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ユーフィリアとアディールの再婚話はトントンと纏まり、離婚後半年経ってからすぐに入籍することになった。

再婚同士で結婚式はする気になれず、入籍後の両家の食事会でそれっぽいドレスを着るだけになった。

4か月の婚約期間で何度もグリーン伯爵領に行き、いろいろ打合せをしたり部屋を整えたりした。

グリーン家は伯爵家、前の嫁ぎ先のオラン家も伯爵家、ちなみにうちも伯爵家。
なのでそれほど戸惑うこともなく、使用人との関係も問題なく、4か月が過ぎた。



入籍後、食事会をして、初夜となった。
 
正直言うと、ユーフィリアは閨事が久しぶりなのだ。

前夫ボルトと結婚してすぐに妊娠。
妊娠初期は閨事を我慢してもらった。
しかし、医師の許可が出た途端、あの男は躊躇なく普通に抱いた。
いや、あの男の普通は優しくないと思うから流産するんじゃないかと怖かった。
それが妊娠後期まで続いた。

リディアが少し早く産まれたのはあの男のせいだと思っている。

出産直後も盛ろうとするあの男を拒否すると、医師の許可が出るのを我慢ができずに遊び始めた。
 
それ以来、寝室は別。

つまり、結婚1年目以降、閨事はしていなかった。

あんな下半身にだらしのない男だとは思っていなかった。
婚約時から妊娠発覚辺りまでは、ほのかな好意程度はあった。
良いところもないが悪いところもない平々凡々男だと思っていたから。

だけど、『医師の許可はまだか?』と妻である私を精の捌け口としか思っていないような態度に幻滅した。
そして、生まれてから4年間、リディアに構おうともしない態度にどうでもよくなった。

リディアに会えなくなったのは寂しいが、離婚は後悔していない。


そんなことを考えていると、アディールが寝室に来た。

アディールは前夫ボルトと違い、驚くほど優しく触れ、丁寧に体を解してくれて、その上、長い間、行為が続いた。
いや、これが普通で、ボルト早かったのか。どちらが普通なのかはわからない。
ただわかるのは、非常に気持ちよかったということ。

素直にアディールにそう告げると、2度目が始まってしまったけど。

婚約時は紳士だったから妹枠から抜け出せるか不安だったけど、そんな心配は全く必要なかったみたい。
情熱的なアディールとの閨事は、求められる喜びを与えてくれた。

経験豊富なアビゲイルが元夫との行為になぜ満足しているのか疑問に思った。
あの男は自分がしたいようにする。
ひょっとしてお互いが自分勝手だから盛り上がるのかしら?



そんな感じで体の相性も良く、アディールとは仲はどんどんと深まり幸せな新婚生活が始まった。

そして、すぐ妊娠が判明した。

アディールは驚いて固まった後、目を潤ませて喜んでユーフィリアを抱きしめた。


「ありがとう。」


その言葉がとても嬉しかった。


王都にいる伯爵夫妻と実家にも伝えた。
期待半分、不安半分で数年を過ごすつもりだった両方の親たちも大喜びとなったそうだ。

そして、無事に臨月を迎えて出産。男の子だった。名前はジョイル。

1年半後、更に女の子を出産した。名前はサミア。 


領地で子供たちを育てながら暮らしていたある日、友人から届いた手紙の内容に驚いた。

オラン伯爵家にいる娘リディアが冷遇されているかもしれない。そう書いてあったから。



 
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