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しおりを挟むどうしましょう。とんでもない娘を嫁に迎え入れてしまったわ。
ティナさんが出て行って、レーシアさんがファルクの嫁として侯爵家に入った。
公爵様がいらした時にファルクとの会話で嫌な予感はしていたんだけど……
「初めまして。レーシアです。
まだ貴族になって1年ちょっとです。
礼儀作法も一応習ったけど、あまり堅苦しいのは合わなくて。
とにかく、外ではニコニコして黙っておけってお父様には言われていました。
学園も辞めさせられたのでファルク様の妻としてお世話になりますね。」
第一印象はまだそれほど悪くはなかった。だけど……
「ファルク、子作りしよ?」
「レーシア、まだ昼だ。仕事があるから……」
「えぇー。夜じゃなくてもいいじゃない。」
「レーシアは今日からダンスを教わるんじゃなかったか?」
「あ、そっか。じゃあ子作りは夜にね!」
私の前でも平気でこんな会話をする。『ニコニコして黙っておけ』と言った公爵様は正しいわ。
その後、レーシアさんはダンス講師の男性を誘惑したらしい。……講師は女性にするわ。
使用人の中にも、誘われた者がいるらしい。……誘いに乗ればクビだと周知させたわ。
レーシアさんにもお願いした。…小言じゃないわ。
「レーシアさん、あなたにはこの侯爵家の血筋の子供を産む役目があるのです。
あなたが閨を共にするのはファルクです。
他の男性を誘惑することは不貞を犯すことになります。
そうすると、ファルクとは離婚して公爵家に戻ることになりますよ。」
「だって、ファルクは夜しか相手をしてくれないじゃない。」
「……通常は夜だけですよ。」
「でも学園では昼でも抱いてくれたわ?……あ、内緒だった。」
眩暈がした。そういえば、『学園を辞めさせられた』と言ってたわね。行為を見られたのかしら。
「あなたには学園に恋人がいたのね?
公爵様に言ってその方と結婚させてもらった方が良かったのではなくて?」
そうよ。お願いだから自分から出て行くと言って……
「恋人じゃないわ?誘ったら抱いてくれる男たちよ?誘われることもあったし。
何人かは固定でいたけれど、みんな婚約者がいたし。」
婚約者のいる令息を何人も相手をして問題になったのね……
「貴族令嬢は結婚するまで純潔を守るの。あなたは公爵家に来る前に経験があったのね?」
「ええ。亡くなった母の恋人がね、体でお金が稼げるって。
初めては貴族の方だったわ。大金をくれたの。
それからは昼と夜に体で稼いでいたのよ?
公爵家に行ってからは、お金は必要なくなったけど、体がうずくから学園で誘ってたの。」
それは街娼というのでは……
「公爵様もそのことはご存知なの?」
「初めは知らなかったみたいだけど、バレちゃった。
ここでは内緒にしろって言われたけど、聞かれたのに答えたんだからいいわよね?」
よくないわ。侯爵家の妻が元街娼だなんて。それに何人の貴族と関係を持ったの?
ファルクの妻として社交界に出ると、侯爵家は笑いの種なんじゃないかしら……
レーシアにファルクの子供を産ませていいのか後悔しそうで悩んでしまう。
しかし、レーシアは更なる波乱を侯爵家にもたらした。
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