?」
シエラが怪訝な顔で聞いてくる。
「あれは、固まり粉だ」
「えぇ? 安易な名前」
「分かりやすいだろ?」
「あはは! 私でも固めるのがわかりそー!」
ラブルが笑い転げている。
そう、道具屋に並んでいる袋を見て衝撃を受けたのだ。
袋に固まり粉と書いていて俺も笑ったのだ。
こんなに分かりやすいことがあるだろうか。
ガイエン達も散策していれば発見できたかもしれない。
けど、まさかこんなのが使えるとは思わないだろう。
「ガイエン!」
「後は任せろ!」
攻撃を加えていくが、動けないヴァンパイア。
やがて光に変わっていった。
呆然としているガイエン。
「やりましたね! ガイエンさん!」
「はっ!? やったな! やった! やったぞぉー!」
「「「おおぉぉぉぉぉ!」」」
これまで攻略されなかったボスが、いとも簡単に攻略された瞬間であった。
この事態をもたらしたのがプリディクターのソアラであることがプレイヤーの間で広まったのだった。
街の散策が終わり、ガイエンと合流したのであった。
シエラはもうちょっと見たかったのか不満そうにしている。
けど、俺の準備は出来た。
「それなんだけどな、こっちは収穫があったんだよ」
「何!? 本当か!?」
「あぁ、シエラとラブルのおかげでもあるだ」
そう俺が言うとシエラとラブルのドヤ顔が凄かった。
ガイエンが頬をひくつかせている。
「そんなんだな! 流石は、プリディクター!」
「フンッ! 私たちにかかればこんなものよ」
シエラがドヤ顔で語っている。
しかし、シエラは俺が気付いたことについては知らないはずで。
ただただ、調子に乗っているようだ。
「んで? 何がわかったんだ!?」
「何がわかったの!?」
ガイエンはシエラに聞いたが、シエラが俺を見て聞いてくる。
「教会に行ったんだが、そこでボスについての話を聞くことが出来たんだ」
「ほぉ。そんな話聞いたことがなかったな」
「何かがトリガーになったんだろうな。それでな、話を聞いたところによるとボスが分離できない様にしたそうだ」
「はぁ!? どうやってだよ!?」
ガイエンが食ってかかってくる。
それはそうか。
どうやれば分離できないかが分かってればそもさも苦戦してない。
「まぁ、落ち着けって。俺は、街でヒントを見た。そして、それを活用した罠を作成した」
「なに!? じゃあ、倒せるのか?」
「まぁ、正解かは、使ってみないと分かんないが、合ってるはずだ」
目を見開いて驚いている。
「はぁ」と下を向きながらため息を吐く。
街にヒントがあったという事が、精神的に堪えたのだろう。
「ねぇ、わかった? 同じボス攻略ばっかりしてたって、先に進めないのよ!?」
シエラがガイエンを捲し立てている。
「シエラ、落ち着けって。ガイエンもそれにショック受けてるんだから」
「あぁ。まさか、街の中にヒントがあったなんて思いもしなかった……」
「あのさ、俺はよくゲームやらないから分からないんだけどさ、こう……攻略のヒントっていうの? そういうのって色んなところに散らばってるもんじゃないのか?」
「言われるまでもねぇ。それがこのゲームの醍醐味よ。俺は、トップを走る事ばっかり考えて醍醐味を捨ててたんだな……」
今回のことはガイエンにいい影響を与えたかもしれない。
これからは真のトップになっていく事だろう。
「まぁ、気づけてよかったじゃんか!」
「だな! プリディクターの御三方、改めて、一緒に攻略を頼む!」
俺達に頭を下げるガイエン。
シエラが仰け反って見下ろしている。
「まぁ、リーダーはソアラだから、ソアラの言うことに従うまでよ」
「私もー!」
シエラとラブルから話を振られた。
「今回は協力するよ!」
俺はそう宣言する。
ガイエンは嬉しそうに顔を綻ばせる。
「そうか! よかった! ありがとう! よーっし! 野郎共ぉー! 前線攻略するぞぉー!」
意気揚々と男達の中で騒いでいる。
そこからは早かった。
準備を終え、攻略へと向かう。
鍾乳洞に来ると、ボスまでは引っ張っていくと、言ってくれた。
そこまでは行き慣れているそうで、良いレベル上げになるんだとか。
ただただ、三人はトラオムレーベンの後ろからついて行く。
その間はガイエンとの作戦会議だ。
「俺達はどう立ち回ればいい?」
「そうですねぇ、俺が罠を張ります。そのポイントに吹き飛ばすことは出来ますか?」
「あぁ、それは可能だと思う」
「それなら、罠にかかった後は恐らく攻撃が通るハズ。あとは任せるよ」
「わかった。任せておけ!」
胸をトンっと叩き俺達に任せろと意思表示をする。
そうこうしているうちにボスに着いた。
「ソアラ! 頼んだ!」
「わかった! シエラ、ラブル。援護を頼む」
「「了解!」」
ボスとは反対の方に駆けていく。
そして、罠を設置した。
「ガイエン! ここだ!」
「オッケーだ!」
ここのボスを初めて見たがマントみたいなのを羽織っていていかにもヴァンパイアといった感じであった。
トラオムレーベンの前衛が攻撃するが、バラバラとコウモリになり、再び元の人型に戻る。
その瞬間を狙い、ガイエンが躍動する。
大剣を振りかぶり、ヴァンパイアをこちらに吹き飛ばした。
吹き飛ばされたヴァンパイアは正確に罠を張った方に吹き飛ばされていく。
そして、罠が作動した。
ドサッと落ちた先には白い粉があり、ヴァンパイアが真っ白になる。
そこに上から水がかかる。
ヴァンパイアが飛び上がって地上に降り立つが、やがて動けなくなる。
「ねぇ? あれなに?」
シエラが怪訝な顔で聞いてくる。
「あれは、固まり粉だ」
「えぇ? 安易な名前」
「分かりやすいだろ?」
「あはは! 私でも固めるのがわかりそー!」
ラブルが笑い転げている。
そう、道具屋に並んでいる袋を見て衝撃を受けたのだ。
袋に固まり粉と書いていて俺も笑ったのだ。
こんなに分かりやすいことがあるだろうか。
ガイエン達も散策していれば発見できたかもしれない。
けど、まさかこんなのが使えるとは思わないだろう。
「ガイエン!」
「後は任せろ!」
攻撃を加えていくが、動けないヴァンパイア。
やがて光に変わっていった。
呆然としているガイエン。
「やりましたね! ガイエンさん!」
「はっ!? やったな! やった! やったぞぉー!」
「「「おおぉぉぉぉぉ!」」」
これまで攻略されなかったボスが、いとも簡単に攻略された瞬間であった。
この事態をもたらしたのがプリディクターのソアラであることがプレイヤーの間で広まったのだった。
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