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遊び相手の令息3人が卒業し、レイチェルはもうすぐ2年生、セザールは最終学年の4年生になる直前。

15歳を過ぎたレイチェルは王女としての初公務で隣国王太子アリオスに出会った。 
一目惚れだった。

いかに素晴らしい王太子だったかをセザールに語った。
セザールはレイチェルがたった一度会っただけの王太子の話ばかりすることにうんざりしていた。


何としてでもアリオスと結婚したい。


王女である自分が公爵令息の妻になるのはおかしい。
王女は王太子と結婚するべきだ。
王太子であるアリオスが侯爵令嬢と結婚するのもおかしい。
王太子は王女と結婚するべきだ。


それなら早く婚約解消してくれ、とセザールは思っていた。


レイチェルはどうしたらいいか考え始めた。
レイチェルはいろいろ考えて、まず婚約者であるセザールを襲った。
酒に少しだけ眠り薬を混ぜたのだ。

セザールが逃げないように縛ってから、セザールのモノを扱いて立たせた。
目が覚めたセザールが抵抗しても動けない。
その間に、レイチェルはセザールのモノを自分の中に入れた。
上下に動き、射精を促し、体内に出させた。

これで、婚約者に一度無理やり襲われた、という状況が成り立った。
実際に襲われたのはレイチェルではなくセザールだが。

アリオスとの初夜で純潔でないとバレても、元婚約者に無理やり……という言い訳のためだ。

 
セザールは今度から自分が相手をしないといけないのかと絶望したが、その後は誘われることもなかった。


しかしある日、知らない令嬢から届かない物を取ってほしいとお願いされ、教室に連れていかれた。
『どれのこと?』とセザールが令嬢を見ると、いきなり服装を乱して叫び声をあげた。
駆けつけてきたのは数人の生徒と教師、それにレイチェル。

レイチェルは密かに笑っていた。
 
嵌められたのだとわかった。

襲われたように見えた令嬢は、その直後、姿を消した。
どこの誰だかはわからないまま。
もちろん、セザールは否定した。いきなり自分で服を乱して叫んだのだと。
だけど、何人もの人が現場を見たため、レイチェルの婚約破棄の言い分が認められた。

慰謝料を払うことにもなったが、レイチェルと結婚せずに済んだことにホッとした。
両親には正直に、何もしていないこととレイチェルの浮気、嵌められたことを伝えた。
信じてくれて廃嫡もされず、仲の良かった従妹が新たな婚約者になってくれた。

レイチェルが隣国に留学して王太子と婚約したことを知った時、驚いた。
相手にも婚約者がいたはず。
レイチェルが何かしたかもしれないとも思った。

隣国の王太子はレイチェルが純潔だと騙されて結婚するのだと思った。
しかし、それを伝える気はなかった。
レイチェルに何をされるかわからないから。


ただ、後になって気になったのがいつまで経ってもレイチェルが子を産んだと聞かないことだった。

一時だけ流行った避妊薬があったことを思い出した。
一度飲むと、次の月のものが来るまで避妊できると言われたもの。
月のものが終わると、また飲む。
娼婦に流行ったものが、貴族でも少し流行ったらしい。

人にもよるが半年、つまり6回ほど毎月続けて飲んだ場合、その後にやめても妊娠し難いらしい。
妊娠したくない娼婦や、貴族でもこれ以上子供はいらないという夫婦にはいいが、いつか子供を望む女性には良くない薬だと出回ることがなくなった。

レイチェルの遊び相手だった3人の男の妻たちも妊娠していない。
離婚や愛人の子を育てたりしているということだ。
レイチェルも、あの男たちからその避妊薬を貰って続けて飲んだのではないか。
だから、未だに妊娠しないのではないか。

この避妊薬の話は、前に来た人には話していない。
彼らが帰った後に、昔の話をしたせいでこの薬を思い出してあの男たちの妻が妊娠したかを調べたから。


ということだった。
 




 
 
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