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30.車輪修理
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モンスターの襲撃があってから四日間ゴッツさん、クーガさんと一緒に徒歩でモンスターを狩りながら街まで移動してきた。
ゴッツさんも戦えるみたいでクーガさんと一緒にモンスターを狩っていた。本当に息の合ったコンビで凄かった。
道中に色んな話も聞けた。進化に関してのこと、テイマーに関してのこと。そして、暗躍する組織のこと。
ゴッツさんは世界中を旅していたんだそうだ。そして、故郷であるこの国に帰ってきたとのこと。王都で余生を過ごそうとしているみたい。クーガさんも休ませてあげたいと言っていた。
なので、王都までは一緒に行動してくれるそうだ。かなり心強い。俺だけだと数でおされるとどうにもならない場面がある。
奥義が使えれば数が多くても問題ないんだが、この剣ではもたないだろう。今は武器を失うのはリスクが大きい。剣技の出力を抑えるしかないのだ。
「着きましたぞ!」
先頭を歩いていたダンテさんが声をあげると、みんなは胸を撫で下ろした。
徒歩はやはり、思ったより長かった。精神的にも肉体的にも限界だったみたいだ。俺は疲れないから大丈夫だけど。ミリア達は限界が近づいていたからよかった。
「あぁー! ようやく着いたぁー!」
街が見えた途端しりもちを着いたミリア。
足を伸ばして動こうとしない。
まさか……。
「もー動けないよー! ナイルー!」
まさかの動けないと駄々をこね始めた。
子供か!?
仕方なくしゃがむ。
背中に覆い被さるとそのまま持ち上げてやった。
「むふー」
ったくしょうがない奴だな。
街の入口まで行ったら下りてくれよ?
流石に恥ずかしいだろ?
「えぇー? ダメッ?」
可愛く言ってもダメだ!
街まで行ったら下りなさい!
ダンテさんとかリンスさんだって、ゴッツさんだって恥ずかしい思いするんだぞ?
「うぅぅ。わかったよぉ」
そのまま歩いて数十分すると街の入口に着いた。ちゃんとミリアは下りて歩いている。この街は王都の一個前の街なのでかなり大きい。
ここなら車輪の替えがあるとの事だった。馬車屋さんに言ってお願いすると、交換するだけなので、なんと明日には出来るという。
そっから馬車で行けば少しの遅れで済む。これにはダンテさんも少し心が軽くなったようだ。
「そろそろお昼時ですが、ゴッツさん達もお昼を一緒に食べませんか? 助けて頂いたんです。お礼をさせてください」
ダンテさんがゴッツさんにそう提案していた。
「そうか? お言葉に甘えて一緒に行かせてもらうかな! ありがてぇ!」
「何がお好きですか?」
「肉が食えればなんでもいいぜ!」
ゴッツさんは肉食なのだ。野営の時もずっと肉を食っていた。そして、武鬼《ぶき》であるクーガさんも肉食。そう、食事を食べるのだ。
初め、それを聞いた時はかなり羨ましかった。クーガさんの場合は進化前がオーガだったから元々食べることは出来たんだそうだ。
俺みたいに食べないモンスターはアンデッド系しか居ないんだとか。
なんで、アンデッド系に転生してしまったのか。神を恨むことしか出来ない。
「では、あそこなんてどうでしょう?」
ダンテさんが行こうとしているのはステーキ屋さんだった。
「いいね! 行こうぜ!」
「お肉ですか。仕方がありませんわね」
リンスさんは野営の時も肉を食べていたので違うものを食べたかったようだが、ゴッツさんに合わせるようだ。
実はダンテさんに聞いた話なんだが、リンスさんが誰かに合わせるっていうのは今までになかったそうだ。自分のやりたい事をする。食べない物を食べる。それが当然。
それが今回の旅で他の人と一緒に旅をすることでリンスさん自身が成長し、人に合わせると言う事ができるようになってきたんだとか。それにすごく喜んでいた。
赤ん坊の頃から仕えているので、子供の成長を見るようで嬉しいんだとか。だから、俺達にもゴッツさん達にも感謝していた。
俺達は馬車に乗せてもらったから逆に助かったんだ。礼を言われるのはなんだかむず痒い感じ。護衛として居たから報酬代わりって事でいいんだけどな。
「おっ肉ー!」
ミリアはなんでもいいんだろう。なんでも食べるからなこの子は。
元々金がなかったからな。なんでも食べないと生きていけなかったんだろう。
ダンテさんにはいつも美味しいご飯を野営でも、街でもご馳走してくれて感謝してる。おかげで旅の資金はまだまだ余裕がある。
ステーキ屋に入るとそれぞれでグラムを指定して注文する。
いい匂いが辺りに漂っている。俺はミリアの後ろに控えるように立っている。こうすることで騎士っぽいだろ?
「ナイルも食べる?」
進化したらな。
「うん! 頑張って進化できるようにモンスター、いっぱい倒そうね!」
だな。
俺達の当面の目標は決まった。
俺自身の進化を目指す。
ゴッツさんから聞いた進化の条件は俺自身のレベルを100にすること。
王都に着いたら竜の谷を目指しながらモンスターを討伐しながら旅をすれば着く頃にはかなりいい感じにレベルが上がっているはずだ。
王都からさらに西は魔境と呼ばれるモンスターが多数徘徊する地域。しかもランクはB以上ときた。
まずは、王都で剣を作り、ミリアの装備も新調する。
ゴッツさんも戦えるみたいでクーガさんと一緒にモンスターを狩っていた。本当に息の合ったコンビで凄かった。
道中に色んな話も聞けた。進化に関してのこと、テイマーに関してのこと。そして、暗躍する組織のこと。
ゴッツさんは世界中を旅していたんだそうだ。そして、故郷であるこの国に帰ってきたとのこと。王都で余生を過ごそうとしているみたい。クーガさんも休ませてあげたいと言っていた。
なので、王都までは一緒に行動してくれるそうだ。かなり心強い。俺だけだと数でおされるとどうにもならない場面がある。
奥義が使えれば数が多くても問題ないんだが、この剣ではもたないだろう。今は武器を失うのはリスクが大きい。剣技の出力を抑えるしかないのだ。
「着きましたぞ!」
先頭を歩いていたダンテさんが声をあげると、みんなは胸を撫で下ろした。
徒歩はやはり、思ったより長かった。精神的にも肉体的にも限界だったみたいだ。俺は疲れないから大丈夫だけど。ミリア達は限界が近づいていたからよかった。
「あぁー! ようやく着いたぁー!」
街が見えた途端しりもちを着いたミリア。
足を伸ばして動こうとしない。
まさか……。
「もー動けないよー! ナイルー!」
まさかの動けないと駄々をこね始めた。
子供か!?
仕方なくしゃがむ。
背中に覆い被さるとそのまま持ち上げてやった。
「むふー」
ったくしょうがない奴だな。
街の入口まで行ったら下りてくれよ?
流石に恥ずかしいだろ?
「えぇー? ダメッ?」
可愛く言ってもダメだ!
街まで行ったら下りなさい!
ダンテさんとかリンスさんだって、ゴッツさんだって恥ずかしい思いするんだぞ?
「うぅぅ。わかったよぉ」
そのまま歩いて数十分すると街の入口に着いた。ちゃんとミリアは下りて歩いている。この街は王都の一個前の街なのでかなり大きい。
ここなら車輪の替えがあるとの事だった。馬車屋さんに言ってお願いすると、交換するだけなので、なんと明日には出来るという。
そっから馬車で行けば少しの遅れで済む。これにはダンテさんも少し心が軽くなったようだ。
「そろそろお昼時ですが、ゴッツさん達もお昼を一緒に食べませんか? 助けて頂いたんです。お礼をさせてください」
ダンテさんがゴッツさんにそう提案していた。
「そうか? お言葉に甘えて一緒に行かせてもらうかな! ありがてぇ!」
「何がお好きですか?」
「肉が食えればなんでもいいぜ!」
ゴッツさんは肉食なのだ。野営の時もずっと肉を食っていた。そして、武鬼《ぶき》であるクーガさんも肉食。そう、食事を食べるのだ。
初め、それを聞いた時はかなり羨ましかった。クーガさんの場合は進化前がオーガだったから元々食べることは出来たんだそうだ。
俺みたいに食べないモンスターはアンデッド系しか居ないんだとか。
なんで、アンデッド系に転生してしまったのか。神を恨むことしか出来ない。
「では、あそこなんてどうでしょう?」
ダンテさんが行こうとしているのはステーキ屋さんだった。
「いいね! 行こうぜ!」
「お肉ですか。仕方がありませんわね」
リンスさんは野営の時も肉を食べていたので違うものを食べたかったようだが、ゴッツさんに合わせるようだ。
実はダンテさんに聞いた話なんだが、リンスさんが誰かに合わせるっていうのは今までになかったそうだ。自分のやりたい事をする。食べない物を食べる。それが当然。
それが今回の旅で他の人と一緒に旅をすることでリンスさん自身が成長し、人に合わせると言う事ができるようになってきたんだとか。それにすごく喜んでいた。
赤ん坊の頃から仕えているので、子供の成長を見るようで嬉しいんだとか。だから、俺達にもゴッツさん達にも感謝していた。
俺達は馬車に乗せてもらったから逆に助かったんだ。礼を言われるのはなんだかむず痒い感じ。護衛として居たから報酬代わりって事でいいんだけどな。
「おっ肉ー!」
ミリアはなんでもいいんだろう。なんでも食べるからなこの子は。
元々金がなかったからな。なんでも食べないと生きていけなかったんだろう。
ダンテさんにはいつも美味しいご飯を野営でも、街でもご馳走してくれて感謝してる。おかげで旅の資金はまだまだ余裕がある。
ステーキ屋に入るとそれぞれでグラムを指定して注文する。
いい匂いが辺りに漂っている。俺はミリアの後ろに控えるように立っている。こうすることで騎士っぽいだろ?
「ナイルも食べる?」
進化したらな。
「うん! 頑張って進化できるようにモンスター、いっぱい倒そうね!」
だな。
俺達の当面の目標は決まった。
俺自身の進化を目指す。
ゴッツさんから聞いた進化の条件は俺自身のレベルを100にすること。
王都に着いたら竜の谷を目指しながらモンスターを討伐しながら旅をすれば着く頃にはかなりいい感じにレベルが上がっているはずだ。
王都からさらに西は魔境と呼ばれるモンスターが多数徘徊する地域。しかもランクはB以上ときた。
まずは、王都で剣を作り、ミリアの装備も新調する。
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