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31.邪魔者
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「こっちですわ!」
サーヤの手を引いていたローラ。
二人は友達になったようだ。
サーヤの旅の疲れがとれればいいのだが。
二人はアクセサリーショップの前で何やら悩み始める。
それぞれに似合うアクセサリーを買いたいが魔法付与されている物にするかと誰がお金を払うかで悩んでいるんだとか。
どうせなら魔法付与をおすすめするが。
ローラがお金を出すからいいとサーヤが言われていた。
それに抵抗するサーヤというところ。
「お二人さん、俺が買ってあげようか?」
「おじ様、いいのですわ。ワタクシが買いたいんですの」
「そうか?」
サーヤは遠慮しているみたいで、お金を出そうとしている。それをローラに止められている状況。
「じゃあ、ローラのはサーヤが買ってやったらどうだ? サーヤのはローラが買う。それで付けてあげればいい」
「ししょー! ナイスです! そうしようローラ!」
「サーヤがそれでいいならいいですわ」
俺の案はなんとか審査を通ったようだ。これで二人が納得する買い物になった。それが俺は嬉しかった。喧嘩はしてほしくないしな。
二人はそれぞれ吟味している。
少し悩んだ後に手に取った。
サーヤが選んだのは、ローラの金の髪に目立つであろうブラックオパールのネックレスであった。
ローラが選んだのは、サーヤの水色の髪にあう深い青の宝石の入った銀の髪留めであった。
「わぁー! 凄く綺麗な髪飾り!」
「これもいいですわ。黒い宝石のネックレスなんて!」
「なんか映えると思ったの!」
二人とも大喜びである。
アクセサリーをお互いに付けあうと再び手をつないで歩き出した。
年齢も近いようだし。
はたから見れば姉妹のようにも見える。
ご機嫌なようでなによりだ。
「ここはギルドですわ!」
「わぁー! ここのギルド大きいねぇ!」
この街は規模がデカいだけあってギルドも大きかった。
「──だから、昨日の夜からいねぇんだよ!」
急にギルドから怒鳴り声が聞こえたかと思うと勢いよく扉が開いた。
その男はローラに視線を移すと血相を変えた。
「あの時の逃げた女! お前か! 俺の仲間をどこへやった!」
ローラを掴もうとしていた腕を掴むと捻りあげた。
「ぐわっ! なんだテメェ!」
「俺の連れだ。やめてもらおうか」
「その女が、俺達の仲間を消したに違いない!」
その男はドタバタと暴れながらよくわからないことを言っている。
詳しく話を聞くため、ちょっと強めに抑え込んだ。
「暴れるな。わけを話せ」
「ぐっ!……仲間が二人、上玉の女を見つけたって出て行ったんだ。それが朝になっても戻ってこねぇ!」
「で? なぜ、その子を?」
「ソイツは俺達が前に狙って取り逃がしたからだ!」
あぁ。話が分かってきた。前にローラを狙っていたクズ野郎の仲間で、そいつらは昨日の夜女を狙いに行った。
なるほど、それはヤマトが食っちまったからなぁ。コイツも生かしていると面倒だが。ここで殺すわけにもいかん。
それにヤマトはしばらく食えないと言っていた。だからこいつは話すしかないんだが。
その男に顔を近づける。
「その二人なら俺が始末した。あそこにいる二人の女性は俺の大切な娘みたいなもんだ。手ぇ出してみろ? この世の地獄をみせてやるぞ? わかったか?」
男は無言でコクコクと頷いた。
ゆっくりと手を放すと俺を睨み付け、静かに街の外へと消えて行った。これでサーヤとローラは大丈夫だろう。
ローラは顔を覚えていたんだろう。震えていたようだ。
「ローラ。アイツはもう襲ってくることはない。この街から出て行った。心配するな」
「……すみません。思い出したら恐くて」
「そうだろうな。もう奴は来ないから心配するな」
「本当ですの?」
それでも不安そうな顔を見せる。だから耳打ちしてやった。
「事情があってアイツの仲間は俺達が始末した。だからもう現れることはない」
ローラは顔色が少し良くなった。
もうこの世にいないと聞いて気持ちがラクになったようだ。
「何から何まで有難う御座いますわ」
「気にするな。サーヤと楽しんでくれればそれでいい」
またサーヤと手をつないで歩き出した。
街には洋服屋もある。
女の子は服が好きだ。
「ここの服屋はワタクシのお気に入りなんですわ!」
「ねぇねぇ! ここにさ……下着もある?」
「ありますわ」
後半は俺達には聞こえないボリュームで何を話したかわからないが、おそらく買いたいものを買うのだろう。
この前までは平気で俺に下着買いたいと言っていたのになぜに急に恥ずかしがるのか。女の子は不思議なものだ。
服屋の中に入ると男物の服もある。それはヤマトも興味があったようでみんなで服をみることにした。
ヤマトはタンクトップしかきてない。下もダボッとしたパンツ。それを止めるためのサスペンダーをしている。
こんな不思議な服装をしていてなんの服を買うというのだろうか。
俺も少しインナーシャツを買うことにして、ヤマトのタンクトップも一緒に買ってやる。アイツお金ないからな。
あっちの女たちは自分で買った方が良いのだろう。見られたくないだろうから。
「ししょー! これどうですか? ピンクのかわいいですかね?」
トップを抑える下着と下にはく下着を俺に見せてきた。
この子は本当に何を考えているのだろう。
俺は顔を赤くしながら頭を悩ませるのだった。
サーヤの手を引いていたローラ。
二人は友達になったようだ。
サーヤの旅の疲れがとれればいいのだが。
二人はアクセサリーショップの前で何やら悩み始める。
それぞれに似合うアクセサリーを買いたいが魔法付与されている物にするかと誰がお金を払うかで悩んでいるんだとか。
どうせなら魔法付与をおすすめするが。
ローラがお金を出すからいいとサーヤが言われていた。
それに抵抗するサーヤというところ。
「お二人さん、俺が買ってあげようか?」
「おじ様、いいのですわ。ワタクシが買いたいんですの」
「そうか?」
サーヤは遠慮しているみたいで、お金を出そうとしている。それをローラに止められている状況。
「じゃあ、ローラのはサーヤが買ってやったらどうだ? サーヤのはローラが買う。それで付けてあげればいい」
「ししょー! ナイスです! そうしようローラ!」
「サーヤがそれでいいならいいですわ」
俺の案はなんとか審査を通ったようだ。これで二人が納得する買い物になった。それが俺は嬉しかった。喧嘩はしてほしくないしな。
二人はそれぞれ吟味している。
少し悩んだ後に手に取った。
サーヤが選んだのは、ローラの金の髪に目立つであろうブラックオパールのネックレスであった。
ローラが選んだのは、サーヤの水色の髪にあう深い青の宝石の入った銀の髪留めであった。
「わぁー! 凄く綺麗な髪飾り!」
「これもいいですわ。黒い宝石のネックレスなんて!」
「なんか映えると思ったの!」
二人とも大喜びである。
アクセサリーをお互いに付けあうと再び手をつないで歩き出した。
年齢も近いようだし。
はたから見れば姉妹のようにも見える。
ご機嫌なようでなによりだ。
「ここはギルドですわ!」
「わぁー! ここのギルド大きいねぇ!」
この街は規模がデカいだけあってギルドも大きかった。
「──だから、昨日の夜からいねぇんだよ!」
急にギルドから怒鳴り声が聞こえたかと思うと勢いよく扉が開いた。
その男はローラに視線を移すと血相を変えた。
「あの時の逃げた女! お前か! 俺の仲間をどこへやった!」
ローラを掴もうとしていた腕を掴むと捻りあげた。
「ぐわっ! なんだテメェ!」
「俺の連れだ。やめてもらおうか」
「その女が、俺達の仲間を消したに違いない!」
その男はドタバタと暴れながらよくわからないことを言っている。
詳しく話を聞くため、ちょっと強めに抑え込んだ。
「暴れるな。わけを話せ」
「ぐっ!……仲間が二人、上玉の女を見つけたって出て行ったんだ。それが朝になっても戻ってこねぇ!」
「で? なぜ、その子を?」
「ソイツは俺達が前に狙って取り逃がしたからだ!」
あぁ。話が分かってきた。前にローラを狙っていたクズ野郎の仲間で、そいつらは昨日の夜女を狙いに行った。
なるほど、それはヤマトが食っちまったからなぁ。コイツも生かしていると面倒だが。ここで殺すわけにもいかん。
それにヤマトはしばらく食えないと言っていた。だからこいつは話すしかないんだが。
その男に顔を近づける。
「その二人なら俺が始末した。あそこにいる二人の女性は俺の大切な娘みたいなもんだ。手ぇ出してみろ? この世の地獄をみせてやるぞ? わかったか?」
男は無言でコクコクと頷いた。
ゆっくりと手を放すと俺を睨み付け、静かに街の外へと消えて行った。これでサーヤとローラは大丈夫だろう。
ローラは顔を覚えていたんだろう。震えていたようだ。
「ローラ。アイツはもう襲ってくることはない。この街から出て行った。心配するな」
「……すみません。思い出したら恐くて」
「そうだろうな。もう奴は来ないから心配するな」
「本当ですの?」
それでも不安そうな顔を見せる。だから耳打ちしてやった。
「事情があってアイツの仲間は俺達が始末した。だからもう現れることはない」
ローラは顔色が少し良くなった。
もうこの世にいないと聞いて気持ちがラクになったようだ。
「何から何まで有難う御座いますわ」
「気にするな。サーヤと楽しんでくれればそれでいい」
またサーヤと手をつないで歩き出した。
街には洋服屋もある。
女の子は服が好きだ。
「ここの服屋はワタクシのお気に入りなんですわ!」
「ねぇねぇ! ここにさ……下着もある?」
「ありますわ」
後半は俺達には聞こえないボリュームで何を話したかわからないが、おそらく買いたいものを買うのだろう。
この前までは平気で俺に下着買いたいと言っていたのになぜに急に恥ずかしがるのか。女の子は不思議なものだ。
服屋の中に入ると男物の服もある。それはヤマトも興味があったようでみんなで服をみることにした。
ヤマトはタンクトップしかきてない。下もダボッとしたパンツ。それを止めるためのサスペンダーをしている。
こんな不思議な服装をしていてなんの服を買うというのだろうか。
俺も少しインナーシャツを買うことにして、ヤマトのタンクトップも一緒に買ってやる。アイツお金ないからな。
あっちの女たちは自分で買った方が良いのだろう。見られたくないだろうから。
「ししょー! これどうですか? ピンクのかわいいですかね?」
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この子は本当に何を考えているのだろう。
俺は顔を赤くしながら頭を悩ませるのだった。
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