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39.いつの時代?
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浴衣に着替えた翔真達は温泉に向かっていた。
「温泉は楽しみだなぁ」
「お風呂はどんな感じなんでしょうね? 楽しみですよね!?」
『僕も温泉とかは初めてだなぁ』
奥に行くと男湯と女湯とかかれた暖簾がある。
『僕性別ないから』
そう言いながら女湯の方に一歩踏み出す。
「おい。若女将に言いつけるぞ?」
スっと一歩下がって男湯の方に来る。
『あの人怒ったら恐そう』
大人しく中に入る。
それぞれ服を入れるカゴがある。
浴衣を脱いで入れると風呂に向かう。
扉を開けると。
広々とした内風呂。
扉の向こうには露天風呂がある。
「おぉ。すげぇいいな」
先客が居るようで5人ほどで露天風呂を陣取っている。
『先客が居たね?』
「あぁ、だな」
身体を洗う。
さっぱりした所でいよいよ温泉だ。
中に一歩入ると少し暑いお湯であった。
全身浸かると身体が温まる。
「あぁー。気持ちいいなぁ」
「はぁぁぁ。良いですねぇ。このお湯加減最高です」
『おぉぉぉ。こういう感じなんだ温泉。良いねぇ、気持ちいい』
お風呂を堪能していると、外から窓越しに声が聞こえてくる。
「なぁ、若女将すげぇ綺麗じゃなかったか!?」
「あれは、やべぇな。お酌してくれねぇかな」
「ばっか! 誰がおめぇにお酌するんだよ! 俺と添い寝してくれねぇかな」
「お前こそ馬鹿かよ! 誰がおめぇと添い寝すんだよ!」
「分かんねぇだろ?」
「部屋に来てくれねぇかな?」
「あれ? 飯って宴会場だろ? 呼べば来るんじゃねぇか?」
「おぉ! 良いねぇ! お酌して貰えんじゃん!」
「ちょっとくらいお触りしても構わねぇよな?」
「ハッハッハッ! だな! こっちは金払ってんだからよぉ。じゃなきゃこんなボロ宿に来ねぇよな!?」
「だな! 若女将が綺麗だって言うから来てやってんだからよぉ」
ビキビキッ
コメカミが食いしばった力に耐えきれず音を鳴らす。
『翔真、気持ちは分かるけど我慢だよ。ここで喧嘩したら若女将が困るよ』
「あぁ。わかってる……」
「しっかし、何処にでもあぁいう輩は居るんですねぇ。実に下品だ」
そんな話をしていると露天風呂から中に入って来た。
こちらを見るとゲラゲラ笑いだした。
「おい! 魔物が温泉入ってるぞ!」
「ハッハッハッ! 面白ぇ! 他2人はモヤシ!」
チラッと一斗を見ると身体が見えないように首までお湯に浸かって隠している。
俺も、たしかにモヤシだ。
ステータスは蘇芳のおかげで高くなっているため身体に見合わない力を出せている。
蘇芳が鍛練を勧めるのは肉体をステータスに合わせて行けば力が更に出せるとそう考えているからだ。
ただ、蘇芳を馬鹿にされるのは我慢がならねぇ。
立ち上がって抗議しようとすると。
ガシッと肩を掴まれた。
蘇芳を見ると首を振っている。
「ハッハッハッ! 魔物に止められてやがる!」
「適わないからやめなさいってか!?」
「アッハッハッ! 弱弱しいなぁ!」
「お前達まさか解放者じゃないだろうな?」
「おいおい! こんなモヤシが解放者なんて魔物と戦う仕事出来るわけねぇよ!」
「だよな? なんたって魔物連れてんだからよぉ! ハッハッハッ!」
一頻り笑った後に出ていく。
「あぁー。面白ぇ」
その一言を残して。
「露天風呂行こうぜ?」
蘇芳と一斗に声をかける。
「そうですね。綺麗な庭を見て心を癒しましょう」
『そうだね』
外に出ると、日本庭園が一望できた。
露天風呂に浸かりながら見る景色に酔いしれる。
「あぁ。綺麗だなぁ」
「この景色が理解できない人達は可哀想だ」
『たしかにね。この景色を見て綺麗だと思えないなんて可哀想だ』
3人は静かにしばらくの間露天風呂に浸かっていた。
内風呂の方に人が来たようだ。
「堪能したな。そろそろ出るか」
「そうですね。出ましょう」
『次の人に譲らないとね』
内風呂に戻ると再び身体を流し上がる事にした。
着替えると外に出る。
『これサラッとしてて気持ちいいね』
「そうだな。涼しいしな。だから温泉入った後はこれを着るんだろうな」
エントランスを通る際、若女将とすれ違った。
「あっ! そちらの方、ちょうど良かったですね!」
笑顔で蘇芳の浴衣を見て安心したように声をかけてくれる。
なんていい人なんだろう。
「はい! ちょうど良かったです! 有難う御座います!」
「あっ!」
そういうと、胸の前で両手を合わせて思い出したように言う。
「夕ご飯ですけど、お部屋にご案内に行きますね! そこの扉の先にある宴会場でご飯なので、準備出来たら呼びに行きます! 言うの忘れちゃいました」
ペロッと舌を出し笑う。
か……かわいぃ
か……かわいぃ!
『あれ? なんかエコー掛かってる?』
翔真と一斗の両方が心を撃ち抜かれたのであった。
「では、また!」
いそいそと去っていく若女将。
背中を見送る。
一斗を見ると目が合う。
同時にサムズアップ。
『意気投合しちゃったよ』
呆れたように言う蘇芳。
部屋に向かい寛ぐことにした。
ゴロゴロして過ごしていると。
コンコンッ
「夕食の準備出来ましたので1階の宴会場へ起こし下さい!」
「はぁーい!」
下に降りていく。
宴会場の扉を開ける。
目に飛び込んできた光景にドッと疲れた。
宴会場って聞いた時点で考えられたことだろう。
今から部屋でって言えないしな。
宴会場という事は他の部屋の人も一緒だったのだ。
要するに、温泉の時にあった失礼な輩どもが座っていたのだ。
「こちらにどうぞ」
案内された席は遠かったが、こちらを見ている。
「おいおい。魔物が浴衣なんて着てるぜ?」
「ハッハッハッ! ホントだ! 服なんて必要ないだろ?」
無視して飲み物を頼む。
「すみませーん! 生3つ下さい!」
「はい! 少々お待ちください!」
給仕をしている人にお願いする。
すぐに持ってきてくれた。
「おいおい! その魔物のビールは俺らに寄越せよ! 飲んだって意味ねぇって!」
無視して飲む蘇芳。
用意されていた御膳を食べる。
煮付けから口に運ぶ。
良い出汁の味が染み込んだ人参とゴボウ。
最高に美味しい。
「美味いな……」
「はい。凄く美味しいです」
『うん。凄く美味しい』
夕ご飯に舌鼓を打っていると。
遠くでまた騒いだ声がする。
「若女将呼べって! お酌させろよ!」
「若女将は忙しくてですね……」
「いいから呼べよ! 金払ってんだからよ!」
「……わかりました。少々お待ちください」
少しするとにこやかな顔で若女将がやってきた。
「なぁ、お酌してくれよ」
「畏まりました。おひとり様に1回ずつ注ぎますので、それでご勘弁下さい。私も仕事がありますので」
「お客様の相手するのも仕事じゃねぇのか?」
「そうだよなぁ! 相手してくれよぉ」
後ろから身体を抱き締めようとしている。
「お、おやめ下さい! ここはそのような場所ではございません!」
「あぁ!? 俺達解放者に逆らってタダで済むと思ってんのかぁ?」
「ですが、このような事は……」
「いいじゃねぇかよぉ」
足をなでなでしながら話している。
旅館の人達も中々割って入っていけない。
このままでは楽しい癒しの時間になるはずだった温泉宿での宿泊が……
「温泉は楽しみだなぁ」
「お風呂はどんな感じなんでしょうね? 楽しみですよね!?」
『僕も温泉とかは初めてだなぁ』
奥に行くと男湯と女湯とかかれた暖簾がある。
『僕性別ないから』
そう言いながら女湯の方に一歩踏み出す。
「おい。若女将に言いつけるぞ?」
スっと一歩下がって男湯の方に来る。
『あの人怒ったら恐そう』
大人しく中に入る。
それぞれ服を入れるカゴがある。
浴衣を脱いで入れると風呂に向かう。
扉を開けると。
広々とした内風呂。
扉の向こうには露天風呂がある。
「おぉ。すげぇいいな」
先客が居るようで5人ほどで露天風呂を陣取っている。
『先客が居たね?』
「あぁ、だな」
身体を洗う。
さっぱりした所でいよいよ温泉だ。
中に一歩入ると少し暑いお湯であった。
全身浸かると身体が温まる。
「あぁー。気持ちいいなぁ」
「はぁぁぁ。良いですねぇ。このお湯加減最高です」
『おぉぉぉ。こういう感じなんだ温泉。良いねぇ、気持ちいい』
お風呂を堪能していると、外から窓越しに声が聞こえてくる。
「なぁ、若女将すげぇ綺麗じゃなかったか!?」
「あれは、やべぇな。お酌してくれねぇかな」
「ばっか! 誰がおめぇにお酌するんだよ! 俺と添い寝してくれねぇかな」
「お前こそ馬鹿かよ! 誰がおめぇと添い寝すんだよ!」
「分かんねぇだろ?」
「部屋に来てくれねぇかな?」
「あれ? 飯って宴会場だろ? 呼べば来るんじゃねぇか?」
「おぉ! 良いねぇ! お酌して貰えんじゃん!」
「ちょっとくらいお触りしても構わねぇよな?」
「ハッハッハッ! だな! こっちは金払ってんだからよぉ。じゃなきゃこんなボロ宿に来ねぇよな!?」
「だな! 若女将が綺麗だって言うから来てやってんだからよぉ」
ビキビキッ
コメカミが食いしばった力に耐えきれず音を鳴らす。
『翔真、気持ちは分かるけど我慢だよ。ここで喧嘩したら若女将が困るよ』
「あぁ。わかってる……」
「しっかし、何処にでもあぁいう輩は居るんですねぇ。実に下品だ」
そんな話をしていると露天風呂から中に入って来た。
こちらを見るとゲラゲラ笑いだした。
「おい! 魔物が温泉入ってるぞ!」
「ハッハッハッ! 面白ぇ! 他2人はモヤシ!」
チラッと一斗を見ると身体が見えないように首までお湯に浸かって隠している。
俺も、たしかにモヤシだ。
ステータスは蘇芳のおかげで高くなっているため身体に見合わない力を出せている。
蘇芳が鍛練を勧めるのは肉体をステータスに合わせて行けば力が更に出せるとそう考えているからだ。
ただ、蘇芳を馬鹿にされるのは我慢がならねぇ。
立ち上がって抗議しようとすると。
ガシッと肩を掴まれた。
蘇芳を見ると首を振っている。
「ハッハッハッ! 魔物に止められてやがる!」
「適わないからやめなさいってか!?」
「アッハッハッ! 弱弱しいなぁ!」
「お前達まさか解放者じゃないだろうな?」
「おいおい! こんなモヤシが解放者なんて魔物と戦う仕事出来るわけねぇよ!」
「だよな? なんたって魔物連れてんだからよぉ! ハッハッハッ!」
一頻り笑った後に出ていく。
「あぁー。面白ぇ」
その一言を残して。
「露天風呂行こうぜ?」
蘇芳と一斗に声をかける。
「そうですね。綺麗な庭を見て心を癒しましょう」
『そうだね』
外に出ると、日本庭園が一望できた。
露天風呂に浸かりながら見る景色に酔いしれる。
「あぁ。綺麗だなぁ」
「この景色が理解できない人達は可哀想だ」
『たしかにね。この景色を見て綺麗だと思えないなんて可哀想だ』
3人は静かにしばらくの間露天風呂に浸かっていた。
内風呂の方に人が来たようだ。
「堪能したな。そろそろ出るか」
「そうですね。出ましょう」
『次の人に譲らないとね』
内風呂に戻ると再び身体を流し上がる事にした。
着替えると外に出る。
『これサラッとしてて気持ちいいね』
「そうだな。涼しいしな。だから温泉入った後はこれを着るんだろうな」
エントランスを通る際、若女将とすれ違った。
「あっ! そちらの方、ちょうど良かったですね!」
笑顔で蘇芳の浴衣を見て安心したように声をかけてくれる。
なんていい人なんだろう。
「はい! ちょうど良かったです! 有難う御座います!」
「あっ!」
そういうと、胸の前で両手を合わせて思い出したように言う。
「夕ご飯ですけど、お部屋にご案内に行きますね! そこの扉の先にある宴会場でご飯なので、準備出来たら呼びに行きます! 言うの忘れちゃいました」
ペロッと舌を出し笑う。
か……かわいぃ
か……かわいぃ!
『あれ? なんかエコー掛かってる?』
翔真と一斗の両方が心を撃ち抜かれたのであった。
「では、また!」
いそいそと去っていく若女将。
背中を見送る。
一斗を見ると目が合う。
同時にサムズアップ。
『意気投合しちゃったよ』
呆れたように言う蘇芳。
部屋に向かい寛ぐことにした。
ゴロゴロして過ごしていると。
コンコンッ
「夕食の準備出来ましたので1階の宴会場へ起こし下さい!」
「はぁーい!」
下に降りていく。
宴会場の扉を開ける。
目に飛び込んできた光景にドッと疲れた。
宴会場って聞いた時点で考えられたことだろう。
今から部屋でって言えないしな。
宴会場という事は他の部屋の人も一緒だったのだ。
要するに、温泉の時にあった失礼な輩どもが座っていたのだ。
「こちらにどうぞ」
案内された席は遠かったが、こちらを見ている。
「おいおい。魔物が浴衣なんて着てるぜ?」
「ハッハッハッ! ホントだ! 服なんて必要ないだろ?」
無視して飲み物を頼む。
「すみませーん! 生3つ下さい!」
「はい! 少々お待ちください!」
給仕をしている人にお願いする。
すぐに持ってきてくれた。
「おいおい! その魔物のビールは俺らに寄越せよ! 飲んだって意味ねぇって!」
無視して飲む蘇芳。
用意されていた御膳を食べる。
煮付けから口に運ぶ。
良い出汁の味が染み込んだ人参とゴボウ。
最高に美味しい。
「美味いな……」
「はい。凄く美味しいです」
『うん。凄く美味しい』
夕ご飯に舌鼓を打っていると。
遠くでまた騒いだ声がする。
「若女将呼べって! お酌させろよ!」
「若女将は忙しくてですね……」
「いいから呼べよ! 金払ってんだからよ!」
「……わかりました。少々お待ちください」
少しするとにこやかな顔で若女将がやってきた。
「なぁ、お酌してくれよ」
「畏まりました。おひとり様に1回ずつ注ぎますので、それでご勘弁下さい。私も仕事がありますので」
「お客様の相手するのも仕事じゃねぇのか?」
「そうだよなぁ! 相手してくれよぉ」
後ろから身体を抱き締めようとしている。
「お、おやめ下さい! ここはそのような場所ではございません!」
「あぁ!? 俺達解放者に逆らってタダで済むと思ってんのかぁ?」
「ですが、このような事は……」
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