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10.墓参り
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「おばちゃん、戻ってきたらまた来るね!」
「はいよ。無事に戻ってくるんだよ!」
「うん! ありがと!」
宿を出ると蘇芳と2人で並んで歩く。
街行く人の見る目はもう慣れたようで差程注視はされなくなった。
しかし、たまに初めて見る人が魔物ぉ!と言って驚くことがあるが、俺が宥めてる。
『ねぇ、お墓って何処にあるの?』
「街のハズレの方にあるんだ。こっち」
指をさしながら墓の方向に向かう。
「俺と両親が住んでた家があっちにあるんだ」
『へぇ。家があったんだ? 凄いね』
「ちっちゃい家だったけどね……」
町外れに差し掛かったところで、畑仕事をしていたおじさんに声を掛けられる。
「ありゃ!? もしかして翔真くんか!?」
「はい。そうですけど」
おじさんは本当に驚いたように目を見開いてジィっと翔真を見ている。
「たまげたなぁ。大きぐなって。この町にまだ居だんだなぁ。会えてよかっだぁ」
「俺の事知ってるんですか?」
「んだべなぁ。小さい頃にあったっきりあんまり会ってねぇから忘れたべなぁ。おらはな、昔ここに住んでて、1回出稼ぎで別の領に言ってたんだ。そんで、去年戻ってきたんだよ」
「そうだったんですね。すみません。覚えてなくて」
「ご両親は元気がい?」
「すみません。2年前にダンジョンで亡くなってしまって……」
「なんと!? 翔真くんを残してか!? ご両親、残念だったなぁ。翔真くんは大丈夫が?」
「そうですね……この前までバイト掛け持ちだったんですけど、俺もダンジョンで稼げるようになったので」
「そうがぁ。凄いな翔真くん。職業が戦闘職だったのかい?」
「いえ、テイマーです」
「はぁ!? テイマーがダンジョンで稼げるのが!?」
「この隣の魔物がパートナーなんです。蘇芳って名付けてまして」
蘇芳が頭を下げる。
『ウーガァガッ! ウーガガーウガッウウガウガッ!(こんにちは! パートナーの蘇芳です!)』
「はぁ。たまげた。魔物がこんなに礼儀正しいなんてのぉ」
「それは、蘇芳が特別だからだと思います」
「そーか。強そうだから安心だな」
「そうですね。蘇芳が強い分僕も強くなるんです!」
「それが本当だったらすげぇな? ハッハッハッ」
おっちゃんはそう言って冗談だと思って笑っていた。
まぁ、無理に信じてもらう必要も無い。
それより、初めて両親を知る人に会った。
両親の話を聞いてみたい。
「あのっ! 両親の話、聞かせて貰えませんか!?」
「そうさなぁ。あれはここに住み始めてから1月経った頃だったかな……」
◇◆◇
10数年前
「ねぇ、ここがいいんじゃない!?」
「おぉ! ここが空いてるなら良いかもな!」
翔真くんのご両親はうちの隣の土地を気に入ったようでなぁ。
嬉しそうに土地を見ていておらに話しかけてきたんだ。
「あのー! ここの土地って空いてるんですかね?」
「おらが来る前から何もねぇから空いてるんでねぇかな」
「そうですか! ありがとうございます!」
この世界の日本では空いてる土地を先に見つけた人が使っていい、というような緩い感じであった。
翔真くんの両親はそこに自分達で家を建ててな。
おれからしたら驚きだったよ。なんでも出来るご両親だった。
ある時旦那さんが剣の稽古をしていてね。
熱心ですねって声をかけたんだ。
そしたら、パーティーの要は俺だから俺が強くないといけないんだと、そう言っていた。
◇◆◇
「ちょっと待ってください! パーティーって言ってたんですか!?」
「んだ」
「って事は母さんと組んでるだけじゃなかったんだ。他に仲間がいた?」
「んだかもな。たしか5人って言ってたべ」
「他に3人もいる!? それなら、なんで父さん達が死んだのか分かる人がいるかもしれない」
「誰かが生きてればだけんどな」
「……確かに。全滅した可能性もあるか」
「パーティー名とかなんか言ってませんでしたか!?」
顎に手を当てて考え込む。
「んーーーー。聞いた気がすんなぁ。空翔ける翼って言ってた気がすんだ。それでたしか翔真くんの1文字をパーティー名から取ったっていってたがら」
「空翔ける翼ですね! ありがとうございます! それが分かれば、メンバーを探せます!」
「やぐにたってよがっだ。無理すんなよ? 死んではいかん」
「……はい。ありがとうございます」
隣のおっちゃんに礼を言い、両親の墓に向かう。
『翔真、なんか思わぬ所で両親のことを聞けてよかったね!』
「そうだな! 両親を知ってる人を探してどんな活躍をしていたのかを知りたいなぁ。俺さ、何も知らねぇんだ」
『ふぅーん。知ってる人に会えたらいいね!』
「あぁ。あっ、ここだよ」
元の家の裏に大きめの石を立てて作ったお墓であった。
ダンジョンで亡くなったと言われただけで遺体があった訳では無いので、地中には何も無いのだ。
手を合わせる。
父さん、母さん、俺は1人で何とか生きてるよ。
最近、魔物をテイムしたら凄い強くなったんだよ?
今はダンジョン攻略してるんだ。
いっぱいダンジョン攻略して、大金持ちになる!
それは、両親に言うことなのだろうか。
ふっと気づくと隣に蘇芳がしゃがんで手を合わせていた。
「蘇芳。ありがとな」
『ううん。魔物って跡形も残らないからさ、人間って不思議だよね』
「まぁ、ここには遺体はないけどな。ダンジョンで死んだってことしか言われてないから」
『あー。そっか。じゃあ、生きてるかもしれないね?』
「それを考えてた時期もあった。でも、そう考えて期待してると本当に死んでた時にガッカリしちゃうから……だからそう考えるのは辞めたんだ」
『ふーん。そっか。なんか人間って複雑だね』
「はははっ。そうだなぁ。無駄に複雑な気がするよなぁ人間って」
井戸から水を汲む。
汲んだ水をお墓の石にかけ布で擦る。
「少し綺麗にしておくかな」
『それを綺麗にして意味があるの?』
「んーーー。意味は無いかも……けど何となく綺麗にしておこうかなって」
『やっぱり人間って複雑だ』
「あはははっ! そうだな!」
ゴシゴシッと石を水で磨き綺麗にすると、再び手を合わせる。
「ふぅ。よしっ! いくか! 父さん、母さん! ちょっと遠くに行ってきます!」
初めての隣の領だからちょっと不安もあるけど、蘇芳と一緒なら大丈夫だよな!
初めての遠出だけど、準備は万端だしな!
気合い入れていくぞ!
「蘇芳! 頼りにしてるからな!」
『うん! 頼ってくれていいよ! 僕と翔真なら何者にも勝てる!』
「おう! 流石王だな! 頼もしいぜ!」
『フッフッフッ。そうでしょうそうでしょう』
「……土に隠れてたけどな」
『それは良くない!? 今カッコつけてたところなんだからわざわざあの時のことを言わなくても良くない!?』
「ハッハッハッ! ホントに蘇芳には感謝してるよ……俺の生活が激変したんだからさ。バイト生活ともおさらばだ」
『そう? よかった!』
ガシッ
手を組み合って見つめ合う。
「頼むぜ相棒!」
『うん! 任せて!』
翔真と蘇芳のコンビの無双劇が開幕する。
「はいよ。無事に戻ってくるんだよ!」
「うん! ありがと!」
宿を出ると蘇芳と2人で並んで歩く。
街行く人の見る目はもう慣れたようで差程注視はされなくなった。
しかし、たまに初めて見る人が魔物ぉ!と言って驚くことがあるが、俺が宥めてる。
『ねぇ、お墓って何処にあるの?』
「街のハズレの方にあるんだ。こっち」
指をさしながら墓の方向に向かう。
「俺と両親が住んでた家があっちにあるんだ」
『へぇ。家があったんだ? 凄いね』
「ちっちゃい家だったけどね……」
町外れに差し掛かったところで、畑仕事をしていたおじさんに声を掛けられる。
「ありゃ!? もしかして翔真くんか!?」
「はい。そうですけど」
おじさんは本当に驚いたように目を見開いてジィっと翔真を見ている。
「たまげたなぁ。大きぐなって。この町にまだ居だんだなぁ。会えてよかっだぁ」
「俺の事知ってるんですか?」
「んだべなぁ。小さい頃にあったっきりあんまり会ってねぇから忘れたべなぁ。おらはな、昔ここに住んでて、1回出稼ぎで別の領に言ってたんだ。そんで、去年戻ってきたんだよ」
「そうだったんですね。すみません。覚えてなくて」
「ご両親は元気がい?」
「すみません。2年前にダンジョンで亡くなってしまって……」
「なんと!? 翔真くんを残してか!? ご両親、残念だったなぁ。翔真くんは大丈夫が?」
「そうですね……この前までバイト掛け持ちだったんですけど、俺もダンジョンで稼げるようになったので」
「そうがぁ。凄いな翔真くん。職業が戦闘職だったのかい?」
「いえ、テイマーです」
「はぁ!? テイマーがダンジョンで稼げるのが!?」
「この隣の魔物がパートナーなんです。蘇芳って名付けてまして」
蘇芳が頭を下げる。
『ウーガァガッ! ウーガガーウガッウウガウガッ!(こんにちは! パートナーの蘇芳です!)』
「はぁ。たまげた。魔物がこんなに礼儀正しいなんてのぉ」
「それは、蘇芳が特別だからだと思います」
「そーか。強そうだから安心だな」
「そうですね。蘇芳が強い分僕も強くなるんです!」
「それが本当だったらすげぇな? ハッハッハッ」
おっちゃんはそう言って冗談だと思って笑っていた。
まぁ、無理に信じてもらう必要も無い。
それより、初めて両親を知る人に会った。
両親の話を聞いてみたい。
「あのっ! 両親の話、聞かせて貰えませんか!?」
「そうさなぁ。あれはここに住み始めてから1月経った頃だったかな……」
◇◆◇
10数年前
「ねぇ、ここがいいんじゃない!?」
「おぉ! ここが空いてるなら良いかもな!」
翔真くんのご両親はうちの隣の土地を気に入ったようでなぁ。
嬉しそうに土地を見ていておらに話しかけてきたんだ。
「あのー! ここの土地って空いてるんですかね?」
「おらが来る前から何もねぇから空いてるんでねぇかな」
「そうですか! ありがとうございます!」
この世界の日本では空いてる土地を先に見つけた人が使っていい、というような緩い感じであった。
翔真くんの両親はそこに自分達で家を建ててな。
おれからしたら驚きだったよ。なんでも出来るご両親だった。
ある時旦那さんが剣の稽古をしていてね。
熱心ですねって声をかけたんだ。
そしたら、パーティーの要は俺だから俺が強くないといけないんだと、そう言っていた。
◇◆◇
「ちょっと待ってください! パーティーって言ってたんですか!?」
「んだ」
「って事は母さんと組んでるだけじゃなかったんだ。他に仲間がいた?」
「んだかもな。たしか5人って言ってたべ」
「他に3人もいる!? それなら、なんで父さん達が死んだのか分かる人がいるかもしれない」
「誰かが生きてればだけんどな」
「……確かに。全滅した可能性もあるか」
「パーティー名とかなんか言ってませんでしたか!?」
顎に手を当てて考え込む。
「んーーーー。聞いた気がすんなぁ。空翔ける翼って言ってた気がすんだ。それでたしか翔真くんの1文字をパーティー名から取ったっていってたがら」
「空翔ける翼ですね! ありがとうございます! それが分かれば、メンバーを探せます!」
「やぐにたってよがっだ。無理すんなよ? 死んではいかん」
「……はい。ありがとうございます」
隣のおっちゃんに礼を言い、両親の墓に向かう。
『翔真、なんか思わぬ所で両親のことを聞けてよかったね!』
「そうだな! 両親を知ってる人を探してどんな活躍をしていたのかを知りたいなぁ。俺さ、何も知らねぇんだ」
『ふぅーん。知ってる人に会えたらいいね!』
「あぁ。あっ、ここだよ」
元の家の裏に大きめの石を立てて作ったお墓であった。
ダンジョンで亡くなったと言われただけで遺体があった訳では無いので、地中には何も無いのだ。
手を合わせる。
父さん、母さん、俺は1人で何とか生きてるよ。
最近、魔物をテイムしたら凄い強くなったんだよ?
今はダンジョン攻略してるんだ。
いっぱいダンジョン攻略して、大金持ちになる!
それは、両親に言うことなのだろうか。
ふっと気づくと隣に蘇芳がしゃがんで手を合わせていた。
「蘇芳。ありがとな」
『ううん。魔物って跡形も残らないからさ、人間って不思議だよね』
「まぁ、ここには遺体はないけどな。ダンジョンで死んだってことしか言われてないから」
『あー。そっか。じゃあ、生きてるかもしれないね?』
「それを考えてた時期もあった。でも、そう考えて期待してると本当に死んでた時にガッカリしちゃうから……だからそう考えるのは辞めたんだ」
『ふーん。そっか。なんか人間って複雑だね』
「はははっ。そうだなぁ。無駄に複雑な気がするよなぁ人間って」
井戸から水を汲む。
汲んだ水をお墓の石にかけ布で擦る。
「少し綺麗にしておくかな」
『それを綺麗にして意味があるの?』
「んーーー。意味は無いかも……けど何となく綺麗にしておこうかなって」
『やっぱり人間って複雑だ』
「あはははっ! そうだな!」
ゴシゴシッと石を水で磨き綺麗にすると、再び手を合わせる。
「ふぅ。よしっ! いくか! 父さん、母さん! ちょっと遠くに行ってきます!」
初めての隣の領だからちょっと不安もあるけど、蘇芳と一緒なら大丈夫だよな!
初めての遠出だけど、準備は万端だしな!
気合い入れていくぞ!
「蘇芳! 頼りにしてるからな!」
『うん! 頼ってくれていいよ! 僕と翔真なら何者にも勝てる!』
「おう! 流石王だな! 頼もしいぜ!」
『フッフッフッ。そうでしょうそうでしょう』
「……土に隠れてたけどな」
『それは良くない!? 今カッコつけてたところなんだからわざわざあの時のことを言わなくても良くない!?』
「ハッハッハッ! ホントに蘇芳には感謝してるよ……俺の生活が激変したんだからさ。バイト生活ともおさらばだ」
『そう? よかった!』
ガシッ
手を組み合って見つめ合う。
「頼むぜ相棒!」
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